「高卒」からの下剋上!30歳で関東を統括するマネージャーになったサクセスストーリー【高卒社会人のリアルキャリア 】 | 記事一覧 | 高卒採用Lab 高校生採用を科学する

「高卒」からの下剋上!30歳で関東を統括するマネージャーになったサクセスストーリー【高卒社会人のリアルキャリア 】

「高卒で就職するのって、やっぱり不利ですかね……?」

進路相談で高校生から出るこの質問。大学進学が当たり前だと思っている人もいるかもしれません。
しかし、高校卒業後すぐに社会に出てチャンスをつかみ、今では関東の店舗をまとめるスゴ腕マネージャーとして活躍している人がいます。

今回お話を聞いたのは、飲食業界で20代にしてエリアマネージャーに大抜擢され、今では30以上店舗がある関東エリアを率いる、店舗運営本部 エリアマネージャーの松井拓也(まつい たくや)さん(31歳)。

「食べたこともあるし、ここでいっか!ダメなら転職すればいい」
そんな気持ちで始まった社会人生活は、想像以上に刺激的でリアル。そして希望に満ちあふれていました。

「高校を出てすぐ働くのも、意外と悪くないかも」
この記事を読み終わる頃には、きっとそう思えるはずです!

松井さんのキャリア年表

高校卒業後、なんとなく始まった社会人生活

「飲食店には興味あったし、先輩が働いている会社でした。家からも近いし、まあ、いっかくらいの気持ちだったんです。」

そう笑う松井さんは、全国に100店舗以上を展開する人気飲食チェーン「どうとんぼり神座」の関東エリアマネージャー。お店の売り上げを伸ばしたり、出店計画を立てたり、スタッフの育成をしたり……忙しい日々を送っています。

そんな松井さんの社会人デビューは、意外にもアッサリとしたものでした。

奈良県の定時制高校に通い、周りの友達もほとんどが就職希望という環境。高校3年生のとき、教室に置かれた求人票の中でも目に留まったのが今の会社でした。

「あまり進学は考えていなくて、早く社会に出て裕福な暮らしがしたいと思っていたんですよ。」

創業者が同じ学校出身ということもあり、他の会社は一切見ずに即決!そのまま採用が決まりました。

「正直、周りからは『飲食はやめとけ!』のような意見はありましたね。でもダメなら転職すればいいと思って、面接もここしか受けていません。」

入社後は、想像以上の激務が待っていました。

フードコートに入っている店舗に配属された松井さん。

朝7時にはお店に出勤して、オープンの準備。

オープン後は、料理を作ったり、お客様の注文を取ったり、お店を走り回る毎日でした。閉店後も、お店の掃除や片付け、翌日の準備。

「毎日10時にお店が閉まって、11時くらいまで働いていました。超ハードでしたよ!」

毎月の昇格式。月に一度の昇格試験に向けて、覚えることは山ほどあったそうです。

「最初の1年は、お店のオペレーションをこなせるように、とにかく必死でしたね。お店には1時間に200人くらいお客様がくるときもあるんですが、ずっとスープを一定の味で提供するという試験があるんですよ。」

 

軽い気持ちで選んだ就職先。しかし、そこからの毎日は、全力で仕事に食らいついていく日々でした。

その甲斐もあり、松井さんは入社して3ヶ月でどうとんぼり神座で1人前と言われる「スープソムリエ」を習得し、わずか1年で店長の2番手であるグリーンのネクタイに出世しました。

ネクタイの色は役職を表し、ブルーからスタート、イエロー、グリーン、オレンジへとステップアップしていきます。

松井さんの快進撃は始まったばかりです。

高卒採用を強化された背景を教えてください。

事業拡大、店舗数を増やしていくための人員の強化です。
なので「補充」ではなく、全体の採用を増やすために高卒採用も強化するように2023年卒の採用から強化しました。
ジョブドラフトには、採用エリアを関東に向けて広げたいと考え契約しました。

高卒採用での人数はどれくらいでしょうか。

新卒のうち全体の30%を占めています。
高卒も大卒も分け隔てなく、「新卒」と捉えて育成しています。

入社2年目で店長に!年上スタッフとの絆を深めた20代前半

「20歳でいきなり店長を任されたんです。でも、最初は本当に大変でしたね。やっぱり若いのでいろいろ言われることも多くて……。」

店長に就任したのは、入社して2年目の秋。普通なら、もっと経験を積んだベテランが任されるポジションです。まさかの大抜擢に、松井さん自身もラッキーだったとはにかんだ笑顔を見せました。

