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21卒の一人一社応募はいつまで?都道府県別、選考スケジュールを紹介

2021年卒の高卒採用は新型コロナウィルス感染症影響により、21卒の採用選考期日は10月5日に応募、16日に面接開始となり、例年と異なる日程で進みます。

10月16日以降の一次募集の後にもいわゆる二次募集という時期に応募をする高校生もいます。

今回は一次募集以降の「一人一社制」後のスケジュールについて各都道府県の21卒選考スケジュールを見ると共に、例年との違いを考察します。
自社の都道府県のスケジュールの把握の他にも近隣他県のチェックも行いましょう。

(1)21卒は1ヶ月遅れで応募・選考開始

厚生労働省が2020年6月11日に発表した日程は以下の通りです。

【令和3年3月新規高等学校卒業者の採用選考期日等】

出典:「令和3年3月新規高等学校卒業者の就職に係る採用選考開始期日等の変更について(厚生労働省)」

・企業による学校への求人申込及び学校訪問開始
7月1日
・学校から企業への生徒の応募書類提出開始
10月5日(沖縄県は9月30日)
※変更前は9月5日(沖縄県は8月30日)
・企業による選考開始及び採用内定開始
10月16日
※変更前は9月16日

情報解禁は7月1日と例年通りでしたが、応募・選考はそれぞれ例年より1ヶ月遅れてスタートします。遅らせる理由は学校の臨時休校です。休校によって、例年春先に行われる進路ガイダンスや面談等が遅れ、就職準備が満足にできませんでした。生徒の準備期間を設けることで不安を払拭し、しっかりと活動できるよう環境を整えたいという狙いです。

(2)都道府県別の選考スケジュールはどうなる?

さて、高校生の就職活動において「一人一社制」という独特の慣行があるのはすでにご存知かと思いますが、この一人一社制はおおよそ「一次募集」と呼ばれる期間のルールです。一次募集は、例年では9月末までを指します。

