【2026年版】建設業で特定技能外国人を受け入れる方法と要件

建設業界の人手不足は年々深刻化しており、この状況を打開する有効な手段として注目されているのが、特定技能外国人の受け入れです。本記事では、建設分野における特定技能制度の全貌から、具体的な受け入れ手続き、必要な費用まで、企業の採用担当者や建設業者の方々に役立つ実践的な情報を詳しく解説します。制度を正しく理解し、適切に活用することで、人材確保と企業成長の両立を実現しましょう。
目次
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特定技能外国人制度の概要
特定技能制度とは何か?
特定技能制度は、2019年4月に創設された在留資格で、国内の深刻な人手不足に対応するため、一定の専門性と技能を有する外国人労働者を受け入れる仕組みです。この制度は、従来の技能実習制度とは異なり、就労を主目的とした在留資格であり、雇用契約に基づいて即戦力として働くことができます。
対象となる職種は、特定産業分野として定められた16分野です。建設分野、介護分野、宿泊業、農業、漁業、飲食料品製造業、工業製品製造業、外食業、造船・舶用工業、自動車整備業、自動車運送業、鉄道、航空業、ビルクリーニング業、木材産業、林業がそれぞれ含まれます。各分野ごとに受け入れ可能な業務内容や要件が設定されており、それぞれの産業特性に応じた制度設計がなされています。
制度の特徴として、在留期間は特定技能1号で通算5年、特定技能2号では更新制限がないという点が挙げられます。技能検定や各種試験に合格することで資格を取得でき、一般社団法人などの関連機関が試験実施や支援体制の設置に関わっています。この制度を利用することで、企業は安定した人材確保が可能となり、外国人労働者にとっても明確なキャリアパスが示されるというメリットがあります。
特定技能制度が創設された背景
制度創設の経緯としては、2018年に入管法が改正され、新たな在留資格として特定技能が新設されました。政府の方針として、外国人材を「共生社会の一員」として受け入れ、適正な労働環境と生活環境を整備することが明確に示されました。建設分野においては、国土交通省と一般社団法人建設技能人材機構(JAC)が中心となって、受入企業の適正監理や外国人の定着支援を行う体制が構築されています。背景には、技能実習制度だけでは対応できない業界のニーズと、外国人材がより安心して働ける環境を整備するという社会的要請がありました。
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建設分野における特定技能外国人の受け入れ
建設分野の特定技能外国人制度とは
建設分野における特定技能外国人制度は、深刻な人手不足を解消し、建設現場の技能労働力を確保することを目的としています。出入国在留管理庁と国土交通省が共同で管理するこの制度では、一定の技能水準と日本語能力を持つ外国人が、建設現場で即戦力として活躍することが期待されています。
受け入れ対象となる外国人の条件としては、まず18歳以上であることが基本要件です。技能水準については、建設分野特定技能評価試験に合格するか、技能実習2号を修了していることが求められます。日本語能力は、国際交流基金が実施する日本語基本テスト(JFT-Basic)でA2レベル相当以上、または日本語能力試験N4以上が必要です。これらの基礎的な要件を満たすことで、海外からの直接採用も国内での在留資格変更も可能となります。
制度の概要として、建設分野では「建設特定技能受入計画」の認定が必須となっている点が特徴的です。受入企業は、一般社団法人建設技能人材機構(JAC)に正会員として加入し、適正な就労環境の整備と外国人材の保護に関する基準を遵守する必要があります。出入国在留管理庁への申請前に、国土交通省による受入計画の認定を受けることで、建設業界全体として外国人材を適切に受け入れ、定着させる仕組みが構築されています。
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受け入れ可能な職種と業務内容
