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ウィズコロナ時代の高卒採用「県外採用」が新常識!?

2020年7月1日新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受け、企業も不安の中、高校生の新卒採用の求人情報公開しました。

高卒採用に大きく影響した経済危機を振り返るとリーマンショックまで遡ります。

当時の内定率を振り返ると地域格差が生じています。

それでは、ウィズコロナ時代では県内就職や県外就職などの変動はあるのでしょうか。

「県外採用」に「オンライン活用」、ウィズコロナ時代の高卒採用のニューノーマルについて考えたいと思います。

目次

(1)不安の中はじまった2021年卒、高校新卒採用
(2)リーマンショックの時はどうだった?
(3)コロナが地方の県内就職を後押しするか
(4)ウィズコロナ時代の高卒採用の当たり前「県外採用」
(5)「県外採用」強化には、WEB活用が必須
(6)まとめ

(1)不安の中始まった2021年卒、高校新卒採用

2020年7月1日、今年も例年と変わらぬこの日に求人情報が解禁。コロナ禍での高校新卒の採用活動がスタートしました。

緊急事態宣言下では高校も企業も十分な準備ができておらず、不安に感じるところも多いでしょう。

この数ヶ月、日々目にするニュースは、コロナの景気への影響、またそれに伴う雇用・採用への影響に関するものでした。

その中で、高卒採用に関して注目したのが「各都道府県の対応」に関するニュースです。

これは、学校の先生や県、県の教育委員会や県の労働局が、同じく県内の経済団体や企業に対して「高卒者向けの求人数の確保を要請する」というものでした。コロナの影響で企業は、非常に厳しい状況に置かれています。なによりもまず目の前の雇用を守ることに精一杯です。これからについては不透明であり、新規採用の意欲は低下してしまいます。

そういった状況を知りながら、各県が「求人確保」を強く要請するには理由があります。

(2)リーマンショックの時はどうだった?

それは、同じく経済危機に陥ったリーマンショックの経験があるからです。

高校新卒者の求人数は、ここ数年増加傾向にありバブル期並みの水準となっています。遡ればリーマンショックの影響を強く受けた2010年以降しばらくは有効求人倍率が著しく下がり、求職者に対して求人数が足りないという、ここ数年とはまったく違った光景が広がっていました。

出典:「学校調査、学校通信教育調査(高等学校)」文部科学省データより作成

さらに詳しくみると、業種や地域によって差があることがわかります。

リーマンショックが起こしたのは世界的な金融危機であり、その中で日本が強く影響を受けたのは輸出産業、そしてそれを支える製造業でした。

地域に関してはどうでしょうか。リーマン前後(2009年卒と2010年卒)の有効求人倍率と内定率を比較して変化を探ります。

それぞれ下落幅の多い都道府県を表に掲載しています。

出典:「高校・中学新卒者のハローワーク求人に係る求人・求職・就職内定状況 取りまとめ」厚生労働省 データより作成

求人倍率の下落は主に都市部とその周辺、一方で内定率の下落は都市部に限らないことが見て取れます。減少幅も大きいです。

違いの理由は、求人は出したものの不透明な景況感で結局内定を出すにいたらなかった、居住する都道府県の求人倍率は低かったが、県外就職をし内定が得られたということが考えられます。

このように、内定で見れば地方部がリーマンショックの影響は大きかったようです。

求人倍率もさることながら、内定が出づらかったり、県外就職を選択しづらい都道府県で顕著です。このような状況では高校生からすると非正規雇用という選択も強くなります。地域経済を支える地元企業の人材基盤が弱まってしまうことこそが各地域が危惧するところです。

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(3)コロナが地方の県内就職を後押しするか

求人確保の動きの一方、「密」を避ける行動が県内就職を後押しするのではないかという考えもあります。

コロナ対策としてのソーシャルディスタンスや「3密」を避ける行動、これはウィズコロナと言われるこれからの生活にも変わらずあるべきものとされています。

この数ヶ月でわたしたちは密に対して強く警戒するようになりました。電車での通勤、スーパーでの買い物、一定規模以上の人数が集まるイベントなど。東京の密度がこれほど注目され、警戒されたことはないのではないでしょうか。