この期間を過ぎると、一人一社制はなくなり「複数応募」が可能になります。複数応募とは2〜3社への応募が可能になるということです。

複数応募が可能になる時期や、応募可能な社数は各都道府県によって異なります。

そこで本記事では、公表された都道府県ごとの選考スケジュール一覧(※)を見ながら21卒への各都道府県の対応を比較してみます。

※「令和3年3月新規高等学校卒業者の就職に係る採用選考開始期日等の変更について」を引用

まず、例年(ここでは20卒)の日程を見てみましょう。※数字は都道府県数

■最初から複数応募可能:2(秋田県、沖縄県)
■9月中は一人一社制、10月から複数応募:23
■10月半ば、もしくは10月中は一人一社制、以降は複数応募可:22

ただ単に日程だけを考えれば、複数応募可とする時期も1ヶ月先になるかと思われますが、実際は異なります。

21卒の日程はこうなりました。

■最初から複数応募可能:2(秋田県、沖縄県)
10月中は一人一社制、11月から複数応募:34
■11月半ば、もしくは11月中は一人一社制、以降は複数応募可:11

中でも、例年

■10月半ば、もしくは10月中は一人一社制、以降は複数応募可

としている都道府県が、21卒に関しては

10月中は一人一社制、11月から複数応募

とした都道府県が「11」もありました。

つまり、選考・内定開始は1ヶ月遅れていても複数応募可の時期は変更しなかった都道府県が「11」あるということです。

また、通常よりも一人一社応募の期間を短くした都道府県が「6」ありました(1ヶ月を半月に短縮)。

このように47都道府県のうち、17都道府県は何らかの形で複数応募を早めたということになります。

<表掲載:都道府県別21卒、20卒日程比較>

21卒の日程 20卒の日程
北海道 10月中は1人1社制、11月1日以降1人2社まで応募・推薦を可能とする。(ただし、就職面接会で応募する場合は期間にとらわれず1人2社以上応募可能とする。) 10月中までは1人1社制、11月1日以降1人2社まで応募・推薦を可能とする。(ただし、就職面接会で応募する場合は期間にとらわれず2社以上応募可能とする。)
青森 10月中は1人1社制、11月1日以降1人2社まで応募・推薦を可能とする。(ただし、県外の企業に応募する場合は、応募先の都道府県の応募・推薦の申し合わせを適用する。) 9月中までは1人1社制、10月1日以降1人2社まで応募・推薦を可能とする。(ただし、県外の企業に応募する場合は、応募先の都道府県の応募・推薦の申し合わせを適用する。)
岩手 10月中までは1人1社制、11月1日以降1人2社まで応募・推薦を可能とする。 9月中までは1人1社制、10月1日以降1人2社まで応募・推薦を可能とする。
宮城 10月中は1人1社制、11月1日以降1人3社まで応募・推薦を可能とする。(ただし、県外の企業に応募する場合は、応募先の都道府県の応募・推薦の申し合わせを適用する。) 9月中までは1人1社制、10月1日以降1人3社まで応募・推薦を可能とする。(ただし、県外の企業に応募する場合は、応募先の都道府県の応募・推薦の申し合わせを適用する。)
秋田 当初から1人3社まで応募・推薦を可能とする(ただし、県内求人事業所に応募・推薦する場合に限る)。 当初から1人3社まで応募・推薦を可能とする(ただし、県内求人事業所に応募・推薦する場合に限る)。
山形 10月中は1人1社制、11月1日以降1人3社まで応募・推薦を可能とする。 9月中までは1人1社制、10月1日以降1人3社まで応募・推薦を可能とする。
福島 10月中は1人1社制、11月1日以降事業主の承諾を得た場合に限り複数の応募・推薦(原則2社まで)を可能とする。 9月中までは1人1社制、10月1日以降事業主の承諾を得た場合に限り複数の応募・推薦(原則2社まで)を可能とする。
茨城 10月中は1人1社制、11月1日以降1人2社まで応募・推薦を可能とする。(ただし、就職面接会においては1人2社以上応募可能とする。) 9月中までは1人1社制、10月1日以降1人2社まで応募・推薦を可能とする。(ただし、就職面接会においては2社以上応募可能とする。)
栃木 10月中は1人1社制、11月1日以降1人2社まで応募・推薦を可能とする。 9月中までは1人1社制、10月1日以降1人2社まで応募・推薦を可能とする。
群馬 10月中は1人1社制、11月1日以降1人2社まで応募・推薦を可能とする。 9月中までは1人1社制、10月1日以降1人2社まで応募・推薦を可能とする。
埼玉 10月中は1人1社制、11月1日以降は、事業主の承諾を得た場合に限り複数の応募・推薦(原則2社まで)を認める。 9月中までは1人1社制、10月1日以降は、事業主の承諾を得た場合に限り複数の応募・推薦(原則2社まで)を認める。
千葉 10月中は1人1社制、11月1日以降1人原則2社まで応募・推薦を可能とする。 9月中までは1人1社制、10月1日以降1人原則2社まで応募・推薦を可能とする。
東京 10月中は1人1社制、11月1日以降1人2社まで応募・推薦を可能とする。(ただし、道府県の企業に応募する場合は、応募先の応募・推薦の申し合わせを適用する。) 9月中までは1人1社制、10月1日以降1人2社まで応募・推薦を可能とする。(ただし、道府県の企業に応募する場合は、応募先の応募・推薦の申し合わせを適用する。)
神奈川 10月中は1人1社制、11月1日以降1人2社まで応募・推薦を可能とする。 9月中までは1人1社制、10月1日以降1人2社まで応募・推薦を可能とする。
新潟 10月中は1人1社制、11月1日以降1人2社まで応募・推薦を可能とする。(ただし、県外の企業に応募する場合は、応募先の都道府県の応募・推薦の申し合わせを適用し、県内外を含め受験できる企業数は2社以内とする。) 10月中までは1人1社制、11月1日以降1人2社まで応募・推薦を可能とする。(ただし、県外の企業に応募する場合は、応募先の都道府県の応募・推薦の申し合わせを適用し、県内外を含め受験できる企業数は2社以内とする。)
富山 11月中は1人1社制、12月1日以降1人3社まで応募・推薦を可能とする。(ただし、県外の企業に応募する場合は、応募先の都道府県の応募・推薦の申し合わせを適用することが望ましい。) 10月中までは1人1社制、11月1日以降1人3社まで応募・推薦を可能とする。(ただし、県外の企業に応募する場合は、応募先の都道府県の応募・推薦の申し合わせを適用することが望ましい。)
石川 11月中は1人1社制、12月1日以降複数応募・推薦を可能とする。 10月中までは1人1社制、11月1日以降複数応募・推薦を可能とする。
