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<調査結果から知る>早期離職した高校生の就職活動の特徴は?

新卒離職率の問題

「七五三現象」とも言われる、新卒社員の早期離職率(中卒7割、高卒5割、大卒3割)。

高校生の新卒はこの「五」にあたり、一時は高校生の卒業後3年以内離職率は50.3%(平成12年時点での計測)にも達しました。それ以降は約4割程度で推移しています。

3年以内離職率の推移

3年間を細分化すると特に1年目の離職率の割合が高いことが分かります。
この高校生の早期離職の原因を一言でいえば「ミスマッチ」。企業はなぜミスマッチが起きてしまうのかについて離職理由を掘り下げ、定着率を高めるために対策を施しています。

今回は、早期離職をした高校生が高校生の頃どのような就職活動をしたのかを、弊社独自のアンケート結果から理解したいと思います。

調査対象(※)は高校生で就職活動を行った全国の社会人284名です。うち離職せずに継続就業中の220名(グラフ中「継続」と表記)と早期離職した61名(グラフ中「離職」と表記)に分けて回答結果を比較しています。

サンプル数が少ないため、誤差が生じてしまうことをあらかじめご了承いただいた上で、本記事が参考になれば幸いです。

<調査概要>

【調査期間】 2019年3月19日(火)~4月10日(水)
【調査内容】 高校生の就職活動についてのアンケート調査(無記名)
【調査対象】高校生で就職活動を行った全国の社会人
【回答方法】 紙での回収(当社スタッフへの手渡し、FAXにて送付)/WEBアンケート
【有効回答数】284名

目次

(1)高校生の頃、就職、就職活動に対する意欲はどうだったか
(2)高校生の頃、就職活動に関する情報収集はできていたか
(3)会社に関する情報収集はできていたか
(4)結果としての離職、その原因は?
(5)できるだけミスマッチにならない就職活動

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(1)高校生の頃、就職、就職活動に対する意欲はどうだったか

就職活動中に夢はありましたか?

就職活動を振り返って就職活動に対する意欲はどうでしたか?

就職活動中の夢について、離職者は継続就業者に比べ「夢があった(なんとなく含む)」の回答が10ポイント以上低くなっています。また、就職活動に対する意欲については結果の差が大きく、離職者はネガティブな回答(意欲は少なく不安もあった、何も考えていなかった、出来ればしたくなかったの合計)が約6割近くにのぼります。中でも「何も考えていなかった」の回答が最も多くなっています。

夢といってもものすごい理想とういわけではなく、実際はもっと現実的なこと、「目標」と言い換えることができます。目標は、就職活動の原動力となります。例えば「あの職業に就いて人の役に立ちたい」「あの会社で働きたい」「あの先輩社員の下で働いてみたい」「早く稼げるようになりたい」「一人前の職人になって早く仕事を覚えたい」などです。
こういった目標がない、見つけられないとき、周囲の動きに流されるような形で、卒業までの時限にのみ目を向けて就職活動をしてしまうのかもしれません。

(2)就職活動に関する情報収集はできていたか

就職活動のスケジュールを知っていましたか?

「1人1社制」の仕組みを知っていましたか?

高校生の就職活動は期間が短く、また独特のルール、慣行が存在するものです。こういったことを知らなければ満足な就職活動を行うことは難しいと言えます。

上記の回答結果では、離職者は継続就業者に比べて重要な情報を知らないまま就職活動を進めていることが分かります。

(3)会社に関する情報収集はできていたか

「求人票」での会社の情報収集を行うことに満足できましたか?

求人票とHPや就職サイトのどちらが会社の魅力が分かりますか?

先生や高校生が目にする求人票には、会社選びに必要な情報が統一された形式で記載されており比較しやすいものです。一方で、文字だけの情報であることや情報が統一されている分、企業の個性が出しづらいという点もあります。日頃からYoutubeやInstagramなどで動画や画像に多く触れている高校生にとっては、正直物足りなさがあると思われます。

 

進路指導の先生からの情報やサポートは、会社選びを行うにあたって足りていましたか?

このように、求人票の情報だけで会社のことを知るには限界があります。しかし、先生からの情報が加われば有効な情報源となります。

求人票は、高校生が自らファイリングされた求人票をパラパラめくり、会社を探すという使われ方もしますが、主には先生が高校生に企業を説明する際に使われます。高校生が最初に入手する会社情報は先生からの情報、つまり求人票を用いた説明です。先生は会社から訪問を受けて直接説明を聞いている場合もありますので情報を多く持っています。

とすると、先生から就職活動についてサポートを得られる高校生は、求人票だけでも十分と思える情報を受け取っているのに対し、サポートが得られていない高校生は求人票だけでは足りず会社のホームページや求人サイトを見に行っているのかもしれません。

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(4)結果としての離職、その原因は?

入社前の会社のイメージと入社後の会社のイメージは変わりましたか?

離職した理由は何ですか?

離職者は継続就業者に比べて「入社後の会社のイメージが悪い意味で変わった」との回答が多く、割合では半数近くにのぼります。就職活動中に感じていた会社の雰囲気や入社前に期待していたことについて、実際に入社してギャップがあったということです。

離職理由と照らし合わせたときに「給料・待遇が良くなかった」「労働時間・休日が良くなかった」については、入社前・就職活動中におおよそ確認できることですので、イメージが変わったこととは強くは関係しなさそうです。

定量的な事前評価が難しい事柄についてはイメージと関係しそうです。「人間関係」 「組織・社風」といった主に「人」が影響する要素や「職務」などです。こういった内容は、企業は高校生に「良く」見せがちなことでもあります。それを第三者的に現実的な見え方に落とすのが先生の役割ともなっています。こうしたことがギャップを生む原因となっているのかもしれません。

(5)できるだけミスマッチにならない就職活動

これまで見てきた調査結果を統括します。

高校生は就職活動期に入る前、できるだけ早くから「働くとは何か」や「どんな職業があるのか」など社会との接点を増やして情報を得ることが大切です。そしておぼろげでも「したい事や、なりたい自分」をイメージしておくことです。これが「目標」となって就職活動に背骨を通し、後悔のない就職活動につながります。

また、就職活動にあたっては先生の力を借りることが重要です。

先生と距離感が近い高校生も、滅多なことがない限り先生とは接触しないという高校生もいるでしょう。採用において会社は先生に自社の情報を伝えている以上、先生が多くの情報を持つ状態となりますので、就職活動中は先生の話に耳を傾け、積極的にコミュニケーションをするべきです。先生に頼れないという場合は、両親やバイト先の先輩など身近な社会人に相談し、アドバイスをもらうことをお勧めします。

ハローワークには高校に出向いて生徒への就職相談に乗るジョブサポーターがいますし、同じく就職相談やキャリアアドバイス、企業紹介をする民間支援団体も増えています。

そして、一度就職した会社では、少しくらいうまく行かないことや思ったことと違ってもすぐに辞めるという判断をすることなく、働き続けることです。

これに対し、企業側ができることは何でしょうか。

まず、採用したいがあまりに自社を良く見せすぎることは控えた方が良いでしょう。入社後のギャップとなり離職の原因になってしまいかねません。あくまで等身大の姿を見せることです。

また、就職活動を進める上で高校生がどのようなサポートを得てきたのかを確認するのも良いかもしれません。周囲の力を借りるのが苦手であったり、自分の中で物事を消化する傾向が強い場合は、入社後も孤軍奮闘して疲れてしまうかもしれませんので、入社後は寄り添ったサポートが必要になります。

 

ジョブドラフト では、高校生新卒に特化した採用後の定着支援サービス「ルーキーズクラブ」を提供しています。
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