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高校生の就職活動が変わる?どう変わる?高等学校就職問題検討会議から見る高卒採用

2020年03月24日

2020年2月10日、毎年高校生の就職活動のスケジュールを決定する高等学校就職問題検討会議が行われ、2021年卒の新規中学校・高等学校卒業者の就職に係る推薦及び選考開始期日と文書募集開始時期等についてのスケジュールが決まりました。

また、昨年1月から高校生の就職活動の在り方を見直すワーキングチームの報告書が公開されました。

今回はこの報告書の内容の要約と、企業人事が今後目を向けるべきポイントについてまとめました。

目次

(1)2021年卒のスケジュールは?
(2)報告書の内容は?
(3)高卒採用、今後どう変わっていく?
(4)企業はどう備えていくべき?
(5)まとめ

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(1)2021年卒のスケジュールは?

2020年6月1日 ハローワークによる求人票受付開始

2020年7月1日 学校求人情報解禁

2020年9月5日 応募開始

2020年9月16日 選考開始

例年と同じスケジュールになりました。

高校生新卒の就職活動において学業に支障をきたさないようにスケジュールは遵守が求められます。

そのため、人事の高卒採用への準備も採用計画を立てて運用することが成功の秘訣と言えます。

※2020年6月11日に選考スケジュールの変更が発表されました。下記の通り1ヶ月後ろ倒しされます。

2020年7月1日 求人情報公開 ※変更なし

2020年10月5日 学校から企業への応募書類提出開始 (沖縄県は9月30日)

2020年10月16日 企業による選考開始

(2)報告書の内容は?

高校生の就職活動は、自ら企業に応募するのが一般的である大学生の就職活動とは異なり、基本的に高校が行う職業紹介を利用しています。

この学校推薦による就職あっせんは、指定校制や、一人一社制による学校推薦などの就職慣習もあり、生徒が内定を得やすいという良さがありますが、一方で、生徒は応募する以外の企業・職場を十分知らないままに内定を得てその企業に入社します。

そのような慣習に基づいた就職指導の在り方、生徒の就職活動の仕方が、生徒自らの意思と責任で職種や就職先を選択する意欲や態度、能力の形成をする妨げになっているのではないか、また、早期離職の問題につながっているのではないかという指摘のもと、1年間を通じて話し合い、見直しをした見解が報告書としてまとめられました。

ポイントに応じて報告書の文章の一部を抜粋しながら解説していきます。

なお、全文はコチラより確認いただけます。

https://www.mhlw.go.jp/content/11601000/000594160.pdf

 

1.一人一社制について

一人一社制など学校による斡旋の仕組みについては、全国統一的に採用選考期日等の申合せを行った上で、都道府県ごとの状況に応じて、具体的な運用がなされている。

以下のいずれかを選択することが妥当であると考える。

➀一次応募の時点から、複数応募・推薦を可能とする。ただし、応募企業数を限定することもあり得る(例えば、2~3社までとするなど)。

②一次応募までは1社のみの応募・推薦とし、それ以降(例えば 10 月1日以降)は複数応募・推薦を可能とする。また、就職面接会で応募する場合は、期間にとらわれず2社以上の応募を可能とする。

 

都道府県ごとに具体的な検討内容が提示されました。➀は当初より複数応募を可能とするものです。②はこれまでの一人一社制になっていますが、複数応募を可能とする時期については前年度よりも前倒しを検討することが望ましいとされています。

 

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2.民間の職業紹介事業者が行う職業紹介の明確化

高等学校卒業予定者の職業紹介は、ハローワークまたは業務を分担させた高等学校のみが行うわけではなく、職業安定上、民間の職業紹介事業者が取り扱うことができると明記されました。

しかし、その事実が十分に知られていないため、高校生が民間の就職支援も利用ができることを明確化し、関係者(民間職業紹介事業者、高等学校、経済界等)への周知が必要とあります。

