「佐賀の高卒少女 “ジブンを愛する人生へ”。苦い転職活動があったからこそ出会えた天職」

「高卒の自分に劣等感がある」
高校卒業と同時に社会に出た。
まわりより早く経験を積んだのに、転職サイトの募集要項に記された「高卒不可」の文字に心が折れる日々。だけど、あきらめなかったからこそ、今の天職に出会えた。
観光施設に特化した人材サービス事業を行う株式会社ダイブで広報を務める原由利香(はら・ゆりか)さんに、お話を伺いました。
広い世界を知ることで、将来アドバイスできるようになりたい

Q高卒で就職した会社について教えてください。
佐賀県の高校を卒業したあと、名古屋へ行き、住み込みの寮がある美容室で見習い美容師として働き始めました。昼間は業務、夜は夜間の学校で学んでいたのですが、業務と勉強をしながらの国家資格取得はけっこう大変で、挫折してしまい…。
もともと私には「いつか東京に行きたい!」という最終目標がありました。高校時代、たくさんのファッション誌を見るくらいにお洋服が好きだったのですが、地元では流行が遅れていてもどかしさを感じていたんです。だから流行の最先端でキラキラしているイメージのある東京にあこがれていて、上京資金として貯めた60万円を持って会社を辞めました。
Q県外の就職を希望したのは美容師にあこがれていたから?
あまりお勉強が好きじゃないうえに、とにかく佐賀から出たいという気持ちが強かったんです。それに進学すると、学費がかかって親に負担をかけてしまう。なので、親に負担をかけずに佐賀から出られる、寮があるところを選びました。
Q当時、まわりは就職と進学、どちらが多かったのでしょうか?
商業高校だったんですけど、専門学校へ進学する子が多かったです。県外で就職しても福岡が多いので、名古屋へ行ったのは私ひとりだけだったんじゃないかな。同級生には「わざわざなんで名古屋に?」って聞かれました。
Qその決断をできた理由をどう考えますか?
私が学生のときは進路相談室に、たくさんの求人票をまとめた分厚いファイルと会社のパンフレットがあって、その中から選ぶという感じだったんです。でも、まず自分が何をしたいかがわからない。どんな仕事があるかもわからない。ただ美容室には定期的に行っていてなんとなくわかるから、美容室かなっていう狭い世界の中で選びました。正直、最初の就職は軽く考えていたかもしれません。いったん就職したら、いろいろ見えてくるものがあるかなって。
Qご家族からの後押しはありましたか?
父親は、私の頑固な性格を知ってるから全然止めようとしませんでした。
母親はすごく反対してましたね。「福岡で美容の専門に通うなりしたらいいじゃない。わざわざ名古屋に行く必要はない」って。
じつは母親は、どこかの企業にしっかり勤めたことがなくて、私が就活で悩んでいるときにも何もわからないんじゃないかって思っていたんです。そのときに、「自分に子どもができて進路相談されたとき、わからないから自分で調べなさいって言いたくない。いろんな世界を知っておいて、その経験を伝えたい」と思ったんです。その気持ちが、就職への後押しにもなったのかもしれません。
30才を前に決断した新しい世界への挑戦