福井 10月中は1人1社制、11月1日以降複数応募・推薦を可能とする。 9月中までは1人1社制、10月1日以降複数応募・推薦を可能とする。
山梨 11月14日までは1人1社制、11月15日以降複数応募・推薦を可能とする。 10月14日までは1人1社制、10月15日以降複数応募・推薦を可能とする。
長野 10月中は1人1社制、11月1日以降1人2社まで応募・推薦を可能とする。 10月15日までは1人1社制、10月16日以降1人2社まで応募・推薦を可能とする。
岐阜 10月中は1人1社制、11月1日以降1人2社まで応募・推薦を可能とする。(ただし、県外の企業に応募する場合は、応募先の都道府県の応募・推薦の申し合わせを適用する。) 10月中までは1人1社制、11月1日以降1人2社まで応募・推薦を可能とする。(ただし、県外の企業に応募する場合は、応募先の都道府県の応募・推薦の申し合わせを適用する。)
静岡 10月中は1人1社制、11月1日以降1人3社まで応募・推薦を可能とする。 10月中までは1人1社制、11月1日以降1人3社まで応募・推薦を可能とする。
愛知 11月15日までは1人1社制、11月16日以降1人2社まで応募・推薦を可能とする。(ただし、県外の企業に応募する場合は、応募先の都道府県の応募・推薦の申し合わせを適用する。) 10月中までは1人1社制、11月1日以降1人2社まで応募・推薦を可能とする。(ただし、県外の企業に応募する場合は、応募先の都道府県の応募・推薦の申し合わせを適用する。)
三重 11月15日までは1人1社制、11月16日以降1人2社まで応募・推薦を可能とする。 10月中までは1人1社制、11月1日以降1人2社まで応募・推薦を可能とする。
滋賀 10月中は1人1社制、11月1日以降未充足求人に限り1人2社まで応募・推薦を可能とする。 9月中までは1人1社制、10月1日以降未充足求人に限り1人2社まで応募・推薦を可能とする。
京都 10月中は1人1社制、11月1日以降1人2社まで応募・推薦を可能とする。 10月15日までは1人1社制、10月16日以降1人2社まで応募・推薦を可能とする。
大阪 10月中は1人1社制、11月1日以降1人2社まで応募・推薦を可能とする。 10月中までは1人1社制、11月1日以降1人2社まで応募・推薦を可能とする。
兵庫 10月中は1人1社制、11月1日以降1人2社まで応募・推薦を可能とする。(ただし、県外の企業に応募する場合は、応募先の都道府県の応募・推薦の申し合わせを適用する。) 10月中までは1人1社制、11月1日以降1人2社まで応募・推薦を可能とする。(ただし、県外の企業に応募する場合は、応募先の都道府県の応募・推薦の申し合わせを適用する。)
奈良 10月中は1人1社制、11月1日以降1人2社まで応募・推薦を可能とする。 10月中までは1人1社制、11月1日以降1人2社まで応募・推薦を可能とする。
和歌山 10月中は1人1社制、11月1日以降1人2社まで応募・推薦を可能とする。 9月中までは1人1社制、10月1日以降1人2社まで応募・推薦を可能とする。
鳥取 10月中は1人1社制、11月1日以降1人2社まで応募・推薦を可能とする。 9月中までは1人1社制、10月1日以降1人2社まで応募・推薦を可能とする。
島根 11月15日までは1人1社制、11月16日以降1人2社まで応募・推薦を可能とする。 10月中までは1人1社制、11月1日以降1人2社まで応募・推薦を可能とする。
岡山 11月中までは1人1社制、12月1日以降複数応募・推薦を可能とする。 10月中までは1人1社制、11月1日以降複数応募・推薦を可能とする。
広島 10月中は1人1社制、11月1日以降複数応募・推薦を可能とする。 9月中までは1人1社制、10月1日以降複数応募・推薦を可能とする。
山口 10月中は1人1社制、11月1日以降1人2社まで応募・推薦を可能とする。 9月中までは1人1社制、10月1日以降1人2社まで応募・推薦を可能とする。
徳島 11月15日までは1人1社制、11月16日以降1人2社まで応募・推薦を可能とする。 10月15日までは1人1社制、10月16日以降1人2社まで応募・推薦を可能とする。
香川 10月中は1人1社制、11月1日以降複数応募・推薦を可能とする。 9月中までは1人1社制、10月1日以降複数応募・推薦を可能とする。(ただし、県外の企業に応募する場合は、応募先の都道府県の応募・推薦の申し合わせを適用する。)
愛媛 10月中は1人1社制、11月1日以降1人2社まで応募・推薦を可能とする。 9月中までは1人1社制、10月1日以降1人2社まで応募・推薦を可能とする。
高知 10月中は1人1社制、11月1日以降事業所の了解のもと1人2社まで応募・推薦を可能とする。 9月中までは1人1社制、10月1日以降事業所の了解のもと1人2社まで応募・推薦を可能とする。
福岡 11月15日までは1人1社制、11月16日以降1人2社まで応募・推薦を可能とする。 10月中までは1人1社制、11月1日以降1人2社まで応募・推薦を可能とする。
佐賀 10月中は1人1社制、求人者の承諾を得た場合に限り11月1日以降1人2社まで応募・推薦を可能とする。 10月中までは1人1社制、求人者の承諾を得た場合に限り11月1日以降1人2社まで応募・推薦を可能とする。
長崎 11月14日までは1人1社制、11月15日以降複数応募・推薦を可能とする。 10月14日までは1人1社制、10月15日以降複数応募・推薦を可能とする。
熊本 11月15日までは1人1社制、11月16日以降1人2社まで応募・推薦を可能とする。 10月中までは1人1社制、11月1日以降1人2社まで応募・推薦を可能とする。
大分 10月中は1人1社制、11月1日以降1人2社まで応募・推薦を可能とする。 9月中までは1人1社制、10月1日以降1人2社まで応募・推薦を可能とする。
宮崎 10月中は1人1社制、11月1日以降1人2社まで応募・推薦を可能とする。 10月中までは1人1社制、11月1日以降1人2社まで応募・推薦を可能とする。
鹿児島 10月中は1人1社制、11月1日以降1人2社まで応募・推薦を可能とする。(ただし、高校生のための就職面接会を通じた応募は複数応募可能とする。) 9月中までは1人1社制、10月1日以降1人2社まで応募・推薦を可能とする。(ただし、高校生のための就職面接会を通じた応募は複数応募可能とする。)
沖縄 当初から1人3社まで応募・推薦を可能とする。(ただし、県外の企業に応募する場合は、応募先の都道府県の応募・推薦の申し合わせを適用する。) 当初から1人3社まで応募・推薦を可能とする。(ただし、県外の企業に応募する場合は、応募先の都道府県の応募・推薦の申し合わせを適用する。)

