高卒社員の本音トークから見えてくる【高校生の就職活動を考える】
高卒採用を行う上で高校生の心理を理解することは重要です。
この度、2020年12月にジンジブでは高校生に対して就職活動に関するアンケート調査を実施いたしました。今回はこのアンケート結果を、高校を出て就職した社会人1年目3名に見てもらい本音のトークをしてもらいました。
高校生のリアルな声を通して、企業でも高卒採用の改善できるポイントが見つかるかもしれません。
目次
(1)アンケート結果と高卒社員の本音
(2)希望職種の本音について
(3)就職活動への不安について
(4)高校生の働くことに対しての不安
(5)進路への相談相手の本音について
(6)高校生へのサポートと高卒採用について
(7)まとめ
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(1)アンケート結果と高卒社員の本音
ヒアリング協力
Aさん:神奈川県公立高校出身 営業職
Bさん:兵庫県私立高校出身 キャリアコンサルタント職
Cさん:東京都通信制高校出身 カスタマーサポート職
アンケートの中の下記質問について話し合ってもらいました。
➀就職先の希望職種は何ですか?
②就職活動にどんな不安がありますか?
③働くことにどんな不安がありますか?
④就職活動に対して誰の考えや意見を一番参考にしますか?
■アンケート調査概要
【調査期間】2020年12月18日~2020年12月30日
【調査方法】インターネット調査法
【調査対象】15歳~19歳かつ高校生
【有効回答】N=1,100人(うち卒業後の希望進路が「就職希望148人」「就職か進学か迷っている29人」)
(2)希望職種の本音について
-接客・サービスやオフィスワークが人気でしたね。
皆さんの就職活動時期の希望職種は何でしたか?就活を通して希望は変わりましたか?
僕は営業職が希望でした。高校生時代に携帯販売や居酒屋のキャッチのアルバイトをしていて、BtoCの営業がやりたいと思っていました。就職先では法人営業をしています。
学校の求人票を見てもやりたい仕事がなく、ジョブドラフトのLINE就職相談で相談をして職場見学に行き「法人営業も経験してみよう!」という気持ちになりました。
Aさん
大きく「人と関わる仕事がしたい」という軸で探しました。先生から勧められた銀行の窓口とスポーツジムのインストラクターも見学に行きました。私は夢があったのですが、燃えなくなったので就職することにしました。具体的になりたい職種がなかったので人と関わることで探しました。学校に来たジンジブの就職ガイダンスで就職することに前向きになれました。
Bさん
私は元々は進学希望でしたが就職に変更することになりました。飲食業界と介護業界を希望していました。飲食業界では高校時代に2年半くらいバイトをしていたので、社員になり昇格して店長になれる道が見えていました。介護では人の役に立つ仕事ができると思い希望していました。
今の会社に応募したきっかけは個別面談で会社パンフレットを見せてもらって「社員さんが綺麗」「東京タワーが見れるオフィス」と惹かれ、職場見学にいったら心を掴まれたので、結局全く違う業界に入社することになりました。
Cさん
-アンケートでは「特にない、分からない」が多いですが理由は何だと思いますか?
「知らないから」につきると思います。自分自身についても知らないし、世の中にどういう企業があるのかどんな職種があるのかも知りません。何がやりたいのか、自分に何が向いているのか分からないので自分の意思が出てこないと思います。
Bさん
自己分析できてないまま就職する生徒がほとんどだと思います。僕の場合はしたいことが決まっていました。人と話すのが苦手ではなかった、営業の仕事がしたい、稼ぎたい、ホワイトカラーの仕事がしたいと決めていたのであまり迷いませんでした。
Aさん
私の場合は大学進学の希望を就職希望に変えました。そういった生徒は半年の間にやりたい仕事を決めてと言われてもすぐに決められないと思います。
(3)就職活動への不安について
-皆さんは就職活動にどんな不安がありましたか?
不安しかなかったです。
Bさん
私も不安しかなかったです。
Cさん
僕は応募する前は不安はありませんでした。就職後楽しく仕事ができるかどうかが心配でしたね。
Aさん
就職に関するガイダンスを受けてから就職に前向きになった後、自分の視野が狭いことに気付きました。何も知らないまま一生の選択をして良いのかと思いました。色んな人の意見や話を聞きました。自分の意思に自信がなかったのが不安の原因です。
Bさん
-今振り返ってみて、就職活動でどんな行動ができていたら良かったと思いますか?
企業の情報をもっと早く調べ、少しでも多く選択肢を出せばより良かったのかなと思います。
それ、思います!就職活動をしていたころの自分に伝えるなら、「ちゃんと見るように」と言うと思います。私は直感的に良いところを見てしまうので、冷静になって客観的に良いところ悪いところ、合うところ合わないところを見ることが必要だと思います。当時は判断軸もなかったのですが。
Bさん
(4)高校生の働くことに対しての不安
-「働く」ことに関してどんな不安がありましたか?