Q上京後はどのようなお仕事をしていたのでしょうか?
最初の転職は、リラクゼーション系のお仕事でした。そこは副業OKだったので、プラスでアパレルの販売員としても働いていました。
だけど、今後のキャリアのためには、どこかで営業を経験したほうが就職の間口が広がるかなと思ったんです。それで営業に挑戦することにしたのですが、自分が好きになれないものは売れないなって。でも人材だったら、これまでの接客経験を生かしながらも営業としての経験値を身につけることができると考え、人材営業にジョブチェンジしました。そこは主にスマートフォンの販売員を紹介する事業所だったんですけど、私自身が携帯に詳しくなくて。ちょっとしんどく感じてきたころ、会社から「新規開拓していいよ」と言われ、ホテル系に新規開拓する仕事をメインとしてやっていました。
Qその後、再度転職を志望した理由はなんでしょう?
30才を前にしたとき、営業だけでずっとやっていけないって思ったんです。どんなにマネージャークラスになっても、そのスキルはどこに生きるんだろうって。高卒の自分には誇れる専門的なスキルがありません。そこでまたジョブチェンジしなきゃなって思ったんです。何をしたいのか、自分の今後のキャリアの中で何が役立つかなと考えて、たどり着いたのが経営企画、人事、広報の3つ。経営企画は、そもそも数字が苦手な未経験を雇ってくれる会社はないなとすぐにあきらめました。人事と広報は本当に悩んだのですが、自分の営業などの経験がより生かせるのは広報かなと思い、志望しました。
Q広報への転職活動はスムーズに進みましたか?
すごく苦戦しました…。広報未経験で、専門学校も卒業していない。当時、IRやPRの資格を持っている人だったら高卒可の求人があったんですけど、私には資格がない。求人サイトで”広報 未経験”で検索すると数百件あった企業が、”高卒 資格なし”など追加して絞り込むと2件しかありませんでした。その現実に、くやしさを感じたことを今でも覚えています。
結局、検索でヒットした2社を受けて、先に内定をいただいた、今勤めているダイブに決めました。
Q高校3年のときとその後の就職活動にちがいはありましたか?
高校新卒の当時は、先生がサポートしてくれてあっという間に決まりました。大変だったことはひとつもないかな。でも転職活動はとっても苦労しました。エージェントに登録していたんですけど、「高卒だとむずかしい」、「29才でそのスキルや経験だと厳しい」ってはっきり言われて、現実を見ましたね。
18才からの経験が生かされる広報業務
Qダイブに入社してからはいかがですか?
ずっと広報の仕事をしているのですが、初めて天職に就けたかなと思っています。広報って取材のうんぬんをとってきたりして大変なことがあるし、目に見えない成果もあります。でも、目に見えない成果が私的にはうれしくって。これまでの接客や営業経験が生かされていて、やりがいがあります。あと、会社について発信すること、代表のかわりに責任を持って話したりすることがあって、大きな仕事をしているなって実感してすごく楽しいです。会社の一員になった気がしますね。
Q18才で社会人になってよかったなぁと思うことは?
弊社のミッションが”一生モノの「あの日」を創り出す”そして、ビジョンが”誰もがジブンの人生を愛せる世界へ”なんですけど、けっこう私にカルチャーフィットしていて。私自身、高卒というところに劣等感を抱いて生きてきました。新しい仕事に飛び込みたくても、高卒で面接を受ける資格がない場合があって、また劣等感を感じたり。だけど今、ダイブに入社してよかったし、ダイブの広報になるために生きてきたんだな、18才から働いてよかったなって思うんです。。人材業界なので、リゾートバイトに行く人と関わることがあるんですけど、自分を変えるためにリゾートバイトに踏み込んで新しい価値観に触れたいって方がいるんです。そういう方たちの声を拾えるのは、18才で何も知らずに就職した私だからできること。何も知らなかったからこそ、いろんな人の価値観がわかります。今、広報として働いてることを考えると、18才で就職して正解だったなって本当に思います。

Qダイブの他社に負けない強みを教えてください。
新卒でも中途でも、やる気がある人が前に出ていく仕組みになっているので、若手社員が活躍できます。もしも方向性がまちがっていても、正しく導いてくれる先輩たちがいます。チャレンジする人をしっかり応援できる環境、支える人たちがいるところが、弊社のいちばんの強みかなと思います。
Q進路について悩む高校生に伝えたいことは?
私が高校生のときは求人票の情報しかありませんでした。今はネットでいくらでも調べられます。だからこそ、嘘の情報や偏った意見に惑わされることがあると思うんです。見れば見るほどわからなくなって、何を軸にしたらいいのか迷子になるだろうけど、とにかく気になる仕事をやっている人に実際にお話を聞いて、真の情報で就職先を決めたほうがいいかなと。いろんな情報に惑わされるのではなく、ひとつの軸を持って就職活動をしてほしいですね。
Q最後に、ダイブでの印象的なエピソードを教えてください。
じつはコロナ禍の2020年からの3年間、ダイブを離れていました。パンデミックで経営が厳しくなったときに希望退職者を募っていて、外に出て広報としての経験値やスキルを積みたいって思ったんです。その間、ちがう会社で広報をさせていただいて、自分なりにいろんなスキルや経験値がついてきたなって思ったときに、元上司から「正式にダイブの広報に戻ってこないか」、「やっぱりダイブの広報は原にやってほしい」って連絡をいただきました。正直、泣きましたね。
また、戻ってきたときには、弊社の人事部から「うちの広報は強い」って言われたんです。
あらためてそういわれると、ここに戻ってこれたこと、また会社のことを発信できることはすごくうれしいです。
18才で社会に飛び込む若者たちは、まわりよりも早く経験を積みながら成長していきます。
そのなかで、学歴だけでは測れない適性や可能性に気づきます。
劣等感があるからこそ、粘り強く努力できる。
そんな未来が楽しみな高校生と出会ってみませんか?
【企業情報】
会社名:株式会社ダイブ
設立:2002年3月
東京証券取引所 グロース市場 上場市場(証券コード:151A)
従業員数:159名 (2025年6月現在)
業種:観光HR事業、地方創生事業など
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