高卒就職して「ちょっと大人になったかも!」と思えた瞬間、仕事が面白く感じました。~CASE4 知らない事を知る楽しみを知った高卒社員の場合~
大阪にある通信制高校を卒業後、高卒で就職した新卒社員の北森さん。
そんな彼女の就職に至るまでの気持ちや、就職後に感じた大変だった事、成長した事や心境の変化、そして上手に業務を回すために工夫した事などをインタビューしました。そっと、側から応援してあげたくなる。この記事を読むと、そんな気持ちになるのではないでしょうか。
就職をするきっかけはどんな事でしたか?
私は、高校3年生の10月に進路を就職に決めました。ずっとヘアメイクの専門学校に行く気満々で見学や説明会に何度も足を運んでましたが、8月に家庭の事情で進学が難しい事が分かりました。それから進路を決めるまでの約1ヶ月、このままバイトを続けようかちゃんと就職しようか迷っていたので、高校生の就職活動のスタートダッシュが遅れました。
内定をもらってからも入社するまで、「なんで自分は就職なんだろう・・・」とずっと思っていました。周りの進学する友達のSNSを目にすると、いいなーと思うと同時に、「理不尽だな・・・」と感じた事もあります。現実、お金も必要なので働く事に覚悟を決めました。
▲自身の就職活動について振り返ってもらいました
現在はどんな仕事をしていますか?
クライアントのHPとインタビュー素材、取材時に得た情報を元にクライアントの求人情報を高校生視点で、1から作り上げる業務を担当しています。18歳・19歳の高校生に分かりやすい表現をする事を念頭に、クライアントから頂いた原稿の言葉をそのまま使うのではなく、自分なりに文章を考えたり、噛み砕いた文章にしたりと伝わりやすさを重視してナビ(求人情報)を制作しています。
▲いいナビを作ろうと日々奮闘する北森さん
仕事で大変な事はどんな時ですか?
クライアントの意向に沿って作った結果、大卒や中途採用向けのナビが出来あがる時ですね。そんな時は、率直に企クライアントに伝えるようにしています。
「高校生だったらこういう文面の方がいい。」だったり、「画像の打ち出し方はこの方が生徒の目に目に留まる可能性がある。」、「企業として採用したい人物像があるなら、それに合う写真を使用した方がいい。」とか。私自身が高卒で就職しているので出来る事なのかなと思っています。その他にも、取材時にクライアントから興味深い話をどうやったら引き出せるかが結構難しいなと思っています。
▲日本語もコミュニケーションの仕方も試行錯誤
大変な事や壁を乗り越えてどんな成長をしたと実感しましたか?
仕事をする上で、向き不向きがあるんだと気づきました。昔から1つの物を最後まで完成させる事が好きだった性格もあって、ナビが完成すると快感です。出来上がったものが色んな人に見られるのは少し恥ずかしいですが、出来上がるのはとても嬉しいです。
今までは自分を褒めるの事が苦手でしたが、ナビが完成したら「形に出来た!えらい!」と自分を褒められるようになりました。気が楽になり、もっと前よりも頑張ろう、もっと勉強しようって思えるので心が成長したんだなと思います。
▲悩みを乗り越えてきて次に目指すのは、気配り上手
クライアントの意向と自分の考えを織り交ぜてナビを制作する時、クライアントの思う自社の打ち出したい箇所と、取材をして感じた私が思うクライアントの魅力が少し違っている事もあります。「こういう考え方もあるんだ!」という発見や学びがあるので、大変だけど意外と楽しいなって感じます。取材を通してクライアントの取り組みを知ったり、社長さんの考え方や人生談・経験談とかを聞けるのは面白くて嬉しいです。
「学びたい、知りたい」その中で何かやってみた事は?
今の自分の課題を絞り出して、それにあった本を読んでいます。業務のスキルアップのために文章構成の勉強し、そこで得た知識をナビに活かしています。どんな事でも細かく調べる事によってインプットになり、誰かに教えた時に相手が理解してくれたら、自分にも正しい知識が入っているんだなと思えるのでアウトプットするようにしています。
その例として、制作の仕事を始める時に1から教えてもらえるので自分専用の教科書を作ろうと思い、教わった事をワードにまとめて、印刷した内容に付箋をつけてファイリングしました。覚えが遅い事が悩みでしたが、そうする事で自分が分からない時は見れるし、これから誰かに仕事を教える時は、制作はそれで教える事が出来ます。情報が更新されれば、紙を入れ替えてアップデート出来るしきちんと情報を残しておこうと思ってはじめてみました。将来、後輩が制作部に入ったら、ちゃんと分かりやすく教えてあげれるようになりたいです。
▲制作の教科書。普段の業務でもよく使うんだとか
また、社会人としてのマナーも入社したころは全然分からなかったので、周りの人をよく観察すると、状況によって動き方があるんだなという事に気づきました。気づいてからは、ちゃんとマナーが出来た方が自分自信のためにもなると感じたので気づきを実行しています。
本を読むのが得意ではないので、マンガで描かれている社会人マナーのノウハウ本を読んで「商談の時の座る位置」「名刺交換の仕方」「PC操作の効率よく進める方法」「目上の人に対して状況に応じた対応方法」など必要な事を勉強をしました。そこで得た知識を元に実践したら、「ちゃんとできた!」って感動しました。求めてた結果にたどり着けたり、欲しい答えが返ってきたり、嬉しい事がいっぱいでした。
高卒で就職して良かったですか?
今は良かったって思えます。正直辞めたいって思った事もありましたが、仕事が楽しくなってきて、学ぶ意欲が出てきました。高校の勉強は何にもして来なかったので、去年の高校3年生の私からすると考えられないですね。
入社してから、長けてるものがないから普通になろうと必死になっていたんだと思います。無意識に大卒の同期と比べてしまい、出来ない事とか劣っている事が沢山で・・・。でも、何にも出来ないところからスタートしてもいくらでも知識やスキルを身に付ける事が出来るんだと気づきました。
進学した友達と話していると、気遣いが出来るのは就職したからなんだなと感じる事もありますし、「考え方一つでも、同じ19歳でも一歩先を行っている、大人な考えに気づいているな」と特に実感する事が出来ます。そこは、高卒で就職して良かったと思った事です。
▲休日は大好きなメイクの勉強にYouTubeを活用
休日の過ごし方でも暇で何もする事がない時間を過ごさないようにしています。自分の趣味や人と交流する事で個人的なスキルを高めたり、いろんな空気を吸ってみたりしています。
「友達と遊ぶ予定入ったからバイト休もっかな。」という進学した友達の発言があった時に、高校生でアルバイトしていた当時の私も同じように思っていましたが、今は同じ働くでも、働く事に対する責任感が明確に違うと思い、アルバイトと社会人の大きな違いだなって気づけました。「あ、私ちょっと大人になってるかも!」なんて、いい意味での価値観の違いを感じてます。仕事は大変ですが、同じ位楽しくて学び甲斐を感じながら仕事が出来ればいいなと思っています。
まとめ
就職する高校生は様々な想いを持って就職します。長けているところがない、こう感じる高校生は多くいますが、その分、成長意欲はとても高いように感じました。仕事を通して、自信や自分を褒められる事を一つずつ増やしていけるように、先輩や職場もサポートしていきたいですね。