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新卒1年以内の離職率、大卒11%、高卒16% 離職を防ぐコツは?【前編】

2022年03月24日

多くの時間やコストを割いて採用しても、1年も経たずに離職する新入社員がいます。そんな中、「採用」と「教育」の基盤を固めることで定職率を高め、新卒採用を通して会社全体を強固にしている事例もあります。今回は、新卒1年目の離職率や入社後アンケートの結果を分析しながら、早期離職を防ぐポイントについて述べていきます。

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1、新卒1年目の離職率ってどれくらい?

まずは、新卒社員の離職率がどのくらいか、大学新卒者と高校新卒者を比較して離職率を見ていきます。

大学新卒と高校新卒の離職率の違い

出典:『新規学卒就職者の離職状況(平成28年3月卒業者の状況)』厚生労働省データ

厚生労働省が公表している「新規学卒就職者の就職後3年以内離職率」によると、平成30年卒の大学新卒における3年離職率は31.2%、高校新卒では36.9%でした。高校新卒の方が5.7%高い状況です。しかし、入社1年目の離職率を比較すると、大学新卒では11.6%、高校新卒では17.9%と、6.3%高校新卒の方が上回るという結果が出ています。このようなデータから「高校新卒者は大学新卒者よりも辞めやすい」と感じ、高校新卒の採用を本格的に踏み出せない企業がいるようです。

 

業界ごとの離職率

大卒と高卒で離職率に差があることがわかりました。それでは、離職率の高さに業界間で差はあるのでしょうか。離職率が高い業界と低い業界の特徴を見ていきましょう。

 

離職率が高い業界

大卒、高卒における3年以内の離職率が高いワースト5業界をまとめました。

<大卒>

1位 宿泊業・飲食サービス業(51.5%)

2位 生活関連サービス業・娯楽業(46.5%)

3位 教育・学習支援業(45.6%)

4位 医療・福祉(38.6%)

5位 小売業(37.4%)

 

<高卒>

1位 宿泊業・飲食サービス業(61.1%)

2位 生活関連サービス業・娯楽業(56.9%)

3位 教育・学習支援業(50.1%)

4位 小売業(47.8%)

5位 医療・福祉(46.2%)

 

これらの業種に共通して言えることは、サービス関連の職種であるということです。これらの業種は、24時間営業をしていることもあり不規則な上に長時間労働をしています。それだけでなく、景気に左右されやすいために賃金が上がりにくく、待遇がいいとは言えません。そのために、周りと比べて労働環境が良くないと判断し、辞めてしまう人が多いのではないでしょうか。それでは、離職率が低い業種とはどのような業種か見てみましょう。

 

離職率が低い業界

次は、大卒、高卒における3年以内の離職率が低いベスト5業界をまとめてみました。

<大卒>

1位 電気・ガス・熱供給・水道業(11.1%)

2位 鉱業・採石業・砂利採取業(11.5%)

3位 製造業(19.0%)

4位 金融業・保険業(24.2%)

5位 運輸業・郵便業(25.0%)

 

<高卒>

1位 電気・ガス・熱供給・水道業(9.2%)

2位 鉱業・採石業・砂利採取業(24.4%)

3位 複合サービス業(26.3%)

4位 製造業(27.2%)

5位 金融業・保険業(28.1%)

大卒、高卒ともに「電気・ガス・熱供給・水道業」が1割程度と、離職率の平均値を下回る低いレベルです。2位以下の業種も3割を切っており、平均値を下回っています。上位にランクインしている業種は、日々の生活を支える基盤となるインフラ業です。これらの業種は、景気に左右されにくく、給与が安定しています。そのため、福利厚生が充実しており、労働環境に不満を持つ人が少ないので、離職率が低くなったと考えられます。


2、早期離職が企業に与える影響

早期離職者が多数いることは、企業に大きなデメリットをもたらします。それでは、早期離職者が多いことによって企業にはどのような影響があるのでしょうか。

多くのコストを無駄にしてしまう

新卒採用をするためには、求人広告の制作・面接が必要なだけでなく、内定後は研修をするので多くのコストを要します。その上、新卒社員が離職した後、人材を探さなければなりません。しかし、早期離職者を出したという実績はこれから採用を行う上でマイナスなイメージを与えてしまうので、企業はコスト面だけでなく、企業の印象にも大きなダメージを受けてしまいます。

周囲の環境に悪影響を与える

新卒社員が離職するということは、一緒に働いてきた仲間の環境を変えてしまうことになります。前向きな離職だとしても、残された仲間たちのモチベーションは少なからず低下してしまいます。企業としては精神面をケアしたり、引継ぎをしっかり行ったりと、社員のフォローをすることが必要です。


3、入社1年目、どのような理由で新入社員は辞めていくのか

前項で、大学新卒と高校新卒を比較すると、入社1年目の離職率に大きな差が出ていることが分かりました。では、高校新卒の新入社員は、どのような理由で会社を辞めていってしまうのでしょうか?弊社が2019年3月末~4月にかけて実施をした、高校生で就職活動を行った全国の社会人に向けたアンケート調査から回答を分析していきます。

※調査概要【調査期間】2019年3月19日(火)~4月10日(水)【調査内容】高校生の就職活動についてのアンケート調査(無記名)【調査対象】高校生で就職活動を行った全国の社会人【回答方法】紙での回収(当社スタッフへの手渡し、FAXにて送付)/ WEBアンケート【有効回答数】284名

質問①:入社前と入社後で会社のイメージは変わりましたか?

