2021卒の受け入れに備える!入社後の定着率を高める教育のコツとは?【実践編】
新卒採用において、「入社後の教育」は採用活動とセットで考える必要があります。多くの時間、人員、コストを割いて採用をしても、入社後にすぐに離職してしまい、定着率の低さに悩んでいる人事の方も多くいらっしゃいます。一方で、新卒の「採用」と「教育」の基盤をきっちり固め、新卒採用を通して会社を強固にしていっている事例もあります。『入社後の定着率を高める教育のポイント前編・後編』の記事では、新卒1年目の離職率や入社後アンケートの結果を分析しながら、新入社員の離職における特徴や、新卒1年目の定着において特に注意したい時期、そして、定着における具体的なポイントについても解説をしてきました。
実践編の本記事では、実際に新卒で入社をした新卒社員1年目~新卒社員4年目へのインタビュー調査を基に、入社後の定着率を高める為に抑えておきたい実践的なポイントについて見ていきます。
目次
(1)仕事をする中で新卒社員が「嬉しい」と感じるのはどんな時?
(2)仕事をする中で新卒社員が「辛い」と感じるのはどんな時?
(3)新卒社員が考える、入社後の研修で受けて良かったと思えるものは?
(4)まとめ
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(1)仕事をする中で新卒社員が「嬉しい」と感じるのはどんな時?
新卒社員を会社に定着させる上でまず大切なことは、新卒社員が「嬉しい」「楽しい」と思える瞬間や、「やりがいを感じる」瞬間をどれだけ創れるかです。長年働いている先輩や上司にとっては当たり前であっても、新卒社員にとっては大きなやりがいにつながっていた、なんてことも往々にしてあります。実際、新卒社員が働く上で嬉しさや楽しさ、やりがいを感じる時はどんな時なのでしょうか?株式会社ジンジブの新卒1年目~新卒4年目の社員にインタビューをしてみました。
質問①:仕事をしていて嬉しかったことは何ですか?
- 初めて契約をいただいた時。(新卒1年目)
- お客様から「18歳でこんなに頑張っている子がいるなんて。私も頑張らないといけないなと力をもらえました。ありがとう。」と言われたこと。(新卒1年目)
- お客様や社内のメンバーから「ありがとう」と言われた時。(新卒2年目)
- 営業をやっていて、このサービスを使っていて良かった!とお客様から言われたこと。(新卒3年目)
- 会社の全体会議で表彰されたこと。(新卒3年目)
- 営業をやっていて、自分のお客様から「ありがとう」とお礼を言われたこと。(新卒3年目)
- 社長賞をいただいたこと。(新卒4年目)
- 営業数字で四半期の目標を達成したこと。(新卒4年目) 等
質問②:先輩に言われて一番嬉しかった言葉は何ですか?
- 「いつもありがとう」。議事録や電話対応などの些細なことに対してもお礼を言ってもらえたこと。やっていて良かったと感じた。(新卒1年目)
- 先輩や上司から感謝の言葉をいただけた瞬間。(新卒1年目)
- 先輩や上司から頼っていただいた時。嬉しくてもっとスキルをつけようと思った。(新卒2年目)
- 入社1年目で一番つらかった時、四半期最後の1週間で営業数字を達成し「お前ががむしゃらに頑張ったくれたからチームが本気になれた、ありがとう。」と褒めてもらえた時。当時お世話になった先輩に、成長して一人前になった姿を見せようと決めた。(新卒3年目)
- 直属の上司から「期待している」と言われたこと。期待していただいている事、自分を見ていただいている事が嬉しかった。(新卒3年目)
- 「お前ならできる!」と色々なことを任せてくれた時、その期待に応えたいと思った。(新卒4年目)
- 「頼りにしてる」「期待してる」「頑張ったな」「頑張ってる姿見てるよ」と言われたこと。(新卒4年目)
- 月並みですが「良くやった」とか「おめでとう!」と言われると素直に嬉しい。(新卒4年目)
どうでしょうか?先輩や上司にとっては何気ない一言でも、新卒社員にとってはそれが励みになったり、頑張る原動力になっているものです。仕事内容によって仕事のやりがいは変わってくることもありますが、共通して言えることとしては先輩や上司からの「承認」「期待」「感謝」の言葉や態度が、新卒社員にとっては大きな励みになっているということです。些細なことであっても自分の頑張りを見てもらえている、認めてもらえている、それを言葉にして伝えてもらえる、当たり前のことですが非常に重要なポイントです。
(2)仕事をする中で新卒社員が「辛い」と感じるのはどんな時?
次は、新卒社員が仕事をしていく中で「辛い」「会社を辞めたい」と思うのはどのような時なのか、についてのインタビュー結果を紐解いていきます。長年働いている社員にとっては乗り越えられる壁でも、新卒社員にとっては大きな壁となって立ちはだかることもあるでしょう。そんな時、新卒社員の心境の変化をくみ取り、フォローアップしていけるかが会社への定着につながる重要な一歩になります。
質問③:仕事をしていて一番辛かったことは何ですか?
