良い求人票の書き方と高卒求人票の中で光る企業になるために
高校生の採用活動で最も多く使うツールは「求人票」です。学校斡旋(あっせん)を受けて高校生の求人活動するために必要となる書類です。
2020年は新型コロナウイルスの影響で多くの地域にて、5月に開催される予定だった高卒の求人申込の書類の受け取りや説明が行われる「求人申込説明会」が中止されています。
今回は高校生の新卒採用での求人票の特徴やスケジュール、書き方についての基本をまとめました。
目次
(1)高卒採用の求人票って何?役割と目的、重要性について
(2)高卒採用の求人票作成の流れ
(3)高卒採用の求人票作成の心得
(4)高卒採用の求人票作成のポイント5点
(5)高卒採用の求人票で守るべき表現のルール3点
(6)まとめ
(1)高卒採用の求人票って何?役割と目的、重要性について
「求人票」は、採用を予定している企業がハローワークに提出をする企業情報や募集要項が書かれた書類です。
学校の紹介あっせんを受け高校生の新卒採用活動を行うには、管轄のハローワークに高卒専用の求人票の申請を行い、受理された求人票を提出する必要があります。
求人票がなければ高校新卒の採用はできないと言っても過言ではない必須ツールです。
求人票の特長は、
・フォーマット化されているため、同項目で企業研究や比較がしやすい、先生が見慣れている。
・高卒就職情報WEB提供サービスにて全国の高等学校の進路指導教員が閲覧することができる。
(※公開求人のみ)
一方で弱点としては3点あります。
・文章だけの書類のため高校生にとっては理解しづらく就職後のイメージがつかめない。
・数字面(給与・休日・エリア)だけを比較されてしまう。
・紙の書類のため、多く高校に来る求人票の中で埋もれてしまい自分で探すのが大変。
高校生の新卒採用に欠かせない求人票ではありますが、高校生に届きにくい求人票は多く存在します。上記であげた弱点を克服し、求人票で企業の魅力を充分に伝えるにはどうしたら良いか考えていきたいと思います。
求人票の中で「光る企業」になることで、応募数を増やしましょう!
(2)高卒採用の求人票作成の流れ
高校新卒の求人票の作成の流れとスケジュールをおおまかにまとめます。
5月
➀求人票に掲載する内容の準備
早めに求人票に記入する内容を整理し、求人申込の作成準備をしておくと慌てることなくスムーズです。2020年1月より求人票の様式が変更になりました。昨年の求人票の内容をそのまま転記することができませんので早めに準備を行いましょう。
②各地のハローワークで開催される「高卒新卒求人申込の説明会」に参加
この説明会で求人票申込書類を受け取ることができます。
※2020年(2021年卒分)は新型コロナウイルスの影響により、郵送での書類送付が行われます。詳しくは管轄のハローワークの情報をご確認ください。
6月
➀6月20日ごろまでに求人申込の記入とハローワークへの提出が必要になります。
それよりも遅くなると求人票を7月1日に受理できない可能性があるので前倒しで動きましょう。
※7月1日受理の場合の期日を案内しているハローワークもありますのでよく確認しましょう。(例:品川ハローワークの場合、6月12日までの提出など 2020年の場合)
7月
➀7月1日より管轄のハローワークにて求人票受け取りが可能となります。
②高校へ求人票を郵送・学校訪問で渡す。期間は7月1日~7月20日を推奨します。高校へはアポイントを取って訪問しましょう。
(3)高卒採用の求人票作成の心得
高卒採用の求人票作成のポイントを2つにまとめます。
かみ砕いて分かりやすく記載すること
高校生は社会人のことはまだまだ分かりませんし、一般企業に就職をしたことのない先生もいます。表現はわかりやすいか、難しい単語や専門用語を用いていないか確認しましょう。
具体的にイメージがわくように記載すること
多くの企業の求人票は最低限のことしか記載されておらず、先生や生徒は企業を充分に理解できません。
例えば募集職種に、「営業職」とだけ記載している場合と、営業職(八百屋さんに野菜を提案する営業)とかかれているとどちらが就職後の具体的なイメージを抱きやすいでしょうか。高校生や先生は「営業職」にあまり詳しくありません。しかし前者のように書いてある求人票が多いのが現実です。
求人票を見るのは先生と高校生です。読む人の立場で内容や表現を見直すことがポイントです。
(4)高卒採用の求人票作成のポイント5点
ここからは高校新卒用の求人票のサンプル見本を見ながら求人票を作成する上での基本のポイントを解説します。
➀公開・非公開のチェック
求人票申込の書類提出の際、求人区分に「公開希望」という欄があります。
「事業所名を含む求人情報を公開する」にチェックを付けると「公開求人」、「求人情報を公開しない」にチェックを付けると「高卒就職情報WEB提供サービス」に掲載されない、「非公開」の求人情報となります。
②職種
高校生や教員が見てわかりやすい職種の伝え方を意識しましょう。
具体例的におすすめしているのは、営業職(八百屋さんに野菜を提案する営業)や、技術スタッフ(ガラス張り部分の施工)など、具体的にどんなことをする職種なのか説明を加えることです。
悪い例は、施工管理、営業職など、高校生や先生にとって職種だけではイメージがつきにくい職種名のみの記載です。
③仕事内容
仕事内容の項目で実際どんな仕事をするのか、就職後のイメージが湧くような「内容」「書き方」を意識して、仕事の魅力を伝えましょう。
下記のようなことを記載すると読みやすくなります。
・キャッチコピーを入れる
・仕事内容(事業目的)
・就職後の具体的な仕事内容
・就職後の研修・教育方法
・キャリアステップ
④補足事項
主に福利厚生を書く項目です。会社で準備しているものはきっちりと全て書き入れアピールを行いましょう。箇条書きでわかりやすく記載することもポイントです。
⑤特記事項
主に給与条件の補足等 資格手当、住宅手当、手当の詳細を書く項目です。こちらも会社で準備しているものは全て書き入れましょう。こちらも箇条書きでわかりやすく記載しましょう。
⑤研修内容
就職後の研修を実施している場合は必ず記載しましょう。
④~⑥は先生がよく見ている項目になります。
以上が高卒採用の求人票を準備する上で基本となるポイントです。
(5)高卒採用の求人票で守るべき表現のルール3点
求人票への記載する表現には法的な制約ルールや避けたい表現があります。注意点をまとめました。
➀禁止されている表現
- 性別を限定する表現
「雇用対策法」「男女雇用機会均等法」により禁止されています。 - 年齢を限定する表現
「雇用対策法」「男女雇用機会均等法」により禁止されています。 - 差別につながる表現
読み手が不快な思いや苦痛を感じるような人種や居住地、身体的特徴など、特定の人々に対する「差別表現」を含む求人票は掲載できません。
②最低賃金以下の記載
毎年各都道府県で最低賃金が定められています。最低賃金改訂のタイミングの際にはチェックするようにしましょう。厚生労働省のHPなどで確認ができます。特に複数の都道府県で募集をかける企業は注意が必要です。
③実態と異なる好条件・誇張した表現
業務内容や条件面を誇張した求人票を作成しないようにしましょう。
(6)まとめ
魅力的な求人票が作成ができれば高校生からの応募が期待できます。ポイントは2点。わかりやすくかみ砕いて記載すること、就職後の具体的なイメージを持てるように記載することです。求人票を見る人は就活をする高校生本人と先生です。両者の立場に立つことを意識して記載しましょう。
また求人票の表現に関するルールも把握し作成しましょう。
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