その説明、本当に伝わっていますか? 高校生への会社説明で実践したい5つのポイント
「職場見学」「会社説明会」「オンライン説明会」など、高卒採用現場で高校生へ会社説明をする機会は多いことと思います。貴社で行っている会社説明は果たしてどれだけ高校生に伝わっているでしょうか。
今回は高校生向けの会社説明で、どんなポイントを重視して説明をしたら良いかまとめてみました。
目次
1-1.年齢の違い
1-2.企業を見る数の違い
1-3.企業との接点数の違い
2-1.姿勢・表情・トーン
2-2.伝える内容
2-3.身近に感じられる会社の強みを
2-4.先輩の声
2-5.高校生向けの資料
(1)高校生と大学生の違い
高校生への伝え方について考えるため、新卒採用担当が同時に採用活動を実施するであろう、高校生と大学生の違いについてまとめてみました。
1-1.年齢の違い
まず、就職活動をする時期の年齢は高校生17~19歳、大学生では21~24歳ごろです。
個性や考え方は勿論一人ひとり異なりますが、まず年齢による人生経験、社会経験は異なることを頭に入れておく必要があります。
1-2.企業を見る数の違い
この違いは大きな違いと言えます。大学生は会社説明会や、就活イベント、オンライン説明会に参加し、何社もエントリーをして就活を進めるため、選考を進める段階で社会の仕組みや業界理解が自然とできてきます。
高校生は学校斡旋での紹介で就職する場合、一定期間、一人一社ずつ応募を行う「一人一社制」というルールがあります。また、県や学校によっては応募前職場見学に行ける数が限られている場合も。
学校からの就職活動の授業があるとはいえ、就活を通じて社会の仕組みや業界理解などができにくい環境にあるという違いがあることを頭に入れておく必要があります。
1-3.企業との接点数の違い
大学生にはインターンや、会社説明会、就活イベント、選考、内定者研修など企業との接点が多くあり、長期的に関係性を築くことができます。
高校生の場合、学業優先の背景もあり、3年生の限られた期間や回数の接点しか持てていないのが実情です。
下記アンケートのような高校生が知りたいポイントを「職場見学」や「会社説明」という限られた時間で伝えなくてはなりません。
(2)高校生への会社説明で実践したい5つのポイント
具体的にどのような説明をすると良いのか5つの観点で見てみましょう。
2-1.姿勢・表情・トーン
①「明るく」「笑顔」「ハキハキ」
勿論どの求職者に向けても気を付けるポイントですが、高校生は人間関係を重視して会社選びをする傾向があります。具体的に言うと、「説明をしてくれた社員が親切だった」「働いている先輩たちが仲が良さそう・楽しそう」「笑顔で働いている」などで会社の雰囲気が良さそうと感じるようです。
アンケートからも人間関係を重視していることが分かります。
会社で初めて出会う人=会社の雰囲気やイメージを連想します。人事自らまたは、話の面白い方、若い方、社風を体現してる社員をアサインすると良いです。
特にオンラインや動画での説明会の場合は意思疎通が測りにくいので、意識を更に高めましょう。
②自社の求める人物像を体現する
ターゲットに絞るため「自社の求める人物像」を説明者自らが体現することも重要になります。
丁寧な対応が方が良いのか、親しみやすい印象が良いのか検討しましょう。
ここがあまりブレていると入社後のミスマッチにつながりかねません。
③「ウェルカムモード」をつくる
職場見学では、会社全体で「ウェルカムモードを徹底させる」というのも大事です。
全体的には高校生にとって、堅苦しい所は苦手です。
先生以外の大人と話すこと、会社に訪問することなど緊張の連続ですので、話しかけやすい雰囲気作りを心がけましょう。
2-2.伝える内容
①業界全体の話をする
前筆した通り、高校生の就職活動では職場見学や会社見学に行ける数が限られているため、業界理解できる機会は多くありません。会社説明時に自社の仕事内容だけを説明するのではなく、業界がどのように成り立っているのか、全体像も説明しましょう。
実際に就活イベントで企業の会社説明を受けた後の高校生からは「世の中がこうなっていると分かって楽しかった」という声もありました。「楽しい」と感じさせることが非常に良い刺激となります。
②難しい言葉に注意する
専門用語は勿論、普段何気なく使っている言葉の中にも高校生にとっては初めて聞く言葉もあります。「コンサルティング」「インフラ」「下請け」など…。
言葉づかいには気を付けて、もし使う際には、その後に意味を付け足して説明するようにしましょう。
理解のできない言葉を耳にするとそのまま「つまらない」と感じさせてしまいます。そのまま先生に「つまらなかった」と報告をされてしまってはイメージもダウンしてしまいます。
社内に高校卒の社員がいる場合は、実際どんな言葉が分からなかったかヒアリングすると良いでしょう。
