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これからの会社説明会のカタチを考える(高卒・大卒)

大学生の新卒採用活動の多くで取り入れられているのが会社説明会。今年は新型コロナウイルス感染症の影響で中止やWEBでの開催が余儀なくされ、これまでの会社説明会のあり方も見直されています。

今回は会社説明会に関するデータ、開催するメリット・デメリットについてまとめました。

また、高校生の新卒採用(高卒採用)では会社説明会を実施しないことが多くその採用手法についてもご紹介します。

<外部リンク:株式会社ジンジブ>高卒採用の教科書「今なぜ高卒採用が選ばれるのか」

(1)3月は会社説明会が活況

大学生の新卒採用の求人情報の解禁は3月。このタイミングをめがけて、多くの企業は「会社説明会」を実施します。

最近では「プレエントリー」という形で、その前から企業への興味(応募ではない)を示すことができますが、これはまだまだ水面下の動き。

情報解禁後すばやくエントリーを集めるために、会社説明会を3月に開催するのが一般的です。母集団形成から企業同士の競争は激しく、ユニークな会社説明会の企画・運営に力を注ぎます。

3月中の1ヶ月間に実施した活動 (就職活動実施経験者、複数回答可)

出典:就職プロセス調査 2020年卒 調査報告書(2019年4月1日)

一方、学生側の動きはどうでしょうか。

リクルートキャリア「就職未来研究所」の調査結果、「3月中の1ヶ月間に実施した活動 (就職活動実施経験者) 」を見てみます。

学生のうち44.4%が対面形式の会社説明会に参加、WEB形式の会社説明会には36.2%が参加しており、2月と比較するとそれぞれ12~18ポイントほど上昇しています。

 

個別企業の説明会・セミナーのうち対面で開催されるものに参加した_平均社数

(就職活動実施経験者、複数回答可)

出典:就職プロセス調査 2020年卒 調査報告書(2019年4月1日)

同じく、リクルートキャリア「就職未来研究所」の調査結果から、学生の説明会参加平均社数を見てみます。最も多いのが10社以上で36.0%、5〜9社が29.5%、2〜4社が26.2%と続きます。全体平均は8社強。

企業の動きに応じて、学生の動きも活発です。

中には会社説明会への参加そのものがエントリーとなっていたり、会社説明会でエントリーシートを配布する企業もあり、会社説明会参加を避けられないケースもあるようです。

(2)手間がかかる企画・運営

このように、採用活動では定番かつスタートダッシュに欠かすことができない会社説明会ですが、企業の悩みの種は手間(コスト)です。

会社説明会の準備・運営の人手が大きな負担になります。

準備

・会社説明会のコンテンツの企画・制作

誰がどんな内容を話すかを組み立て、その説明に使うスライド資料を作成します。学生の印象に残るような工夫が大切です。配布物や室内のパネルなどの装飾にも気を遣います。スピーカーについては社内での調整も発生します

管理

・申込者管理

申込者一覧を作り、説明会当日まで複数回メール等で参加リマインドを行います

・参加者管理

当日の参加・欠席を一覧に反映し参加者一覧を作成します

こういった業務はツールによりだいぶ自動化されます

当日の運営

・準備

早めに会場入りし、会場のセッティング(机・イスの配置、配布資料の用意、装飾物の設置、プレゼンテーション用スクリーンやマイクのテストなど)を行います

・受付・進行管理

参加者の受付、入場後の座席への促しをします。説明会中はタイムキーパーとして進行管理や、司会を担当します。終了時は記入物の記入を促して回収、学生を見送ります

・撤収

会場内を片付けます

1回開催あたりの効率性を高めるために、人数規模の大きい説明会にするという考えもありますが、コミュニケーションの濃度が薄くなってしまうことが最大の懸念です。

費用に関しては、配布物やパネルなどの制作費と会場費があります。

制作物は、合同説明会など他の場でも使えるものですし、大きな負担ではありません。

会場費は、社内でスペースが確保できる場合は発生しません。

新卒採用にかかる費用と手間、それぞれ広告費と会社説明会の占める比率が高いのが特徴です。

 

会社説明会の効率化に期待されているのが、WEBでの会社説明会です。

徐々にWEB説明会は増えており、2020年の新型コロナウィルス感染症の影響で、一気に増えました。

WEB開催のメリット・デメリットを挙げてみます。

■メリット

・手間の軽減

会場の準備や受付・撤収など、当日の運営に関して、大幅に手間を省くことができます

・参加者数の増加

会場の広さに関係なく参加者数を増やせます。

学生側は移動がない分、日程調整しやすい、交通費がかからない、遠方からの参加もできるなど、参加しやすい状態になります。

・動画コンテンツを使いやすい

スピーカーによるプレゼン部分において、対面での説明会で動画を流すと対面にする意味が不満に感じられますが、WEBの場合はそういった違和感はありません。スピーカーの負担が減ります。

