【若手採用の2021年問題】コロナの影響ではどうなる?
高卒採用Labでは昨年、以下の記事を公開しました。
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2021年問題とは、2021年から日本の22歳人口が減少局面に入ることで、以降の新卒採用においてより採用が難しくなるであろうことを予測した内容でした。
この2021年問題という状況予測はコロナの影響によりどのように変化するのでしょうか?
本記事では、これまでの21卒の状況から2021年問題への影響を考えてみます。
目次
(1)予断を許さない21卒(令和3年3月卒)の就職状況
(2)【2021年問題】高校新卒:減る求職者、減る求人
(3)【2021年問題】大学新卒:変わらない求職者、減る求人
(4)22卒の就職・採用はどうなる?
(5)まとめ
(1)予断を許さない21卒(令和3年3月卒)の就職状況
厚生労働省から令和2年10月現在の「求人・求職・内定状況」のまとめ(※)が発表されました。
※令和2年度「高校・中学新卒者のハローワーク求人に係る 求人・求職・就職内定状況」を公表します(厚生労働省)
この発表内容の要約には以下のようにあります。
- 就職内定率 64.2%で、前年同期比 0.2 ポイントの上昇
- 就職内定者数 約9万8千人で、同 9.9%の減
- 求人数 約 37 万人で、同 20.7%の減
- 求職者数 約 15 万2千人で、同 10.1%の減
- 求人倍率 2.43 倍で、同 0.32 ポイントの低下という結果でした。
今年度は、スケジュールが1ヶ月遅れ、オンラインへの対応が迫られるなど現場の混乱が想定されましたが、内定率は昨年同様の高水準という結果でした。
注目すべきは、求職者数と求人数それぞれの減少です。
また求人倍率も急激な下降は示していないものの0.32ポイント下がっています。
(2)【2021年問題】高校新卒:減る求職者、減る求人
冒頭に記載した通り、2020年度の高卒新卒においては求人倍率の低下はまだ限定的です。
要因は、求職者数も求人数も減っているからです。決してコロナの影響を受けず、前年通りの状況で求人倍率という結果が出ているわけではありません。
見通しが立たない中採用を控える企業、このような状況であれば進学と就職を迷っていたけれど進学を選択しようという高校生が増えたのではないでしょうか。
(3)【2021年問題】大学新卒:変わらない求職者、減る求人
リクルートワークス研究所が2020年8月に発表した「第37回 ワークス大卒求人倍率調査(2021年卒)」を見てみます。
大学新卒の有効求人倍率の低下は、昨年比で0.19ポイント。
高卒新卒との違いは、求人数が減っていることに対し、民間企業就職希望者数はほぼ横ばいであるということです。
(4)22卒の就職・採用はどうなる?
これまでの有効求人倍率の推移を見てみます。
リーマンショックによる雇用への影響は翌年度に大きく現れました。
高校新卒の有効求人倍率は1.81倍(2009卒)から1.29倍(2010卒)へと大きく下がっています。
大学新卒も同様です。前掲した「第37回 ワークス大卒求人倍率調査(2021年卒)」では、2.14倍(2009卒)から1.62倍(2010卒)へと低下しています。
先行きが不透明な中、経営への打撃がより深刻化していくことを考えると、求職者数は変わらず求人数は減る、つまり大きく求人倍率が低下する可能性があります。
高校新卒についても、21卒で見られた就職希望者数の減少が22卒でさらに加速するとも考えづらいので大学新卒同様の状況になると思われます。
(5)まとめ
コロナウィルス感染症の拡大状況、またコロナへの経済的対策や医療的対応がどう進むかによりますが、2022卒の学生にとって就職の環境は悪化してしまうかもしれません。
一方で、採用を継続する企業にとってはどうでしょうか?
有効求人倍率が下がるということは人材獲得の競争が和らぐと捉えることもできますが、実際はそれほど変わらないのではないかと推測します。今、採用に旺盛な企業はこれまでも「採用の勝ち組」だった可能性が高いからです。
2021年問題にある人口減少は不可避なものです。
本質的には、各企業の効率化や生産性の向上の実現が必要です。
コロナ禍で生き残る体質を身に付けた企業が、今後の採用活動においても成果を出せるのかもしれません。
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