建設分野で受け入れ可能な職種は、19の作業区分に細かく分類されています。具体的には、型枠施工、左官、コンクリート圧送、トンネル推進工、建設機械施工、土工、屋根ふき、電気通信、鉄筋施工、鉄筋継手、内装仕上げ、表装、とび、建築大工、配管、建築板金、保温保冷、吹付ウレタン断熱、海洋土木工です。それぞれの職種において、従事できる業務内容が明確に定められています。
業務内容の詳細を見ると、例えば型枠施工では、コンクリートを流し込むための型枠の組立てや解体作業を行います。左官では、壁や床などの表面を平らにする作業に従事します。電気通信では、通信設備や配線工事を担当し、とびでは足場の組立てや鉄骨の建方作業を行います。各職種とも、単純な補助作業だけでなく、一定の技能を要する専門的な作業が含まれており、現場での実務経験や技能検定の合格が求められる場合もあります。
需要の高い職種としては、型枠施工、鉄筋施工、とび、建築大工などが挙げられます。これらは建設現場で常に必要とされる基幹的な職種であり、求人数も多い傾向にあります。分野全体として、特定技能外国人は日本人職員と同等の業務に従事し、班長などの指導的立場に就くことも可能です。就労する際には、安全管理や品質管理に関する教育を受け、建設業法や労働安全衛生法などの関係法令を遵守しながら働くことが求められます。サービス業ではなく、実際の建設工事現場で技能を活かして仕事をすることになるため、体力と技術の両面での準備が必要となります。
特定技能1号と2号の違い
特定技能1号の特徴と要件
特定技能1号は、特定産業分野に属する相当程度の知識または経験を必要とする技能を要する業務に従事する外国人向けの在留資格です。建設分野では、前述の19作業区分のいずれかで一定水準以上の技能を有することが求められます。
必要な資格や試験については、建設分野特定技能1号評価試験に合格することが基本です。この試験は学科試験と実技試験で構成され、各職種の専門知識と実務能力が問われます。詳細な試験内容は職種ごとに異なり、一覧として国土交通省やJACのウェブページで確認できます。また、技能実習2号を良好に修了した場合は、試験が免除される区分もあります。日本語能力については、JFT-BasicまたはJLPT N4以上が要件となっており、基本的なコミュニケーション能力を有することが証明されます。
就労可能な業種は建設業に限定されており、建設業の許可を受けた企業でのみ働くことができます。在留期間は1年、6ヶ月、4ヶ月ごとの更新制で、通算5年まで在留が可能です。家族の帯同は認められておらず、あくまで本人のみの就労となります。注意点として、特定技能1号では転職が可能ですが、同一分野内(建設分野内)に限られ、かつJACへの届出や新たな受入計画の認定が必要となります。項目ごとに要件を満たしているか確認し、適切な手続きを踏むことが重要です。能力評価のテストは定期的に実施されており、受験機会は国内外で設けられています。
特定技能2号の特徴と要件
特定技能2号は、特定産業分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する外国人向けの在留資格で、1号よりも高度な技能水準が求められます。建設分野では、2022年8月に特定技能2号の対象に追加され、より長期的なキャリア形成が可能となりました。
求められるスキルや経験については、特定技能1号で一定期間(原則として2年以上)の実務経験を積み、班長として現場をまとめる能力や、若手技能者への指導ができる水準に達していることが条件となります。特定技能2号評価試験に合格することが必要で、この試験では実践的な技能と管理能力が十分に評価されます。対象となる作業区分は1号と同じ19区分ですが、2号では「熟練技能者」としての位置づけとなります。
