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独自調査結果に見る、企業の21卒採用の振り返りと22卒採用の展望

激動の21卒採用を振り返り、22卒採用を考える

高卒採用Labを運営する株式会社ジンジブでは、2020年12月に企業の新卒採用担当者に21卒と22卒に関する調査(※)を実施しました。

調査では、以下のような質問をしました。

  • 12月時点での21卒新卒採用の結果はどうだったか
  • 21卒採用活動をどのように工夫したか
  • 21年卒の採用状況踏まえ、22卒はどのように活動を行う意向か

2020年末頃から、新型コロナウィルス感染症は「第三波」と呼ばれる感染の波が起きています。2021年1月8日には東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県に緊急事態宣言が発出、続いて2021年1月14日には栃木県、岐阜県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県、福岡県にも緊急事態宣言が発出されました。

ワクチン開発への期待が高まる一方、変異種の発生などまだまだ先が見えない状態です。

例年であれば、もう次年度の採用計画を立て終わる企業も、今年は決めあぐねて22卒は保留にしているという声も聞かれます。

本調査結果が22卒の採用計画策定の一助になれば幸いです。

(1)21卒の充足率はどうだった?

※調査概要

調査期間:2020年12月9日~2020年12月25日

有効回答数: 753人、うち高卒採用実施は407人

①インターネットリサーチ ②メールによるアンケート ③セミナー参加者へのアンケート にて調査を実施


業種による差はあるものの、新卒採用を控えている企業はあります。そのため、採用活動を行う企業にとっては、20卒以前と比較して競争が緩和された分、学生を獲得しやすくなったのではないでしょうか。

ここでは、大卒新卒と高卒新卒を採用する企業を比較してみたいと思います。

大卒と比較して高卒新卒採用企業の充足は低くなっています。

大卒採用については、12月の段階で就職内定率は前年と比較して2ポイント低い程度まで上昇しており、大半の決着がついていることが示されています。

一方、高卒は11月時点の就職内定率 80.4%(※)でした。前年度は10月末時点の計測で77.2%となっており、1ヶ月後倒しになったスケジュールでは、多少内定率が上がっている状況です。
※「令和3年3月高等学校卒業予定者の就職内定状況(令和2年11月末現在)に関する調査について」より
高卒についてはコロナの影響で有効求人倍率は下がったものの特別に大きく低下はしておらず(求人も減ったが求職者数も減った)、依然激しい人材獲得競争が続いていて、充足企業が大卒より少ないものと思われます。
また、コロナの大学受験への影響も少なくなく、受験後の就職活動を見据えて、企業は採用活動を継続している向きもあるようです。


(2)21卒の募集人数の増減、企業規模別の違いは?

さて、具体的にどの程度の企業が採用を控えているのでしょうか?

高卒採用に関して言えば、37.5%の企業が「前年より採用人数を減らした」、もしくは「採用をしなかった」と回答をしており、「前年より採用人数を増やした」 14. 1%を大幅に上回っています。年々有効求人倍率が上昇していた傾向から一転しています。

企業規模別ではどうでしょうか?
詳細を見ると大企業(従業員数500人以上)の方が、採用人数を減らしているようです。大量に採用していた企業もこの状況下ではいったん採用を絞り、不透明な先行きに対応できるよう備えているのではないかと考えられます。


(3)高卒採用でもネット活用が急速に進んだ

採用活動のネット活用はどの程度進んだでしょうか。

「オンライン化はしていない」という回答が多いのが目を引きますが、それでも劇的にネット活用が進んだと言ってよいでしょう。

まず、大卒新卒と違い高卒新卒採用では学校のネット環境も必要になります。また、生徒の環境において、大学生の方が高校生よりもネット接続端末が充実しているため、高卒採用はオンライン化が進みづらい背景があります。

加えて、所持している端末による就職活動や選考の不公平感がないよう強く配慮が求められるということもあります。

ですので、大卒新卒と比較するとオンライン化の取り組み度が低いように見えますが、これでも十分に進んだと言えるのではないでしょうか。

「オンライン化元年」と呼べる中、良かった点や課題にはどのようなことがあったでしょうか。
まず良かった点としては「効率の良さ」「遠方の生徒が参加できた」があります。大卒と比較して説明会の開催回数や一回あたりの開催人数は多くないため、効率化への影響は限定的かとも思われましたが、効率アップを実感した企業が多いようでした。また、遠方の生徒が参加できたという点は、生徒側にとっても大きなメリットであったと言えるでしょう。今後はネットの利点を活かして、距離を超えたコミュニケーションが増えることが予想されます。
一方の課題については「コミュニケーションが取りにくい」が最多回答でした。オンラインならではのやり取りの難しさや通信環境の問題など、原因はいくつか考えられます。コミュニケーションの課題は、学校、生徒、企業それぞれがクリアしなければ解決しない課題です。今から翌年に向けたツールの充実や環境整備が求められます。


(4)22卒の採用はどうする?

最後に、22卒の採用についての調査結果を紹介します。

採用計画の策定は、例年と比較して少々時期が後ろにずれているようです。まだ採用活動を継続している企業が多いことや、コロナの状況も変わっていて決めきれないのがその理由のようです。
その点、大卒を中心に新卒採用を行っている企業や、採用人数を増やす企業は計画を立てやすいでしょう。

21卒の実績と22卒の展望で比較すると、22卒は「未定・分からない」との回答が多くなっています。12月時点で未定と回答したこの層が「前年より増やす」可能性はそう高くはなさそうです。この層が「前年と同じ」や「前年より減らす」に変化すると予測すると、21卒との大きな変化はなさそうです。

22卒は21卒同様、スケジュールが1ヶ月後ろ倒しになるのか、またコロナの影響で業績が読めないことなどが不安要因となっているようです。


(5)22卒にむけたまとめ

コロナ禍での新卒採用では、企業の採用意欲が低下したことで競争が緩和されているかと思いきや、実際は就職希望者数も減っていて有効求人倍率はそこまで下がっていないこともあり、採用企業の充足率はさほど高くないことがわかりました。

また、1ヶ月遅れたスケジュールや先行きの不透明感から、採用計画が立てづらいと考えている企業が多くありました。

幸い、オンライン化は採用活動の準備を短縮させる効果もあります(印刷や会場手配が不要)ので、例年からの遅れを吸収できるかもしれません。

いずれにしても、自社の状況をしっかりと捉え、早めの採用計画の策定がのぞまれます。

 

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