※離職せずに継続就業中の220名(グラフ中「継続」と表記)と、早期離職した61名(グラフ中「離職」と表記)に分けて回答結果を比較しています。サンプルデータ数が少ない為、誤差が生じてしまうことをあらかじめご了承いただいた上で、本記事が参考になれば幸いです。

入社後に定着をして働く新卒社員と、早期に離職した新卒社員の回答結果を比較した際に差が顕著に現れたのは「入社前と入社後の会社のイメージ」です。会社に定着している新卒社員の場合、入社前と入社後での会社のイメージの変化について計算すると、「良い意味で変わった」との回答が全体の48.6%と高い数値であるのに対し、早期離職をした新卒社員の場合、「良い意味で変わった」との回答が全体の23.0%と低い数値にとどまっています。一方で、早期離職した新卒社員では「悪い意味で変わった」との回答が全体の45.9%であり、定着して働く新卒社員と比較しても圧倒的に高い数値になっていることがわかります。

このように、入社前と入社後のイメージのギャップ、いわゆるミスマッチは早期離職を引き起こす大きな要因の1つと言えます。

質問②:離職した理由は何ですか?

続いて、早期離職した新卒社員に対し離職理由についてアンケートを実施したところ、辞める理由の1位は「人間関係が合わなかった」でした。社会で働くことが未経験の新卒社員にとって、会社の悩みごとを周囲に相談することはハードルが高く、抱え込んでしまいがちです。そんなときに寄り添ってもらえないと感じたり、うまくコミュニケーションが取れないと感じたりしてしまうために「人間関係が合わなかった」と感じたのではないでしょうか。

2位の理由は「仕事や配属先が自分には合わなかった」でした。入社前にイメージしていた仕事内容や社風と実際の業務形態に大きなギャップがあると、ストレスを感じてしまいます。小さなストレスの積み重ねが離職に踏み出すきっかけとなってしまうのではないでしょうか。3位の理由は「給料・待遇が良くなかった」でした。長く働くことを前提に就職しているはずなので、将来性が見出せないと早期離職を考えてしまうきっかけになってしまいます。


4、高卒新卒社員の早期離職を防ぐコツ

このような理由で早期離職をしてしまうことがわかりました。それではどうすれば早期離職を防ぐことができるのでしょうか。

採用のミスマッチを防ぐ

質問①であったように、入社前と入社後のミスマッチは早期離職の原因であるということがわかりました。採用のミスマッチを防ぐためには採用活動、内定後の両方で工夫が必要です。採用活動時には、どのような人材を確保したいのか分析し、自社のいい部分だけでなく労働条件や待遇について説明しましょう。そうすると採用の精度を上げることができます。さらに、高校生たちにも自社について知ってもらうために、インターンのようなイベントを行うといった工夫が必要です。内定後に行う工夫としては、定期的に面談をして新卒の新入社員が抱えている悩みを解消することが挙げられます。こうすることで少しでも採用のミスマッチを減らすことができるはずです。

 

働き方を見直す

働き方を見直すことで、特に質問②で多かった「仕事が合わない」という不満を減らすことができます。

では働き方を見直すとはどういったことをすればいいのでしょうか。まずは、残業の多さや休みの取りやすさなどを改善できないか検討することです。労働条件に対する不満を解消するためには、就業者からのSOSを待つのではなく、企業側から積極的に社員に対してモーションを起こす必要があります。他には社員の働きに対する評価や待遇が公平になされているか見直すことも必要です。働き方に対して評価をしてもらえないと、仕事に対してやりがいを見出しづらくなります。やりがいを見出せず仕事へのやる気が低下していくと、離職につながりやすくなってしまいます。

 

教育・研修制度を改善する

仕事をしていくなかで、自社でキャリアアップを目指せると感じることができれば、離職を防ぐことができるはずです。そのため、「キャリアアップが目指せる」と思えるような支援や研修を充実させることは重要ではないでしょうか。そのほかにも、仕事の悩みを相談できるようなメンター制度を設けることが必要です。先ほども述べたように、新入社員には上司に悩みを直接相談することはハードルが高いです。他の先輩社員や管理職に相談役になってもらう制度があれば、ストレスを軽減できるはずです。それだけでなく、メンターと先輩社員を交えて話す機会を設けるのも良いでしょう。こういった場で本人のキャリアアップについて話すと、多くの視点を得られて、具体的な目標設定ができるので、キャリアアップの一歩になるのではないでしょうか。

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参考

https://ten-navi.com/hacks/article-17-10032

https://www.nec-solutioninnovators.co.jp/sp/contents/column/20211001.html

https://www.geppo.jp/blog/shinsotsu-risyoku-kaizen


このほかにも、後編で詳しく教育のポイントを説明しているので、併せてご覧ください

新卒1年目の離職率から見る、入社後の定着率を高める教育のコツとは?【後編】

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5、まとめ

今回は、新卒1年目の離職率について大卒と高卒で比較し、どのような理由で早期離職してしまうか、どうやって早期離職を防ぐかについて述べました。

定着率を高めるためには、「なぜ離職者が増えるのか」原因を突き止めること、原因を取り除くためには何をしたらいいか解決策を考えることが重要です。採用活動において、自社のアピールや業務形態の説明だけでなく内定後の研修も大切です。

これらのポイントを踏まえて、高卒新入社員の離職率低下を目指しましょう。

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