就労可能な業種の範囲は1号と同様に建設業ですが、2号の大きな特徴は在留期間の更新に制限がなく、事実上の永住が可能となる点です。3年、1年、6ヶ月の期間で更新できます。また、1号では認められなかった家族(配偶者と子)の帯同も可能となり、生活の安定性が大幅に向上します。2つの大きなポイントとして、まず永住許可申請の要件を満たしやすくなること、次に転職の自由度が高まることが挙げられます。左官や型枠施工などの職種で高い技能を持つ外国人にとって、2号への移行は重要なキャリアステップとなります。可能な限り早期に2号を目指すことで、日本での長期的な生活設計が立てやすくなります。時間をかけて技能を磨き、十分な経験を積むことが2号取得への近道です。程度の高い専門性を身につけることで、建設業界でのキャリアアップが実現できます。
特定技能外国人の採用手続き
採用の流れと必要書類
特定技能外国人を採用する際の流れは、大きく分けて6つのステップで構成されます。まず、受入企業がJACの正会員に加入し、建設特定技能受入計画を作成します。次に、国土交通省に受入計画の認定申請を行い、認定を受けます。その後、採用したい外国人と雇用契約を締結し、出入国在留管理庁に在留資格認定証明書または在留資格変更許可の申請を行います。審査を経て許可が下りたら、外国人が入国または在留資格を変更し、実際の就労が開始されます。
必要書類をリスト化すると以下のようになります。受入計画認定申請では、受入計画書、雇用契約書(案)、企業の建設業許可証明書、JAC正会員証明書、受け入れ予定の外国人の技能証明書類(試験合格証明書または技能実習修了証明書)、日本語能力証明書が求められます。在留資格申請では、在留資格認定証明書交付申請書または在留資格変更許可申請書、パスポートと写真、受入計画認定通知書、雇用契約書、支援計画書などが必要です。確認事項として、各書類は最新の様式で作成し、資料に不備がないようチェックすることが重要です。
手続きの期限については、受入計画の認定申請から認定までに通常1〜2ヶ月、在留資格の申請から許可まで1〜3ヶ月程度かかります。以下のスケジュール感を持って準備を進めることが求められます。試験の受験時期や技能実習の修了時期に合わせて、余裕を持った計画を立てましょう。更新手続きについても、在留期限の3ヶ月前から申請可能なため、期限切れにならないよう注意が必要です。証明書類の有効期限にも注意し、記事やページで最新情報を確認しながら手続きを進めることをお勧めします。流れを理解し、新たに発生する要件にも柔軟に対応することが、スムーズな採用につながります。
技能実習生からの移行方法
技能実習生から特定技能1号への移行は、建設分野で最も一般的な受入ルートの一つです。移行の条件として、技能実習2号を良好に修了していることが前提となります。「良好に修了」とは、技能実習計画に定められた技能検定3級またはこれに相当する技能評価試験に合格し、在留期間を満了していることを指します。
手続きの流れとしては、まず技能実習生が修了証明書を取得します。次に、受入企業がJACに加入し、受入計画の認定を受けます。その後、在留資格変更許可申請を出入国在留管理庁に提出します。技能実習2号を修了している場合、建設分野特定技能評価試験が免除されるため、日本語試験のみ合格していれば移行が可能です。在留資格の変更が許可されれば、そのまま同じ企業で働き続けることも、別の建設企業に転職することもできます。
移行における注意点として、いくつか重要なポイントがあります。まず、技能実習と特定技能では在留資格の性質が異なるため、キャリアアップの一環として位置づけることが大切です。人材としての経験を活かし、より高度な業務に従事できるようになります。生活面では、技能実習時代の監理団体のサポートから、登録支援機関または自社での支援に切り替わるため、行っていた支援内容を引き継ぐ必要があります。移行時には、使用する作業区分が技能実習時と同じである必要はなく、ルートとして19区分のいずれかを選択できます。在留期間については、技能実習の期間と特定技能の期間は通算されないため、特定技能1号として新たに最長5年間在留できます。習熟度の高い技能実習生を特定技能に移行させることで、企業は貴重な戦力を確保でき、外国人本人もキャリアアップと収入増加が期待できるという、双方にメリットのある方法と言えます。