業種・業界にはよりますが、テレワークを中心とする企業が少しずつ増えています。出社が減りオフィスを縮小する企業も出ています。こうした変化に伴い、都心から郊外へと引越しを検討する生活者も増えています。社会人の住まい選びの重視項目の上位には必ず「通勤利便性」が挙がります。通勤の必要がなくなったとき本当に住みたいところはどこかと言われれば、自然を感じることができ同じ家賃でゆったりと住める近郊なのかもしれません。

こうした、密回避や近郊シフトは、地方に光があたるきっかけとなっています。

地方部では例年県内就職を促進していますが、今年に関してはこれに上記のような要素が加わっているという状況です。

(4)ウィズコロナ時代の高卒採用の当たり前「県外採用」

求人数はどれくらい減るのか、企業の内定を出し方に変化はあるのか、地元高校生の地元志向は強くなるのか、コロナは地方の採用・就職にどのような変化を与えるでしょうか。

心理的な影響もあるでしょうが、実際には求人数の減少による県外就職の増加が起こるのではないかと考えます。都市部の企業からすれば、これを期に県外採用の機会が増えるかもしれません。

また、別の理由でも県外採用を強化する企業が増えるのではないかと考えます。それは「オンライン活用」が進んだことです。

言うまでもなく、オンラインであれば実際の移動なくやりとりができますので、距離が離れている先生・高校生と企業とが接点を持ちやすくなります。大学新卒ほどの自由度はないでしょうし、まだまだオンラインには不慣れということもあるでしょうが、こういったこともウィズコロナのこれからは当たり前になるかもしれません。高卒採用活動の常識であった「学校訪問」がオンラインに置き換わるとなれば、大きな変化となります。

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(5)「県外採用」強化には、WEB活用が必須

WEBを活用した高卒採用活動のポイントをまとめます。

求人票・会社案内資料の発送は必須

オンライン会議ツールを使っての学校訪問では、まず事前の資料送付は必須となるでしょう。会社紹介や求人票を発送しておき、オンライン学校訪問の際にその資料をお互い手元に置きながら説明をする形態です。

オンライン会議で説明しやすいWEBコンテンツを充実させる

オンライン会議となればWEB画面の紹介や動画の紹介もスムーズです。WEB上に企業紹介コンテンツを充実させておくことのメリットは、今後さらに強くなります。

オンライン会議の進行をスムーズにする

まずは通信環境を整備すること。音声が途切れたり画像が固まったりすることがありますが、どちらの通信環境のせいでそうなったのかはわかりづらいもので、大切な時間に水を差さないためにも万全な整備が求められます。

画面映りも重要です。リングライトの使用はもはや必須と言えるでしょう。

話す時は、話し相手が差し込めるように少し間をおきながらゆっくり話す。聞く時は、大袈裟なくらい大きくうなづいたりジェスチャーで聞く姿勢を表現します。

補足資料や見てもらいたいWEBページはチャットを使って送ります。ただしチャットで送った情報はオンライン会議終了後は残りませんので、終了後にメールで送るなどするとよいでしょう。

求人サイトを活用する

かねてより、高校生は就職活動時に「求人サイト」を参考にしているという調査結果が出ていますが、今後はよりその傾向が強まると考えられます。

※株式会社ジンジブ2020年6月30日~7月7日インターネット調査(回答者:792名高校生)による

高校生の選択肢が広がれば、選択肢を比較検討することの重要性が増し、それを効率的にできるのが求人サイトだからです。

求人サイトでは他社との差別化がポイントになります。動画などコンテンツをリッチにするなどの工夫も効果的でしょう。

(6)まとめ

景気後退に対して、雇用・採用への影響は遅れて現れるというのがこれまででした。しかし、リーマンショック時は、急激なスピードで雇用が減り状況が一変しました。理由は、バブル以降、企業は人件費に対して敏感になり、非正規雇用と正規雇用のバランスを変化させてきたからです。特に若年層への影響が強いとされます。非正規雇用の増加と、新卒採用の減少、両面での影響です。

リーマンショックとコロナはよく比較されますが、ミクロに見れば異なるものです。リーマンショックの時はどうだったか、ばかり考えていても道は拓けません。

目の前にはっきりあるのは、コロナによって生まれた「新しい当たり前」。

高卒採用においても、この新しい当たり前にいち早く取り組み、そこにある好機を捉えることこそが、この難局を乗り越える方法だと考えます。

県外採用にアンテナをはること、またオンライン活用(求人サイト掲載などWEB情報発信)の強化に取り組まれてはいかがでしょうか。

 

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