【速報】求人数は前年同期比24.3%の減少。令和2年度「高校・中学新卒者のハローワーク求人に係る求人・求職・就職内定状況」取りまとめを公表
厚生労働省から『令和2年度「高校・中学新卒者のハローワーク求人に係る求人・求職状況」取りまとめ』が発表されました。
○ 求人数 約 33 万 6 千人で、前年同期比 24.3%の減
○ 求職者数 約 16 万 2 千人で、同 8.0%の減
○ 求人倍率 2.08 倍で、同 0.44 ポイントの低下
新型コロナウイルス感染症の影響を産業別や企業規模別、地域別に詳しく見ていきます。
目次
(1)コロナウィルス感染症の求人数に与える影響は?
(2)産業別の影響
(3)企業規模別の影響
(4)地域別の影響
(5)大卒と高卒の比較
(6)まとめ
(1)コロナウィルス感染症の求人数に与える影響は?
厚生労働省から『令和2年度「高校・中学新卒者のハローワーク求人に係る求人・求職状況」取りまとめ』が発表されました。
2021年3月卒の就職希望者を対象とした高校生の求人数は大幅に減少しました。
・求人数:前年同期比24.3%の減少
・求人倍率は0.44ポイントの低下
実に11年ぶりの低下です。
新型コロナウイルス感染症の影響によるおおかたの懸念、予想通り、就職希望者にとっては厳しい環境になっていると言えます。
過去に求人数が大きく減少したリーマンショック時はどうだったでしょうか。
影響が色濃く出た2010年3月卒の状況を見てみます。
求人数は48.8%の減少、求人倍率は0.60ポイントの低下と。今年度と比較しても激しい影響がありました。そして、以降数年は低調な数字が続いており、企業に深刻な影響を与えていたことがわかります。
さて、コロナウィルス感染症はどのような産業、地域に影響を与えているのでしょうか。
出典:令和2年度「高校・中学新卒者のハローワーク求人に係る求人・求職状況」取りまとめ(厚生労働省)
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(2)産業別の影響
日々の報道で目にするように、新型コロナウィルス感染症で打撃を受けているのは、飲食業と宿泊業です。また、「生活関連サービス業、娯楽業」には旅行代理業が含まれており、こちらも求人数への影響が如実に現れています。
これら突出した減少率の産業を除いたとしても、軒並み20~30%の減少を示しており影響範囲の広さが窺えます。
出典:令和2年度「高校・中学新卒者のハローワーク求人に係る求人・求職状況」取りまとめ(厚生労働省)
(3)企業規模別の影響
企業規模別の求人数ではどうでしょうか。こちらは区分ごとにそれほどの差はなく、おおよそ25%前後の減少率となっています。
コロナによる直接的な影響が業績にそれほど現れていなくても、先行きの不透明感から採用を控える企業は多くあり、これは企業規模に関わらず共通の心理・姿勢と言えそうです。
出典:令和2年度「高校・中学新卒者のハローワーク求人に係る求人・求職状況」取りまとめ(厚生労働省)
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(4)地域別の影響
地方求人数の落ち込みが懸念されており、それが現実のものとなってしまいました。各地域とも25%前後の減少となっています。
ここで着目すべきは求人倍率です。
関東、特に京浜は求人数で昨年比-28.0%と大きく落ち込みはしましたが、それでもまだ求人倍率は3.97もあります。
一方で、近畿や南九州などは求人倍率が1.5を割り込んでいます。この傾向が続き求人倍率が1.0を割るような事態となれば、求職者にとっては大変厳しい環境となります。
都道府県別の求人倍率を見ると、沖縄県が1.0を割り0.83、青森県が1.13、長崎県が1.18、鹿児島県が1.27、奈良県が1.29と低い水準にあります。
奈良県に関しては隣の大阪府が3.55と隣県と大きな差が開いており、県ごとに求人状況が異なることが分かります。
出典:令和2年度「高校・中学新卒者のハローワーク求人に係る求人・求職状況」取りまとめ(厚生労働省)
(5)大卒と高卒の比較
近年の求人倍率は大卒と高卒が逆転をしており、いかに高卒の求人数が増えていたかがわかります。
コロナの影響は大卒においても同様で、求人倍率は0.3ポイント減少しました。求職者数は大卒の方が多いため、求人の減少数は大卒の方が多いことになります。
リーマンショック時も大卒、高卒とも求人倍率は低下しました。いずれも落ち込んでから復調までには5~6年ほどの期間を要しており、コロナの影響もしばらく続くのではないかと予想されます。
出典:令和2年度「高校・中学新卒者のハローワーク求人に係る求人・求職状況」取りまとめ(厚生労働省)
「大卒求人倍率調査」(リクルートワークス研究所)より作成
(6)まとめ
コロナウイルス感染症が企業の採用意欲に与える影響は大きく、企業規模、地域によらず25%前後の求人数の減少となりました。産業別には、飲食・宿泊・旅行業への影響が顕著です。
リーマンショック時の傾向を見れば、これから数年は求人数は減少傾向、求人倍率は低調に推移することが予想されます。
また、これは新卒に限った話ではありません。
直接的な影響を受けている産業では失業者が増えています。失業者は次の職を求めますので、求職者数は増加、転職市場においても求人倍率は下がります。
こういった状況を逆手にとって、採用活動を強化する企業もあります。しかしそれはただの逆張りではなく、コロナ禍でも立ち行くように経営やサービスを工夫して変化に対応できているからこそ、打てる一手と言えます。
ウィズコロナという言葉に現されているように、コロナは一時のものではありません。いちはやい対応、変化が企業には求められます。
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