入社してから先輩や同期とうまくやれるか続けられるかが一番不安でした。また周りの友達は大学や専門学校に行って好きなことやバイトをするんだろうなと思うと周りがキラキラして見えていました。私だけ働くことに耐えられるのか不安でした。
Cさん
社会人はとても大人だというイメージがあって自分が社会人をやっていけるのか不安でした。
また自分が高卒だということをマイナス点だと思っていて、同じ高卒で働いている人がたくさんいるってわかっていても「自分で良いのか」「できることがあるのか」と不安でした。
Bさん
優しくしてもらっていると思います。本人がそう思っているわけではないと思いますが、ふとした時に「高卒だから」「なめられている」というような感情が出てしまう気がします。人間関係が上手くいかないのはここが大きな原因だと思います。
Aさん
(5)進路への相談相手の本音について
-皆さんは誰の意見を参考にしましたか?
言葉が重たいのはやっぱり就職担当の先生です。今までも色んな生徒を見て来てきているので。でも最終的には自分で決めました。
あとは年齢の近いいとこが全員高卒で就職しているので相談しました。同級生は同じく知識がないですし、親も先生も年が離れているので、ちょっと年上の話ができる存在がいると相談しやすいです。
Bさん
僕は自分の意見とやりたいことを軸に考えていました。親は自分の意見を尊重してくれました。年齢の離れた人には話を聞いて参考にしました。
Aさん
採用する側の意見がわかるバイト先の店長や、就職も転職も経験したことのある彼氏に相談しました。親には相談しませんでした。求人票の見方もわからないと思います。
Cさん
-「特にいない、分からない」という回答はどう思いますか?
大人には本音で相談しずらいと思います。意見を求めたら、決められてしまう怖さがあります。まだ自分のこと、自分のやりたいことが見えていないのに人に大きく左右されてしまう怖さといいますか。
Bさん
うん、自己分析ができてないと、自分が何も言い返せない。「やりたいことがないならここに行きなさい」と流されてしまうと思います。
Aさん
先生に相談しても自分の欲しい答えが返って来なくてもやもやが解消できず、それなら相談しなくても良いと思ってしまうのかなと思います。
(6)高校生へのサポートと高卒採用について
-最後に、就活当時に戻るとしたらどんなサポートがあると良かったと思いますか?
自分と向き合う場が欲しかったです。自己分析の授業で、過去の自分を知る、自分の人生でのどん底や良かったことなどのワークがあっても、いきなり取り組むのは難しいです。対面でじっくり考える、向き合ってくれるような時間が欲しかったです。教えてもらう時間ではなく、聞いてもらえる時間ですね。
Bさん
私は面談をもっとたくさんして欲しかったです。頻度は半年で1~2回でした。校長先生と仲良くって個別で話をしていましたが、自分から相談ができないタイプでした。就職とか求人票の見方を知らないのでアドバイスがいっぱい欲しかったです。
Cさん
僕はもっと色々な業種に触れるようにたくさんアルバイトを経験すれば良かったと思っています。例えば介護、物流などやったことがなかったので選択肢になかったです。高校生にアドバイスできるとしたら色々とアルバイトを経験した方が良いと言うと思います。体験してその後で自分と向き合う時間を作るのが良いと思います。
Aさん
キッザニアのような職場体験できるところがあれば行きたかったです。
Cさん
-インターンシップで職場体験ができれば良いですね。
高校生にもっと危機感を持たせた方が良いと思います。7月からの就職活動が短いという感覚もないし、良い会社は早くに採用が決まってしまうことも知りません。高校生のことを思うと就職活動が本格的に始まる前にガイダンスをした方が良いと思います。個人面談の希望も増えると思う。
Aさん
就職活動を通して嬉しかったのは、ジョブドラフトFesで初めて「高卒の自分が必要とされている」と分かったことです。なんとなく「高卒は仕方なく採用する」と思いこんでいたのですが、自分たちが活躍できる場があり、高卒の社員さんがたくさん活躍していることを知ったことが原動力になりました。そういうのが分かると就職活動を頑張れると思います。
Bさん
-先輩社員に知り合ったり、就職後がイメージできるイベントが増えたら良いですね!
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今年は新型コロナウイルスがあったので分からないですが、内定後には同期とオンラインなどでも良いので事前に頻繁に関わる時間があれば良いと思います。
Cさん
(7)まとめ
高校生の不安や心情、求めていることを把握することで、採用活動や採用後の接し方や教育の考えが変わるのではないでしょうか。
高校生の新卒採用を通して高校生と企業を両者前向きに変化させることを願っています。
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