特定技能外国人を受け入れる企業の要件
建設業の許可取得について
特定技能外国人を受け入れるには、まず建設業の許可を取得していることが必須要件です。建設業法に基づく許可には、一般建設業許可と特定建設業許可の2種類があり、工事の規模や元請・下請の関係によってどちらが必要かが決まります。一般建設業許可は、1件の工事で下請に出す金額が4,500万円(建築一式工事の場合は7,000万円)未満の場合に必要です。特定建設業許可は、それを超える金額を下請に出す場合に必要となります。
| 許可の種類 | 適用条件 | 下請け契約金額 |
| 一般建設業許可 | 通常の建設工事を行う場合 | • 建築一式工事:7,000万円未満 • その他の工事:4,500万円未満 |
| 特定建設業許可 | 大規模な工事で元請けとなる場合 | • 建築一式工事:7,000万円以上 • その他の工事:4,500万円以上 |
許可取得の手続きとしては、まず事業計画を明確にし、経営業務の管理責任者や専任技術者など、法令で定められた要件を満たす人材を確保します。次に、国土交通大臣許可または都道府県知事許可のいずれかを選択します。複数の都道府県に営業所を設置する場合は国土交通大臣許可、1つの都道府県内のみで営業する場合は知事許可となります。必要書類を整え、許可申請手数料を添えて所管の行政機関に提出します。審査期間は通常1〜3ヶ月程度かかります。
許可の種類と条件について、建設業は土木工事業、建築工事業、大工工事業、左官工事業など29業種に分かれており、実施する工事内容に応じた業種の許可を取得する必要があります。
遵守すべき関係法令
- 建設業法
- 建築基準法
- 労働安全衛生法
- その他関連法令
工事現場での安全管理や品質管理体制の整備も必要です。建設業界全体として、適正な施工体制を確保するため、国土交通省による監督指導が行われています。建設業者としての社会的責任を果たしながら、外国人材を受け入れる体制を整えることが重要です。許可申請の際には、建築物や土木構造物の施工実績を示すことで、技術力と信頼性を証明することができます。締結する契約内容についても、適正な取引関係を維持することが求められます。業界の健全な発展のため、これらの要件をしっかりと満たすことが必要です。
受入計画の認定申請
建設分野における特定技能外国人の受け入れには、「建設特定技能受入計画」の認定が不可欠です。この計画は、外国人材を適正に受け入れ、技能の習得や生活支援を適切に行うための具体的な内容を示すものです。受入計画の重要性は、建設業界全体の信頼性を維持し、外国人が安心して働ける環境を整備することにあります。
申請手続きの流れとしては、まずJACの正会員に入会する必要があります。入会には、建設業許可を有していること、社会保険や労働保険に適正に加入していること、過去5年間に法令違反がないことなどの条件があります。正会員になった後、受入計画を作成し、国土交通省に認定申請を行います。申請書類には、受入れ予定の外国人の氏名、職種、雇用期間、報酬額、教育訓練計画、住居の確保方法などを詳細に記載します。
必要書類
- 受入計画認定申請書
- 雇用契約書または雇用契約書案
- JAC正会員証明書
- 建設業許可証明書のコピー
- 受け入れ予定の外国人の技能証明書(試験合格証明書または技能実習修了証明書)
- 日本語能力証明書
- 登録支援機関との支援委託契約書(自社支援でない場合)などです。
紹介を受けて採用する場合は、職業紹介事業者の許可証も必要となります。合格した試験の正式名称や受験日、受験番号などの詳細情報も記載します。
認定のプロセスでは、国土交通省が計画内容の適正性を審査し、通常1〜2ヶ月で認定または不認定の通知が届きます。適正と判断されれば認定通知書が交付され、これをもって出入国在留管理庁への在留資格申請に進むことができます。審査では、報酬が日本人と同等以上であるか、住居が適切に確保されているか、教育訓練が計画的に実施されるかなどが確認されます。提出書類に不備があると審査が遅れるため、事前に十分なチェックを行うことが重要です。監理体制が整っているかも重要な審査ポイントとなります。
