注目のキーワード

「高卒の3年以内の早期離職が高い」は改善できる!? 定着率を高めるには

2019年11月20日

 

グラフは厚生労働省が公表した、平成28年3月に卒業した新規学卒就職者の就職後3年以内の離職状況を大卒と高卒で比較したものです。

出典:『新規学卒就職者の離職状況(平成28年3月卒業者の状況)を公表します』厚生労働省

 

高卒の3年以内離職率は「39.2%」。大卒の3年以内離職率「32%」と比較し7.2ポイントの差があり、特に1年目の離職率の差が、高卒「17.4%」、大卒「11.4%」と大きな違いとして現れています。

大卒と比較して、早期離職率が高い高卒採用ですが、単に当たり前としてとらえて良いのでしょうか。
今回は、早期離職の理由、定着のためにできることなどをひも解いていきます。

目次

 

1.高卒の早期離職率が高さの原因は、採用時にミスマッチが起こっている!?

2.定着率を高める採用活動を行うためには?

2-1.採用前にできること
2-2.内定後~入社前にできること
2-3.入社後にできること

3.定着率を高める取組をしている企業事例の紹介

3-1.1年間の「育てる」フォロー サンキョー株式会社
3-2.一から技術を身につける 有限会社嶋工業
3-3.任せて育てる 株式会社ライフタイムサポート

まとめ

1.高卒の早期離職率が高さの原因は、採用時にミスマッチが起こっている!?

「高卒は離職率が高いもの」と考える前に、何故離職してしまったのか、その離職理由を見てみましょう。

「初めて勤務した会社を辞めた主な理由 (出典:平成25年若年者雇用実態調査の概況」厚生労働省発表)」によると、大学卒と高校卒の其々の離職理由上位4位は以下の通りとなっています。

高校卒:

1位 労働時間・休日・休暇の条件が良くなかった(20.3%)
2位 人間関係が良くなかった(19.6%)
3位 仕事が自分に合わない(19.0%)
4位 賃金の条件が良くなかった(17.9%)

大学卒:

1位 労働時間・休日・休暇の条件が良くなかった(25.3%)
2位 仕事が自分に合わない(19.7%)
3位 自分の技能・能力が活かせなかった(19.0%)
4位 人間関係が良くなかった(15.5%)

特に、働く上で重要な職場での「人間関係」について、大学卒が離職理由にあげたのは、第4位(15.5%)に留まっている点に比べて、高校生の高校卒は第2位に上げられています。

高校生の就職活動は、学校からの斡旋を受ける限り「一人一社制」が原則で、大卒のように他社と比較しながら企業選定を行うことはできません。
また募集で使われる求人票では、待遇や勤務地などの条件面ではない、「企業の社風・企業文化」などの理解は十分にできません。
更に、高校生は夏休み期間に応募企業を決めなければなりません。

そのような就職環境で、仕事内容や職場の社風など事前情報が少ないまま就職先を決定した高校生がミスマッチを起こし、入社後に「人間関係」に馴染めず離職…。とつながることが大卒との離職率の差として指摘されています。

大卒の離職理由の3位の「自分の技能・能力が活かせなかった」など、大卒は会社との関係性に関連性が少なく転職することも多くなります。

一方で、高卒はその一歩手前、会社・職場との関係性が大きいと言えます。
つまり高卒はこれらの対応を行い、しっかりと高卒社員をフォローアップすれば、定着につなげることができると考えられます。

こう考えると、高卒の定着にはまだまだ手の打ち手があるように見えますね。

2.定着率を高める採用活動を行うためには?

それでは、高卒の社風や企業文化のミスマッチでの離職を防ぐためにどんなことができるでしょうか。
採用活動、内定時期、入社後でどのような対策ができるか考えてみましょう。

2-1.採用前にできること

企業を良く知ってもらう機会を設ける

応募前の職場見学は必ず設けましょう。「高校生自身に選んでもらう」ことも早期離職を防ぐことにつながります。職場見学では1日の仕事の流れや、年の近い先輩社員の話など、働くイメージを持ってもらうことを意識しましょう。

欲しい人物像を明確にする

学校斡旋であれば学校訪問の際に先生に欲しい人物像をしっかりと伝えましょう。どの生徒か明確に伝えると、先生がこの生徒が向いているとイメージできます。

2-2.内定後~入社前にできること

内定を決まってから入社まで、高校生は社会人になる不安でいっぱいになります。直接の連絡は控えるように決められていますので、先生に相談をしながら生徒に手紙や連絡を渡してもらうなどのできることを探してみましょう。