(3)なぜ複数応募を早めたのか?

このスケジュールは7月時点で決定したものです。

各都道府県がこのような対応をとったのは、いくつか理由が考えられます

1.秋以降の他のスケジュールへの影響懸念

高校3年生の年間行事は目白押し。秋以降は公務員試験、大学入試と進路に関係する大きなイベントもあります。こういったスケジュールに極力影響を与えないよう、就職活動期間を圧縮して遅れを取り戻すという狙いがあると考えられます。

2.求人数減少への対応

特に地方において求人数の減少が顕著、求人数は前年比24.3%の減少となりました。

そのため、マッチング機会を増やすことで、早期にスムーズに就職先を決定させたいという意図があったのではないでしょうか。

3.高校生への心理的負担の軽減

コロナによる経済への影響は顕在化してきています。家庭の経済状況や求人数の状況を見ながら、就職すべきか否か進路に迷う高校生も少なくありません。また、休校で就職準備がままならない中、例年と異なる形態での進路指導・就職活動には先生も生徒も多少の混乱があると思います。

こうした状況が高校生に与える心理的負担は大きいでしょう。

できるだけ早期に進路が決められるように配慮しているかもしれません。

(4)まとめ

一人一社制の慣行にはメリット・デメリットの両方が存在します。それぞれを慎重に見極めながら、徐々に見直しの動きが出ていたのがここ数年でした。

しかし、21卒に関してはコロナ影響への対応に手一杯で、高卒採用のあり方そのものの検討は進められないのが現実ではないでしょうか。

1ヶ月の選考スケジュールの遅れによる複数社応募の前倒し。例年と異なる進行が、高校生、企業に与える影響が何なのか、今後の変化への示唆が得られるかもしれません。

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