 

ここでポイントは、民間職業紹介事業者であっても、採用選考期日などの申合せは遵守すること、留意点も明確化することと明記されていることです。フライングはできないということ、採用計画はこれまで通りの考え方となります。

 

3.学校の就職斡旋と民間職業紹介事業者の就職斡旋の在り方について

2.を踏まえると高校生にとって、学校による職業あっせんと、民間職業紹介事業者による職業あっせんどちらの支援も受けることができることとなります。

生徒に丁寧な説明を行い、生徒が主体的に基づき選択することが妥当とされています。

どちらか一方ではなく、選択肢があることや生徒の事情や特性や希望に対して適切に指導することが求められます。

 

なお、地域の事情に応じて、併用の在り方の整理も必要とされています。

① 学校による就職あっせんと民間職業紹介事業者による就職あっせんについて、一次応募の時点から、同時に生徒が利用することを可能とする。

② 学校による就職あっせんと民間職業紹介事業者の就職あっせんについて、一次応募の時点から、一定期間は同時に行わず、一定の時期以降(例えば 10 月1日以降)は同時に生徒が利用することも可能とする。

当初から併用可能とする➀と比較して、②は2次応募から併用可能とする考え方です。

 

民間職業紹介事業者は、職業紹介をしない募集情報等提供事業者として学校の就職あっせんを支援するという形や、民間職業紹介事業者であっても自ら職業紹介を行わず、学校の就職あっせんを支援するという形で関与すること、就職内定を得ることが難しい生徒への支援として学校からの依頼により民間職業紹介事業者が関与することなど様々な形が想定される。

民間企業の就職支援サービスが様々な形態で生まれていくことを示唆しています。

応募者の適正・能力に基づく差別のない公正な採用選考が行われるよう、文部科学省、厚生労働省及び全国高等学校長協会の協議により定められた「全国高等学校統一応募書類」とされていることから、民間職業紹介事業者においても、生徒の負担軽減や公平・公正採用の観点からこれを使う必要がある。

現在の高校生の統一の応募書類を民間企業の就職支援の場合であっても使用する必要があると明記があります。

なお、高等学校卒業者の就職慣行が、生徒、学校、企業との信頼関係の上に成り立っている仕組みであることを踏まえると、生徒が学校推薦により応募した場合は、その企業に対し、民間職業紹介事業者のあっせんにより他の企業へ応募しているか否かについての情報を応募時に明示するなど一定のルールを設けておく必要がある。

この「他の企業も受けている」と伝えることについては、応募者にとって不利にならないか懸念という指摘もあります。

 

4.採用選考期日の在り方について

採用選考期日についてはこれまで通りが妥当とありました。

ポイントは、求人情報解禁の7月1日までの期間は求人内容を含まない企業情報の提供であれば6月以前でも周知可能ということが盛り込まれています。

 

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5.高等学校の就職支援の在り方について

就職支援の経験が多くない進路指導教員がスキルを習得するための研修を行うことや、既卒者の離職者に向けたハローワークとの連携について書かれています。

6.ハローワークの就職支援の在り方について

ハローワークを通じて提供される求人情報・職場情報が高校生の企業選択においてイメージが湧きにくいと声があり、ハローワークの高卒就職情報WEB提供サービスへの職場画像情報の導入の検討するようにとありました。

また、これまで高卒就職情報WEB提供サービスは高等学校のみにパスワードが付与され、限定的な情報公開がされてきました。生徒や保護者にとっても重要なツールなため、生徒が保護者と共に高卒就職情報WEB提供サービスの求人情報に触れることができるよう求めています。

7.その他

2022年4月から成人年齢が18歳に引き下げられることに伴い、18 歳以上の生徒等は、民法の規定するところの親権者による職業の許可を受けなくとも、自己の決定において、職業を選択することができるようになることから、高等学校はこれまで以上に、生徒の社会的・職業的自立に向け、必要な基盤となる能力や態度を身に付けさせることができるよう、キャリア教育の一層の充実を図っていく必要がある。

特に就職希望の多い普通科高校に関して、3年生になり進路を就職に決めてからのキャリア教育を行うのではなく、1年生からのキャリア教育の充実やインターンシップによる自己適性や就職意識の育成を求めています。

(3)高卒採用、今後どう変わっていく?

