高卒社員を指導してもうすぐ3年。上司目線で育成する奮闘の日々を振り返る | 記事一覧 | 高卒採用Lab 高校生採用を科学する

高卒社員を指導してもうすぐ3年。上司目線で育成する奮闘の日々を振り返る

営業に配属された高卒新卒3人を育てていく事になった丸仲さん。さて、高卒3人が独り立ちさせる事を目標にやってきた丸仲さんですが、意外なところで計算外の事が起っていました。
高卒を育ててきた丸仲さんは、一体どんな事を思い、考えてきたのでしょうか。同じような経験をされた方も、これから高卒社員を育てていく方も必読の内容です。

高卒社員を一人前の営業担当に育てるポイントは「丁寧な話し方の指導」

高卒社員の育成をしていて率直な感想は、想像以上に時間と労力をかける必要があると感じました。例えば会話です。こちらが思っていたよりも上手く話せない事に驚きました。

丁寧な言葉で話す事を身に付けないと働く土俵にも立てないと考えています。彼らが配属になった営業職は客様とのコミュニケーションで成り立ちます。業務にはテレアポがあるのですが、先輩がするテレアポを丸々コピーするところから始めました。しかし、質問をされてしまうと丁寧な言葉で返答が出来ず、いきなり友達語で話してしまう瞬間が多々ありました。

「それはいけますよ!」とか「大丈夫っす!」とか。とても丁寧にテレアポをするのに友達のように軽く返答してしまう。これではまずい!営業活動に影響が出てしまう・・・と彼らがテレアポ業務を始めてすぐに感じましたね。

その状況を打破するためにコミュニケーションを重視

決めた事はたった一つで、出来るだけ目上の人や先輩と食事に行くなどコミュニケーションを取るように変えていきました。どうしても同期同士で固まり友達語でしか話さなくなってしまうので、社会人として敬語や丁寧に話す事が身につきません。なので、先輩と話す時だけでなく、仕事中に同期で話す時も敬語を使い、自分の事を「俺」ではなく「私」で話すよう指導しました。そうすると、その後に続く言葉が丁寧になるので、そこからスタートさせました。

全社員を巻き込んで高卒社員の育成に取り組みましたが、ちょっと目を離すとすぐ彼らで固まって友達語で話しているので、注意しては元に戻り、注意してはまた戻り・・・を繰り返すので常に気にかけておく必要がありました。そこで、思い切って彼ら3人をそれぞれ別のチームに振り分けたところ、チームで動ので少しずつ改善していきました。

高卒社員の日々の活躍が会社全体の雰囲気をいい方向へ変えていく

アポイント獲得で競い合える環境を提供しました。ただ、彼らで競うのではなく先輩や大卒同期を抜かすように指導していきました。最初は自分たちで競い合っていたのが、1人の高卒社員が月間トップのアポイント数を獲得したり、高卒3人そろって各チームのトップを目指したりと非常にいい雰囲気を作ってくれるようになり活躍するその姿にみんなが刺激を受けるので、先輩たちも積極的に盛り上げていきました。

高卒社員を育てていて、「成功すると嬉しい、成長したい、吸収したい」という意欲がとてもあると感じていたのですが、どうやらその気持ちのぶつけ方が分からなかったようです。苦戦しながらも、頑張れば頑張るほど自分が評価されるのが分かり一生懸命取り組むので、どんどん目標を達成していく良い循環を生み出してくれました。

そうする事で会社からも「それだけ頑張っているなら、社外に出て実際に営業をしてみないか?」という提案がありました。これが入社して1ヶ月半くらいの時です。

大きな誤算ーその① 成長するまでの大きな壁だと想定していた事が実は・・・

営業に行って提案は上手に出来るようになったのですが、お客様とのコミュニケーションで会話が上手く出来ないのが問題でした。そこで私が出した決断は、「思い切って飛び込ませるしかない!」というところに至りました。