■デメリット

・参加意識が希薄になる

WEB説明会では、対面に比べて学生の緊張感はグッと下がります。自分の存在が埋もれやすいからです。参加しやすいというメリットと、表裏一体の関係です。

・内容の理解度が下がる

他のことに気を取られて集中を削がれやすく、内容が頭に残りづらくなります。 「ながら参加」という露骨なケースもないとは言いきれません。

また、通信回線が不安定になれば声が途切れてしまいます。

デメリットの多くは参加者と運営者の意識やスキルで解決できることです。また、WEB説明会のツールはこれからますます充実してくると思いますので、ツールが補完してくれる部分も増えそうです。

以上から、今後はWEB説明会が主流になるという見方も多くあります。

<外部リンク:株式会社ジンジブ>月間300社以上が参加するWEBセミナー!~高卒採用を成功させる為にやるべきことが分かる~

(3)もうひとつの問題とは?

「手間」と並ぶ会社説明会の問題。それは、「かけた手間のわりに、学生が会社説明会の情報を参考にしていない」ということです。

リクルートキャリア「就職未来研究所」の調査結果(就職プロセス調査 2020年卒 調査報告書(2019年4月1日)では「参考にしたメディア等(3月中)」という設問で、会社説明会は全体で4位となる47.3%が参考にしたと回答をしています。

1位は就職情報サイトの71.9%、2位は個別の企業のホームページ71.0%、3位は個別の企業から送られるメール48.4%でした。

会社説明会の参考度合いも決して低くはないのですが、費用対効果は悪いかもしれません。ちなみに、4月以降の同じ設問の回答結果では、会社説明会の参考度は下がっていきます。

この原因の根本は、会社説明会のコンテンツにあると思います。

スマホを使った情報収集は当たり前の世代です。就職情報サイトで複数企業をあれこれと比較します。気になった企業は社名で検索をして企業ホームページ(採用ページ)を見ます。さらに深い情報(口コミなど)を調べることもできます。

このように、企業に関する情報をある程度読み込んで、会社説明会に参加します。

こういった学生に対して、あらかじめ公開されている情報を、わかりやすく説明するだけでは不十分です。

学生が知りたいの多くは、文字や画像では現しきれないもの、社員の人柄や雰囲気です。スピーカーのプレゼンテーションもさることながら、会場全体の雰囲気作り、また飾りっ気いのない企業の姿に触れられるよう、一方的な説明やグループワークではなく、社員との交流機会としての要素を強めると良いのではないでしょうか。

また、説明会と称しながら、実質的な選考が行われる説明会も学生にとっては不評です。

説明会が何を目的に行われるものなのか、どんなことをするのかは、事前にしっかりと伝えましょう。

(4)高校新卒の採用には会社説明会がない

ところで、高校新卒採用には会社説明会がないのをご存知でしょうか。

高校新卒採用のルールでは、学生と企業担当やが直接やりとりすることがほぼできません。また、企業情報は大半は先生から提供を受けます。大学新卒のように自らが行動できる範囲は広くないのです。

合わせて読みたい:【準備編】これさえ読めば間違えない<最新版>高卒採用の基本のキ

独特のルールや用語など、高校新卒採用の基本をまとめました

「会社説明会がない?ではどうやって母集団を作るの?」

そんな疑問の声もあがりそうですが、高校新卒採用にとって母集団形成は必要ありません。母集団形成に近い活動といえば高校訪問でしょうか。各校の先生を訪問し、自社の説明や採用の熱意を伝えます。これについてはある程度の数を行わないと、思うような成果は得られません。

そして高校生は先生の紹介や求人情報から気になる企業へ職場見学します。

大学新卒と比較すると高校新卒は採用業務にかかる時間が大幅に削減できるというメリットがあります。

このような理由から高校新卒採用では会社説明会を実施しない企業がほとんどです。

しかし、生徒と直接話せないというのは、採用活動をしづらいというデメリットでもあります。
そこで重要になるのがWEBでの情報発信力。高校生もスマホでの情報収集は当たり前です。
SNSや動画を使って積極的に情報発信をしましょう。

企業情報や採用情報はもとより、企業の内面(雰囲気や風土、文化)や、身近な先輩の働き方やキャリアの具体的なイメージを伝えるコンテンツがおすすめです。

高校新卒でうまく情報発信ができるようになれば大学新卒でも一歩抜けることができそうです。

(5)まとめ(高卒・大卒の説明会)

いかがでしたか?学生の情報収集スタイルに合わせて変化が求められる会社説明会。コスト面から考えても、抜本的な見直しが必要なのかもしれません。高校新卒においては会社説明会は不要な場合がほとんど、いずれの場合もWEBでの情報発信力が今後の鍵を握るでしょう。

大学生も高校生も、限られた接点の中でどれだけ「信頼関係が構築できたか」が志望度に影響します。そしてそのためには、双方向のコミュニケーションにある傾聴と誠実さが判断材料です。

 

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