今回のワーキングチームの報告書では、全体的に高校生が主体的に就職活動を行える環境を推奨する内容となっています。

また民間職業紹介事業者が高校生の就職活動の支援を行うと明記があり、高校生は学校あっせんか民間職業紹介事業者あっせんか選択できるものとされています。

現在では、指定校制や、一人一社制による学校推薦を始めとする学校あっせんが就職活動中心です。都道府県ごとのルールの判断や、キャリア教育の充実という土台は必要ですが、未来志向で考えると、今後は高校生が自分で将来について考え、自己理解や職業研究を行い、学校あっせんを選択したり、民間職業紹介事業会社に相談をしたりと就職活動の幅が広がるのではないかと考えられます。

その時採用する側の企業がこれまで通りという訳にはいけません。

(4)企業はどう備えていくべき?

今回の報告書により、長きに渡って慣習が続いた高卒採用も、徐々に就職活動の在り方、考え方は変わっていくと高卒採用Labは考えています。そこで人事担当者はどのようなマインドや行動をしたら良いかポイントをまとめました。

1.自社の都道府県のルールや動向を掴もう

まずは自社の事業所の都道府県が定めている高卒採用スケジュールやルールの申合せを確認しましょう。スケジュールや細かなルール変更をする都道府県があるかもしれません。

2.開けた求人情報や企業情報の開示を

7月の求人情報解禁前にも会社情報を高校生に伝えることが可能です。会社案内パンフレットや、会社紹介のサイトや、動画などのツール類を早めに制作することをおすすめします。

高校内で行われる社会人講和のようなガイダンス授業も増えるかもしれません。その際に呼んでもらえるような先生との関係作りも有効と言えます。

3.自己就職(民間企業からの紹介含む)の高校生に向けた対応

今後高校生の職業紹介支援を行う企業が増えることにつれ、民間企業からの紹介や、自己就職を行う高校生も増えていくと考えられます。応募があった際に、どのように対応するか、企業として検討をして欲しいと思います。

「学校の推薦で応募して欲しい」と返答してしまうのは主体性を持った人材の採用の機会損失をしている可能性があります。

まずは話を聞き、学校推薦をしてもらった方がその生徒のためなのか、職場体験や面接をどのように受入るのか対応ができるように準備することをおすすめします。

4.採用戦略の見直し

これからは就職活動の仕方が多様になっていくでしょう。これまでは先生との信頼関係づくりが高卒採用成功の大きなカギでした。

自社の業界や会社の考え方、採用の体制などにより、成功パターンはそれぞれとなります。どのような生徒を採用したいのか、自社で動ける人員、などを踏まえ、学校推薦でのあっせん、学校推薦と民間職業紹介事業者の併用、民間職業紹介事業者のあっせんでの採用、どこに注力をしていくのか戦略を見直すことが必要となります。

 

まとめ

高等学校就職問題検討会議にて、2021年卒の高校生の新卒採用スケジュールが決まり、6月1日ハローワークによる求人票受付開始、7月1日 学校求人情報解禁、9月5日 応募開始、9月16日選考開始となりました。

ワーキングチームの報告書では、都道府県ごとに複数社応募についての検討することや、高等学校卒業予定者の職業紹介は、ハローワークまたは業務を分担させた高等学校のみが行うわけではなく、職業安定上、民間の職業紹介事業者が取り扱うことができると明記されました。

今回の報告書をきっかけに就職活動の在り方にも見直しされていくことでしょう。

 

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