しかしここで大きな誤算がありました。

丁寧に話せない事が原因で、「まだまだ営業は難しいかな・・・、上手く行かないだろうな・・・」と思っていたのですが、いざ営業に行ってみると自分が18歳だという事で企業の担当者が、「まだまだ若いのに頑張ってるな」と肯定的に受け止めて下さる事がほとんどでした。話している言葉の綺麗さよりも、その人の熱意の方が勝り相手に伝わるので、粗削りでも意外と上手く行くんだなという事に気づかされました。

そこから次々と契約を決めてくるので、彼らに成功や成果を上げさせる事が会社の目標になって、先輩社員も抜かされないように刺激を受けて彼らの存在にみんなが助けられていました。

大きな誤算ーその② 我々の常識が彼らの常識ではなかった

あまりにも吸収力が良かったのでいろいろと任せてましたが、「お客様がこんな頃を仰ってた。すぐ上司に報告が必要だ!」と思うような「お客様の声」が重要かどうかの判断がつかず、自分で軽く対応してしまいクレームになる事もありました。

彼らからするとただ何が当たり前か分からなかっただけで、私たちの常識と彼らの常識の違いに気づくのが遅れました。しかしこういう事は、私たちの管理の不足や責任です。本人たちは言われた通りの事をして本当に純粋に育っていたので、営業のスキルや戦術だけでなく価値観も育てていく事が大事だと気づいた出来事でした。

議事録で発覚。実は人の話を聞いていない!?

彼らには、人の話を聞いて自分の営業活動に活かすとか、理解して次の行動に繋げる事がありませんでした。入社して半年頃、あまりにも人の話を聞いてない事が目立ったので毎回会議の際は議事録を取らせると、1時間程の会議内容で提出に1日半もかかっていました。

タイピングにれてきたところで録音禁止にすると全く議事録が取れず、結局、録音に頼ってただ文字起こしをしていた事が判明。つまり、会議の内容を聞いていなかったのです。ところが、録音が禁止になると一生懸命会議の内容を聞き、覚えているので次の営業活動に活かすようになりました。それを3ヶ月間続けているうちに、気づけば録音無しでもしっかり議事録が取れていました。

相手の話を聞いて提案が出来たり、課題を見つけたり、持ち帰った内容を的確に上司に報告する事が出来るようになりました。「人の話を聞く事」が彼らが成果を上げれるようになった一番の要因だと思います。営業を始めて一年で営業成績トップになったり主任への昇格など、連続していい成果を出して一人前に成長した事がめちゃくちゃ嬉しかったです。

丸仲さんおススメの高卒社員育成ポイント5つ

①議事録

②社内の高校生同士も敬語

③先輩と出来る限りランチなど行動を一緒にする

④先輩と競える環境、目標となる人物をつくる

⑤TOPを意識させる

【私が思う理想の研修】

①マナー研修

②タイピング

③コミュニケーショントレーニング(二人一組)

高卒社員の指導を通して、マナー研修をしておけば大卒と区別して育てる事はないと感じました。

3年目に期待する事。「チームを持ち、自分で人を動かすようになってほしい。」

メンバーが話す言葉の重みとリーダーの話す言葉の重みの違いを知って欲しいと思います「調子いいね!」の一言でも相手が変われば受け取り方も変わります。メンバー同士では普通のコミュニケーションですが、一方でリーダーとのそれは評価のコミュニケーションに近くなります。自分の置かれている状況やメンバーのモチベーションなど周りとの関係性で、誰にどのタイミングで声をかけるのか、どうやったら人は気持ち良く動いてくれるか。そういったところで苦労すると思います。

しかし、営業でお客様と一生懸命向き合ってきたように、嫌な事があっても逃げないでキレないで、しっかりメンバーと向き合ってもらいたいと心からそう思います。

まとめ

高卒社員の活躍が、会社にもいい影響を与えていきます。高卒社員を育成していく事は、いろいろな不測の事態もありそうですがその分教え甲斐や、高卒社員との時間の共有がお互いの働く意味を再認識するいい機会なのではないでしょうか。

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