18卒振り返り! 高卒採用Lab 解説 「求人・求職・就職内定状況取りまとめ」
18卒の内定率は過去最高、求人数は43万人超!
2018年4月27日に高校生の18卒の求人・求職・就職内定状況(3月末時点)が発表されました。
まずは、主要な数字から見ていきましょう。
〇全国求人数 432,669人(前年比+11.7%)
〇全国求職者数 171,265人(前年比 -1.3%)
〇全国就職内定者数 170,061人(前年比 -1.2%)
〇求人倍率 2.53倍(前年比+0.3ポイント)
〇就職内定率99.3%(前年比+0.1ポイント)
参照元 厚生労働省「平成29年度「高校・中学新卒者のハローワーク求人に係る求人・求職・就職内定状況」取りまとめ 平成30年3月末現在」
① 内定率は過去最高、求人数は43万人超!
就職内定率99.3%は、調査開始以来最高値です。
高校現場の先生の努力は勿論のこと、高校生が「就職活動」をしっかりと行えば、就職先が決まる、そんな市況になっていますね。
また、多くの企業が高卒採用を初めて行った、もしくは、久々に高卒採用を再開しました。
ちなみに昨年求人票公開時点での求人数は、7月末時点で35万人で、秋シーズン中に約8万人の求人が増えました。
ジンジブへのご依頼も、大卒採用が採用計画未達成で、秋から新たな選択肢として高卒採用を始める企業も非常に多かったです。
何十年ぶりに高卒採用を再開する予定ですが「社内にはノウハウがない」そんな企業からのお声も頂きました。
改めて振り返ると、高卒採用が過熱した1年だったと言えます。
② 求人倍率の高騰
高卒採用の加熱ぶりを求人倍率から見てみましょう。
今年の3月末時点の求人倍率は全国で「2.53倍」。
この「2.53倍」は、実は過去を遡るとあのバブル期まで戻らないと見ることができない数字です。
非常に高い求人倍率でした。
③ 地方求人の活発化
また、高卒採用を別の観点から見ますと、今年の特徴のひとつとして「地方求人」の活発化があります。
昨年からの求人数の伸び率を都道府県別に高い順に並べてみると、地方の求人数の伸びがありました。
第1位 熊本県 6,701人(前年比+26.4%)
第2位 鹿児島県 5,934人(対前年比+20.1%)
第3位 奈良県 2,217人(対前年比+18.9%)
第4位 三重県 7,925人(対前年比+18.1%)
第5位 佐賀県 4,352人(対前年比+17.4%)
高校生は基本的に「地元志向」が強いです。
就職後すぐに東京に出る、大阪に出る、名古屋に出る、生徒は稀で、地元に良い求人があれば、地元志向はますます強くなるでしょう。
今年は「地方高校生の採用」を計画していた企業は大分苦戦されたのではないでしょうか。
数年前までは、地方(特に九州・四国・東北地方)へ高校回りを行い、挨拶をすれば、関東でも関西でも採用ができたと言う話はよく聞きます。
しかし、18卒に関しては、関東・関西に拠点を置く企業は、地方採用に苦戦傾向があったのではないでしょうか。
④ 就職活動の早期決着化
最後に内定状況の推移を見てみましょう。注目すべきは「9月末時点」の就職内定率です。
グラフの一番下の折れ線グラフは「9月末時点」での内定率です。こちらも18卒は調査開始以来最高の水準で実に「62.7%」でした。
高校生の就職活動は一人一社制ですから、「一社」を受け終わった時点で、約6割の高校生が面接した企業から内定をもらったということになります。
10月以降が二次応募期間になり、今年は11月末時点で「88.1%」、1月末時点で「94.3%」と軒並み最高水準です。
「決着時期の早期化」
人事にとっては大きな課題です。いかに一次応募時でしっかりと応募母数を獲得できるか、改めて採用戦略が問われる結果となりました。
番外編 就職内定率99.3%の嘘?
今回発表データをもとに「就職内定率99.3%!調査開始依頼過去最高!」と解説しましたが…。本発表データの就職内定率は、あくまで「就職を希望」して調査書に明記した生徒の数です。
つまり、実際は就職を考えていても、先生に伝えらておらず、就職できていない、卒業後はそのままフリーターになっている高校生が実は結構な数がいます。
さらに通信制高校の生徒の就職状況今回ご紹介した統計データには含まれていません。
この辺りは、また別にご紹介させて頂きますね。