生徒と直接やり取りができないを乗り越える 高卒採用、どうやって進める?
高卒採用では、職場見学や面接の日程調整、合否連絡等は学校を通じて行うこととされ、生徒と直接連絡を取り合うことは原則で禁止されています。内定後も内定者フォローとして連絡を取りたいところですが、内定後も先生を通して連絡をするとルールで決められています。
7.文書募集等について
安定所で確認を受けた求人であり、当該求人票記載内容と異なるものではないこと。また、広告等掲載にあたっては、安定所名及び受付番号を記載することとし、応募者の受付は、学校またはハローワークを通じて行うこと。
9.採用試験及び採用結果の通知について
求人者は、採用試験期日、場所、採否結果等を決定次第直ちに学校及び学校を通じて応募者に文書を以って通知すること(採否にあたっては極力7日以内)。なお、不採用者があった場合には、その者の応募書類を学校に返却するとともに、その理由についても併せて通知すること。
東京労働局ハローワーク「‘19新卒者募集のために」より
直接、電話やメールで連絡を取ることができる大卒や中途採用と比べると、不便なルールに思えるかもしれませんが、未成年である高校生の意思決定や、内定後にも高校生の本文である学校生活に専念できるようにサポートするための大切なルールです。
では、どうやって採用活動を進めていくのが良いでしょうか。
今回は、「高卒採用での連絡・やり取り」に注目してまとめてみました。
採用活動の具体的な連絡のポイント
求人募集時
高校生の就職活動では、先生を介して生徒に求人紹介を行うため、先生が理解できない求人は当然ながら生徒に紹介されません。そのため、求人募集時においての採用活動のポイントは、企業の魅力や仕事の内容をいかにわかりやすく先生に伝えることができるかとなります。
7月に求人情報の解禁を迎えると、各企業の人事担当は求人情報を先生に伝えるために学校訪問を行います。その際、多くの会社がパンフレットを用いて企業説明を行うでしょう。もちろんパンフレットでの説明は全く問題ありませんが、他の企業と差別化を図り、尚且つ会社の雰囲気や仕事内容を分かりやすく紹介するための工夫も必要です。動画を用いた説明や、持参できる自社製品か写真を見せた上で説明をすると、先生は具体的なイメージを掴みやすくなり効果的です。
動画や写真などを駆使して、多くの企業説明を聞いている先生にインパクトや働くイメージが残るように説明を工夫しましょう。
職場見学・面接時
採用活動で生徒と連絡が取れないことは、不都合な部分ばかりではありません。例えば、高校訪問時の企業説明で、先生が企業のイメージを持つことができれば、その企業にマッチする生徒達を職場見学や面接に勧めてくれる場合もあります。また、先生を介して日程調整をしるため、職場見学や面接当日に約束をすっぽかされる心配もありません。大卒採用や中途採用でよく起こりがちな「当日ドタキャン」を防ぐことができます。
職場見学・面接時の連絡の流れをまとめました。
―採用活動時の連絡の取り方―
職場見学・面接希望の生徒
↓
①生徒が先生に報告
↓
②先生が企業へ連絡
↓
③先生と企業の担当が日程調整
※持ち物・服装・実施場所等の連絡
↓
④先生が生徒に日程を伝える
↓
⑤生徒が当日職場見学・面接に来る
合否連絡・内定後のフォロー
合否連絡は、学校の先生に連絡を行い、合否書類も生徒本人ではなく学校に送ります。
内定承諾後は、大卒採用のように内定者へのフォローをしたいところですが、高卒採用では高校生と直接やり取りをすることができません。
高校生たちは、大学生のように内定を何社も持っていて、どの企業に内定承諾をしようかと悩んでいるわけではありません。そのため、内定者フォローをしなくても特に問題はありませんし、内定後にコミュニケーションを取らなかったからといって内定辞退を招くことは稀なケースです。
しかし、直接連絡が取れないからといって何もしないのではなく、間接的な形でも良いので、企業から「入社を待っているよ!」と、意志を伝えることは、高校生たちが安心して入社式を迎え、気持ちよく社会人をスタートさせることにつながります。
高卒採用の内定者フォローでは、先生へ連絡する際に、社員の顔が見える社内報や実施した社内イベントの写真などをまとめたり、先輩社員でメッセージを寄せ書きにして送ったりするなど、内定者のモチベーションを上げるようなフォローを行っても良いでしょう。
内定後、生徒と連絡を取れるのはいつから?
求人募集時
内定者と直接の連絡を取ることが許可されるのは、生徒が卒業した翌日からです。先生が生徒との連絡を許可する場合もあるかもしれませんが、高校生の心情を考慮し、高校生との直接の連絡はなるべく控え、先生を通じてコミュニケーションを取りましょう。
ただし、生徒が卒業後は先生と生徒のコンタクトがなくなるので、入社式や事前研修の事前連絡や変更事項がある場合、直接連絡する必要があります。卒業式までには緊急連絡先として携帯電話の番号やメールアドレスなどは教えてもらっておくようにしましょう。細かくルールが定められている高卒採用ですが、高校生が安心して就職活動ができるようルールの意図を理解し、企業も高校生のためにより良い就職活動の環境を作りましょう。
まとめ
高卒採用では、「適正な就職の機会創出」のため、求人募集時期、職場見学、応募、面接、そして内定後も、高校生との直接の連絡はせずに、高校の先生を通じてやり取りを行います。時期に応じた連絡の取り方を工夫し、高校生が安心して就職活動を行えるよう先生との信頼関係を築きましょう。
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