特定技能外国人の支援と教育
支援計画の作成と義務的支援
特定技能1号の外国人を受け入れる企業には、「1号特定技能外国人支援計画」の作成と実施が義務付けられています。支援計画は、外国人が日本で安定した生活を送り、円滑に業務を遂行できるよう、具体的な支援内容を記載した計画書です。
計画書の内容
- 入国前の事前ガイダンス
- 住居の確保支援
- 銀行口座開設や携帯電話契約の同行
- 生活オリエンテーション
- 日本語学習の機会提供
- 相談・苦情対応
- 日本人との交流促進
- 転職支援
- 定期的な面談などが含まれます。
支援の内容を明確にするため、それぞれの項目について具体的な実施方法を記載する必要があります。例えば、住居の確保については、会社が社宅を設備として提供するのか、不動産業者と連携して物件を紹介するのか、初期費用の支援を行うのかなどを明示します。日本語学習については、週何回、何時間の講習を予定しているか、オンライン教材を活用するか、外部の日本語学校と提携するかなどを説明します。準備段階から詳細な計画を作成することで、実際の支援がスムーズに進みます。
支援の進捗を定期的に確認することも重要な義務です。3ヶ月に1回以上の定期面談を実施し、外国人の生活状況や職場での悩みを把握します。問題があれば迅速に対応し、必要に応じて計画を見直します。サポート体制として、日本語と母国語の両方で対応できる担当者を配置することが望ましいとされています。指導者を育成し、外国人が相談しやすい環境を整えることで、定着率の向上にもつながります。予定通りに支援が実施されているか、出入国在留管理庁への定期報告も必要です。解説資料を活用しながら、適切な支援を継続することが、企業の信頼性を高め、外国人材の育成促進にもつながります。作成した支援計画は、対応の基準となるため、実態に即した内容にすることが肝要です。
日本語教育と技能教育の重要性
日本語教育は、特定技能外国人が建設現場で安全に、効率的に働くために不可欠です。建設業では、作業指示の理解、安全確認の徹底、図面の読み取り、報告・連絡・相談など、日常的に日本語でのコミュニケーションが求められます。言語スキルの向上を重視し、入国前から継続的な日本語学習の機会を提供することが重要です。
実務に直結する日本語教育として、建設業界特有の専門用語や安全に関する指示を中心とした教育プログラムを実施すると効果的です。「足場を組む」「型枠を外す」「墨出しをする」といった現場用語、「危険」「立入禁止」「高所作業」などの安全関連用語を重点的に学習させます。また、日本人職員との円滑なコミュニケーションのため、敬語や報告の仕方なども指導します。日本語能力試験N3やN2レベルを目指すよう奨励し、資格取得を支援することで、外国人のモチベーション向上にもつながります。
技能教育については、現場での実践を重視した教育を行うことが大切です。座学だけでなく、OJT(On-the-Job Training)を通じて、実際の作業を見せながら技術を習得させます。同等の技能を持つ日本人職員と協働させることで、技術の伝承がスムーズに進みます。重要なポイントとして、安全教育を徹底し、労働災害の防止を最優先することが挙げられます。建設現場では重大な事故につながるリスクがあるため、安全靴やヘルメットの着用、高所作業時の安全帯の使用など、基本的な安全ルールを繰り返し指導します。
多くの建設企業では、外国人向けの教育プログラムを定期的に見直し、実際の作業内容や安全基準の変更に対応しています。現在の技術革新に伴い、ICT機器の使用方法やドローンを活用した測量など、新しい技術に関する教育も取り入れられています。日本人職員と同じレベルの技能を身につけることで、外国人材は重要な戦力となり、キャリアアップの機会も広がります。講習の実施記録を残し、教育の効果を測定することで、PDCAサイクルを回し、継続的な改善を図ることができます。電気通信工事などの専門分野では、資格取得のための支援も行うことで、より高度な技能を持つ労働力を育成できます。