- 同期や先輩が退職してしまった時。(新卒1年目)
- テレワークで、自宅で1人テレアポをし続けたこと。(新卒1年目)
- 入社1年目の時、必死でやっても成果につながらず、上司や先輩に恩返しができなかった時。(新卒3年目)
- 営業部で思うように受注や成果をつくれなかった時。(新卒3年目)
- 努力しても結果がついてこなかった時。(新卒3年目)
- 営業の売上数字がついてこなかった時。(新卒4年目)
質問④:仕事をしていて辞めようと思った時はどんな時ですか?
- テレワークでひたすらテレアポをし続けていた時。分からないこともなかなか聞けず、1人で気分転換もできなかった。(新卒1年目)
- 同期がどんどん成長する中で自分との差を感じてしまい、自分にはこの仕事が向いていないと感じた時。(新卒1年目)
- 自分が元々やりたいと思っていた仕事ができないと気付いた時。(新卒2年目)
- 他にやりたいことが見つかった時。(新卒3年目)
- 尊敬していた先輩や上司が辞めてしまった時。(新卒3年目)
- 営業で売上数字が伸びない時。(新卒4年目)
仕事をしていて一番辛かったことへの回答として一番多かったのは「努力をしても成果がでなかった時」でした。頑張っても成果が出ない、上司や先輩の期待に応えられない、自分がいる意味があるのか、という思考になってしまうことも多々あります。そのような中で先輩や上司に求められることは、新卒社員とのコミュニケーション機会を増やしていくことでしょう。その中で、
□頑張る方向性が間違っていないかの確認
□成果だけでなく努力しているプロセスも見ていること
をしっかりと伝えて、コミュニケーションの回数を増やしていきましょう。
また、仕事が辛かった時、持ち直すキッカケになったのはどんなことですか?という質問に対しては、
- 同期の存在、同期と仕事について話す
- 仕事以外のリフレッシュ方法を見つけること
- 尊敬している先輩や上司に相談をする
- 仲間、チーム、先輩の支え
- 同期や先輩方からの励まし、喝
- 同期や社内メンバーからの励まし
上記のような回答が多く目立ちました。やはり、辛い時に自分自身を支えてくれるのは一緒に頑張っている同期や、先輩、上司の存在です。新卒社員の不安や悩みを吸い上げ、フォローアップしていける仕組づくりは、新卒社員の定着を考える上で非常に重要です。
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(3)新卒社員が考える、入社後の研修でやって良かったと思えるものは?
最後に、入社後の研修で良かったと思えた研修内容について新卒社員にインタビューを実施しました。
質問⑤:入社後の研修内容で、この研修は良かった!と思えるものは何ですか?
-
- 先輩社員の入社経緯や思い、キャリアアップについて話を聞ける時間。
- 各部署の責任者から、それぞれの仕事内容ややりがいについて話してもらう時間。この会社でどう頑張っていくのか、どんな風に頑張っている人がいるのかを知る良い機会だった。
- 価値観教育の時間。働くことに対しての考え方や、自分自身がどうなっていきたいのかを会社の上司や先輩から聞けたことが良かった。
- 各部署がどのような仕事をしているのか、また、その仕事のやりがいについて学ぶ時間。
- 合宿での研修。住み込みで実施をすることで同期の仲が深まって、定着につながった。
質問⑥:新卒社員が会社に定着するポイントは何だと思いますか?
- 人間関係の良さ、仕事におけるやりがいがあること。
- 目標とする存在がいること。
- 入社前に誇張した情報を伝えないこと。
- 会社の雰囲気、明るさ、挨拶がある環境。
- 尊敬、信頼できる先輩や上司がいること。
- 入社前の覚悟。
- どうすれば成長できるかを考えさせる教育。
- 今にとらわれず未来を見る思考を身につけさせる教育。
- 話しやすい先輩や上司がいる。
- 会社の雰囲気の良さ。
- 身近に頼れる人がいること。
入社後の研修では、実務上の教育をメインで進めている企業も多いかと思いますが、それと同じくらい「価値観教育」も重要なポイントになってきます。年齢の近い先輩がどのような気持ち、考え方で働いているのか、上司や会社の幹部がどのような思いでその仕事に携わっているのか等、価値観の部分を新卒社員と共有していくことがとても大切です。
(4)まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は株式会社ジンジブの新卒社員1年目~新卒社員4年目へのインタビュー結果から、入社後の定着を高める為のポイントについて見ていきました。当たり前のことである部分もありますが、ぜひこの機会に、自社の新卒受け入れにおいて実践できているかどうかの振り返りをしてみてください。そして、重要だと分かっていたけれども実践できていなかったポイントがあれば、21卒の新卒社員の受け入れから何か1つでも実践していただければ幸いです。
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