2-3.入社後にできること

採用したら受入の覚悟を持って

高卒の新入社員はアルバイト経験がなければ、初めての社会経験。毎朝出社することがまず未体験です。その不安からか、「入社式が一番憂鬱」という人も少なくありません。高校生の気持ちに立って受け入れや研修を考えていきましょう。

離職の要注意時期は1年目

先のグラフにもあったように大卒と高卒の離職率の差は1年目が大きいです。グラフは1年以内の離職割合で示したグラフです。特に注意するポイントは4月~6月です。

出典:『学卒就職者の離職状況調査結果(平成28年3月中学・高等学校卒業者』東京労働局データ

3.定着率を高める取組をしている企業事例の紹介

採用後に定着をさせる取組にはどのようなものがあるでしょうか。
定着率の高い企業の取組み事例をヒントにご紹介します。

3-1.1年間の「育てる」フォロー サンキョー株式会社

産業別の3年間離職率で「58.0%」と高い水準なのが、「生活関連サービス業、娯楽業」。

しかし、アミューズメントを行うサンキョー株式会社では、1年目の社員に手厚いフォローを行い、高い定着率を誇っています。新入社員は全員1年間同じ店舗へ配属、OJTを行います。1人1人に合わせた指導や、面談を行い、「育てる人事」を心がけています。

職場近くに社員寮を完備し、同期での情報交換や切磋琢磨、絆を育てます。1~2歳上の身近な先輩社員が寄り添い、1年間サポートする「ブラザー・シスター制度」も取り入れ、丁寧にサポートをしています。

 

3-2.一から技術を身につける 有限会社嶋工業

外部研修を充実させた会社もあります。

2018年卒から高卒採用を始めた、建物外壁、ガラス張り部分の施工を行う有限会社嶋工業では、「職業訓練校」を導入しています。入社1年後、もしくは2年目に、LIXILなどが設立した建材技術専門学校「LIXILビル建材技術専門校」へ全額会社負担で入学できます。5~6月、10月~11月の期間で学科と実技のコースでみっちりと学ぶ時間を設け、これまでの職人の「見て学ぶ」だけではなく、一から技術を身につけることができるのです。

3-3.任せて育てる 株式会社ライフタイムサポート

規模別で最も高い水準の30名以下の企業ではどんなことができるでしょうか。

内装リフォームを行う、株式会社ライフタイムサポートでは、入社1年目の新人に、現場担当以外に、会社の重要なポジションである採用責任者を任せ、1年上の先輩がフォローしているそうです。その他に、「委員会制度」では、業務以外でコミュニケーションを取る機会を作るために、業務で接しないメンバー同士でイベントや行事の企画を行います。

会社にとって重要なポジションを任せていくことで、会社との距離を近づけることができるのかもしれません。

まとめ

高卒の3年以内離職率は「39.2%」、大卒の3年以内離職率「32%」と比較し7.2ポイントの差があり、特に1年目の離職率の差が、高卒「17.4%」、大卒「11.4%」と大きい。

離職理由を比較すると、大卒はキャリアアップ、高卒は社風・企業文化との不一致が特徴としてみられます。高卒採用は受入や研修など、定着への取組みで育成することで可能性が高まるポテンシャル採用です。高卒人材を育成し、会社の戦力にしましょう!

 

高卒採用のことがもっと知りたいと思った方は、
<外部リンク:企業様の高卒採用のサポートをするジョブドラフト

無料セミナーも開催中!

<外部リンク:ジョブドラフト for Client>高卒採用の基本を完全網羅<参加無料>ジョブドラフトセミナー

21年卒採用の成果を上げる無料セミナー

ジンジブお役立ち情報ページ
人事が知るべき成果を4倍にする!高卒採用ポイントセミナー

ランキング

高卒採用を始める前に必ず知っておくべきポイント ~活動スケジュールを把握しよう2021年卒~

合わせて読みたい: 【高卒採用へのコロナウイルス影響は?】21年卒高校生の新卒採用の動向はどうなるの…

続きを読む

高卒採用準備編 ~まずはハローワークへ求人票登録を!~

高校生の採用活動は7月の求人票公開から本格的に始まります。スタートダッシュに出遅れないように、事前準…

続きを読む

高卒採用の「一人一社制」ってどんなルールなの?

高卒採用のルールといえば、「一人一社制」がその大きな特徴です。 「一人一社制」とは、企業が自社への応…

続きを読む

高卒採用は面接のルールが厳しいというのは本当?♯人事の気になる調査!

高校生の新卒採用は通年9月5日に応募が解禁されます。夏休み中に数社の職場見学に参加した高校生たちが、…

続きを読む

知ってますか?高卒採用の“二次募集”の正しい戦い方

高卒採用 9月からいよいよ応募・選考が開始! “一次募集”“二次募集”高卒採用にこのような時期がある…

続きを読む

注目のキーワード