特定技能外国人の採用によるメリット・デメリット
採用のメリット
特定技能外国人を採用することで、建設企業は多様なスキルを持つ人材を獲得できます。特に技能実習を修了した外国人は、すでに一定の実務経験を持っており、即戦力として期待できます。実施する工事の品質向上や工期の短縮にもつながり、企業の競争力強化に貢献します。
人手不足の解消は、建設業界にとって最も大きなメリットです。若年労働者の確保が困難な中、特定技能外国人は貴重な労働力となります。採用により、工事の受注機会を逃さず、事業の継続性を確保できます。会社として安定した経営基盤を維持するためにも、外国人材の活用は有効な戦略です。雇用の選択肢が広がることで、繁忙期の人員調整もしやすくなります。
国際的な視点の導入も見逃せないメリットです。異なる文化や働き方を持つ外国人との協働により、日本人職員の意識改革や職場環境の改善が促進されることがあります。加入する業界団体や協議会を通じて、他社の成功事例を学び、自社の受け入れ体制を向上させることもできます。利用可能な支援制度や補助金を活用することで、採用コストを抑えることも可能です。団体としてのネットワークを活かし、優秀な人材の紹介を受けることもできます。
受け入れ時の課題とデメリット
言語の壁は、特定技能外国人を受け入れる際の最大の課題です。
日本語能力試験N4レベルでは、複雑な指示や技術的な説明を完全に理解することが難しい場合があります。受け入れ企業側も、分かりやすい日本語で説明する工夫や、図や写真を使った視覚的な伝達方法を取り入れる必要があります。コミュニケーション不足が原因で作業ミスや安全事故が発生するリスクもあるため、十分な配慮が求められます。
文化の違いからくる誤解や摩擦も深刻な問題です。仕事に対する考え方、時間の概念、上下関係の捉え方などが日本とは異なる場合があり、これが職場での摩擦を生むことがあります。受け入れる企業は、外国人の文化的背景を理解し、互いに尊重し合える職場環境を整備することが重要です。案内資料を多言語で用意したり、文化的な違いについての研修を実施したりすることで、問題を未然に防ぐことができます。
法的手続きの複雑さもデメリットの一つです。受入計画の認定申請、在留資格の申請、定期的な報告など、多くの書類作成と手続きが必要となります。変更が生じた場合の届出も義務付けられており、担当者の負担は小さくありません。受け入れ体制を十分に整備しないまま採用を進めると、法令違反のリスクもあります。理解不足による手続きミスが、外国人本人の在留資格に影響を与える可能性もあるため、専門家のサポートを受けることが推奨されます。
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まとめ
特定技能外国人の建設分野への受け入れは、深刻な人手不足を解消し、業界の持続的発展を支える重要な施策です。本記事では、制度の概要から具体的な受け入れ手続き、企業要件、支援体制、費用まで、包括的に解説してきました。
重要なポイントをまとめると、まず建設業の許可とJACへの正会員加入が必須であること、受入計画の認定を国土交通省から受ける必要があること、義務的支援を確実に実施する体制が求められることです。費用面では、初年度に500〜800万円程度、2年目以降は年間300〜500万円程度の投資が必要ですが、これは人材不足解消と企業成長のための戦略的投資と位置づけるべきです。
特定技能外国人の採用を検討している建設企業の方は、まずJACへの加入手続きから始めましょう。並行して、社内の受入体制を整備し、日本人職員への教育も実施してください。登録支援機関や行政書士などの専門家に相談することで、手続きをスムーズに進めることができます。
2026年現在、建設分野では特定技能2号も本格的に運用されており、外国人材が長期的なキャリアを築ける環境が整っています。制度を正しく理解し、適切に活用することで、企業の競争力強化と外国人材の成長支援の両立が実現できます。今こそ、特定技能制度を活用した人材戦略を構築し、持続可能な企業経営を目指す時です。