③福利厚生・教育制度
初めての社会人経験は不安は大きいものです。不安を軽減するためにも、バックアップできる福利厚生・教育制度の話は是非伝えてください。
よく不安ごとで耳にするのは、「社員寮があるか」「資格取得支援があるか」「休みは取れるか」「入社した後はどのようなことをするのか」などです。また遠方の高校生にとっては、選考時の交通費支給などがあれば知りたいです。
また、現時点で整っていない福利厚生や制度があればきちんと伝えておき、今後整備して行きたいなどと言った旨を伝えるようにしましょう。
2-3.身近に感じられる会社の強みを
「自社の強み」の説明では、自社独自の特徴を1つ(~3つまで)伝えましょう。
例えば「○○製法で業界No.1」だけではすごさは高校生には伝わりません。
「○○製法で業界No.1を取り、みんなが知っている△△という建物にもこの製法が使われている」など、高校生の興味とセットで伝えるようにしましょう。
またよく言われる「アットホームな社風」などでは良さが十分伝わっているとは限りません。「アットホームな社風」も「明るく元気な会社」も多く存在しているからです。
この場合、もっとも表している具体的なエピソードを添えるようにしましょう。
「社員のお誕生日には必ず全員でメッセージカードを書いて渡す習慣がある。」であればアットホームですし、「地域のお祭りには必ず出展し、地域の皆さんと大すごろく大会を実施している」であれば、明るく元気な会社そうですよね。
大事なのは、合わない人が引いていくことを恐れないことです。具体化することで、ターゲットに合わない人にとって「良い会社」ではなくなります。それを恐れてしまうと、「どうでもよい会社」「何も伝わらない会社」と同じになってしまいます。
「自社だけの特徴+高校生が身近に感じられる具体的エピソード」です。
また強みだけではなく、「弱み」「仕事の厳しさ」なども伝えるようにしましょう。
1年目の離職理由の背景に「聞いてた話と違った」「思っていたことと違った」といったギャップが生じています。
前述した整備ができていない福利厚生や制度も含めて、きちんと説明をして入社後のイメージをしてもらうことが離職防止にもつながると言えます。
3-4.先輩の声
会社説明に是非組み込んで頂きたいのは、「先輩の声」です。高校生で卒業して就職した、高校生達の少し上の先輩がいれば良いですが、いなければ年齢が近い社員を選ぶと良いです。「求める人物像」に近い、活躍している若手社員に協力してもらうのです。
現場からは忙しいと言われるかもしれませんが、良い人材を採用するためにも協力を求めましょう。これまで説明してきた具体例として、若手社員に登場してもらうのが一番説得力があるからです。
おそらく一番熱心に話を聞いてくれるでしょう。
話をしてもらう内容は、入社後どのような仕事をしたのか、具体的な仕事内容、成長したポイントなど率直に話をしてもらいましょう。ここでも、具体的なエピソードの話をしてもらうことを意識しましょう。質疑応答タイムなどの時間を取るのも良いですね。
2-5.高校生向けの資料
話す内容、会社の強み、先輩の声とここまで伝える内容を整理しましたが、次は資料作成についてです。大卒向けの資料の流用はせずに新規で作成することをお勧めします。
その際、数値などは使わず絵や写真を多く使用してイメージしやすい様、工夫しましょう。
また、資料以外にも動画の準備や、仕事で使う道具や模型などを利用することもイメージにつながりやすいです。
合わせて読みたい:
「高卒採用で”職場見学”って重要なの?」高校生と先生が見ているポイント3つ ~その1~
「高卒採用で”職場見学”って重要なの?」高校生と先生が見ているポイント3つ ~その2~
高卒採用の“職場見学”で応募につなげるポイント3つ
(3)まとめ
今回はより高校生へ届く会社説明についてまとめました。
①話す姿勢は明るくハキハキと。求める人物像を体現した人が話すこと。
②高校生目線に立った内容の考案する。
③自社の強み(「自社だけの特徴+高校生が身近に感じられる具体的エピソード」)を伝える
④先輩社員に協力をあおぎ参加してもらう。
⑤高校生向けの資料を作成する。
社会経験の少ない高校生に入社後のイメージをいかに掴んでもらうかが重要です。
高校生に伝わる会社説明を行い、ギャップのない採用活動を行っていただければ幸いです。
<アンケート概要>
【調査期間】 2019年7月26日(金)・7月31日(水)
【調査内容】 ジョブドラフトFesアンケート
【調査対象】 ジョブドラフトFes(東京・大阪)来場の就職を希望する高校生 ※一部既卒生含む
【回答方法】 紙での回収
【回答者数】 N=634名
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