採用競争が激しい業種はどこ?業種別求人数の増加と就職者数動向を知る
6年前に比べて求人数は約2倍!? 活況を示す高卒採用
出典:『高校・中学新卒者のハローワーク求人に係る求人・求職・就職内定状況取りまとめ』厚生労働省
グラフはこの10年の求人数と、民間企業の求職者数の推移です。
年齢別の人口の推移、進学率の変化などもありますが、高卒求職者数は上記グラフ推移に通信制高校から就職する約1万人を足して18万人前後で落ち着いています。
一方で求人数はどうでしょう。
リーマンショックの影響で求人数がガクッと落ちたものの、景気回復や労働人口減少などで企業の人手不足は年々深刻化、これまで高卒採用を行なっていなかった企業も高卒採用を開始し、求人数は6年前の2倍にまで増えています。
今回は、「業種」レベルに分解して、求人が増えている業種を明らかにしたいと思います。
目次
1.求人が増えているのはどの業界?
2.就職者の業界ごとの変化は?
3.求人数と就職者数のギャップを図る
4.採用時に気をつけなければならないことは?
1.求人が増えているのはどの業界?
では、どういった求人が増えているのでしょうか。
まず5年前に比較しての求人数の増加率と、直近の求人数をグラフにしてみました。
全体の1.5倍と同等もしくは上回る増加率で、かつ一定数以上の求人数である業種に着目してみます。
出典:『高校・中学新卒者のハローワーク求人に係る求人・求職・就職内定状況取りまとめ』厚生労働省のデータをもとにグラフを作成
・求人数の増加率が高い業種
運輸・郵便業 198%
製造業 162.3%
サービス業(他に分類されないもの) 155.9%
建設業 155.7%
卸売業・小売業 149.5%
が顕著であることがわかります。
製造業に関してはその括りが大きいためボリュームが出るものではあるものの、どの業種も人手不足が叫ばれている業種であることがわかります。
2.就職者の業界ごとの変化は?
同じように業界別に、高卒者の就職人数を見てみます。
就職者は求人数のように増加はしておらずほぼ横ばいなので、一定の人数規模がある業界で増減幅の大きな業界をピックアップします。
出典:『学校基本調査』文部科学省のデータをもとにグラフを作成
・就職者数が増加している業界
製造業 117.3%
運輸・郵便業 113.5%
公務・その他 110.6%
・就職者数が減少している業界
医療・福祉 64.2%
宿泊業・飲食サービス業 78.2%
生活関連サービス・娯楽業 80.3%
3.求人数と就職者数のギャップを図る
出典:『高校・中学新卒者のハローワーク求人に係る求人・求職・就職内定状況取りまとめ』厚生労働省、『学校基本調査』文部科学省のデータをもとにグラフを作成
どの業界も人手不足ということに変わりはありませんが、就職者数が増えている業界は求人数の増加幅とどれだけギャップがあるのか、また求人数はどの業界でも減ってはいないので、就職者数が減少している業界は採用難が激しいと思われます。
そこで、就職者数を求人数で割ることで、1求人あたりの就職者数を算出、またそれを5年前と比較して増減率を見てみます。
やはり、求人数の増加が著しい業種が目立ちます。
・医療・福祉
求人数の増加率はそれほど激しくないが、求人数がもともと多い業界、にも関わらず就職者は減っていてギャップが大きくなっている
・建設業
直近の獲得は難しく5年前との差もそれほどないため慢性的な問題と言える
・宿泊・飲食サービス業、運輸業・郵便業
この5年で需給バランスが悪化している
4.採用時に気をつけなければならないことは?
これだけ多くの求人が出れば、待遇面などで競争が激しくなるのも当然。
就職者が減る業界においては、待遇面や会社や職場のイメージ向上が必要だと考えます。
また、他社の求人内容をみて、自社の求人にどのような特徴を持たせられるかを考えるのも良いでしょう。その際は、「求人レベル」で考えるのではなく「会社レベル」で強みや特徴を洗い出すことから始められてはいかがでしょうか。
高卒採用ラボは、高卒採用【高卒採用がはじめてのかたへ】を考えている企業のための情報メディアです。
独自の調査結果や高卒採用のノウハウ、企業の採用担当者からのインタビューなどあらゆる視点から「高校生の採用」を実施する企業へ価値ある情報を提供します。 基本ルールが理解できる!
高卒採用初心者向け無料セミナーはこちら