当時のお店では、アルバイトを含めて約20人のスタッフが働いていました。主婦や中年の男性など年上のスタッフも多く、不満の声も上がっていたそうです。

「『どうせ上司に気に入られただけでしょ?』とか『あまり調子に乗らないで』とかいろんな意見がありました。」

尖っていた時期もあり、反発されることもあったそうです。

しかし、松井さんが取った行動は……

「まずは、人の話を聞こう!って思ったんです。自分は正しいと思っていても、相手には相手の考えがある。まずは、従業員の声に耳を傾けようと心に決めました。」

それからは、どんな小さな意見にも耳を傾け、スタッフと真剣に向き合うように心掛けました。松井さんの努力が実を結び、少しずつスタッフとの間に信頼関係が生まれていったのです。

その後、3年目になった松井さんはフードコート以外の重要なお店の店長に任命されます。奈良の郊外の中でも大きい店舗、責任重大なポジションでした。

3〜4年間で店長として順調にキャリアを積み、5年目で関東にきます。

松井さんは新店の店長をやりなさい、と指名を受けました。

会社の「育成拠点」とも言える新店舗。新しく入社した中途社員の育成を担う、ハードな仕事でしたが、これが転機になったそうです。

「そこを任せてもらえると、次の役職もついてきます。『自分で次のステップにいきなさい』、と言われているような気がしました。」

この時、24才。同年代の友達は大学を卒業して、まだスタートラインに立った頃です。松井さんはすでに、「人を育てる」という重要な役割を担うようになっていたのです。

「大手に入る同年代に対して対抗心はありましたね。高卒でどこで戦おうかなと思ったときに、僕は年収を上げたいと思いました。頑張ってきたので、入社5年目で月給が10万円くらい上がりましたね。」

「大学に行かないと……という風潮はあると思いますが、僕はその4年間で社会人経験を積み、多くの人と関わってきました。若いがゆえに体力もある。まっさらな気持ちで入社して、頑張れば頑張った分結果につながるのが嬉しかったですね。」

コロナ禍の逆境を乗り越え、チャンスを掴んだ後半戦

順風満帆に見えた松井さんのキャリア。しかし、2020年、世界中を襲った新型コロナウイルスの影響で状況は一変します。

「関東の店舗はやはり売り上げで苦戦しました。複数店舗を見ていましたが、お店を続けるために、人件費や減価をギリギリまで抑える必要があって、数字に向き合うきっかけにもなりましたね。」

お店を管理するだけでなく、会社全体の経営状況も考えなければならない状況です。

「他の会社に行こうかなとは思わなかったですね。コロナが明けけたら、お店の売り上げは戻ると信じていました。僕は商品の強みを理解していて、絶対の自信があったんですよ。その日が来たときに今まで積み上げてきたものをどう活かせるか。そんな思いで、毎日を過ごしていました。」

努力が実を結び、次に松井さんは新店舗の立ち上げを任されることになります。そして、見事に成功させ、ついに20代で関西のエリアマネージャーに昇格することになりました!

「大抜擢でした。正直、勢いはあるなって感じています。」
「中途キャリアで入ってきた方もいますし、スピードについていくのに必死なときもあります。でも会社のことを振り返ると、大きくなったなって思うんですよね。
『ここに入ってよかったな』って実感する瞬間も増えてきました。 やりがいやワクワク感を持ちながら働けてるんですよ。」

高卒だからこそできることがある

「高卒ってだけで、バカにされたり、悔しい思いしたりすることもありました。でも、早く社会に出た分、年上の人に可愛がってもらえますし、経験を積むチャンスもたくさんあると思います!」

大学生の友人が勉強している4年間、松井さんは現場で揉まれ、任され、失敗し、そして多くの成功をおさめてきました。だからこそ、20代という若さで、成長戦略の責任を担うポジションまで駆け上がることができたのです。

モチベーションの源について松井さんはこう話してくれました。

「会社がどんどん成長していく姿を見ると、すごく嬉しいですね。昔はあまり知られていなかった『どうとんぼり神座(かむくら)』が、今では多くの人に知られるようになって、そこで働いていることにも誇りを持っています。」

「それ以上に嬉しいのが、仲間たちの成長です。後輩が店長になったり、マネージャーに昇進したり……そんな姿を見ていると、チーム全体で成長してるんだなって実感します。『自分がやってきたことは、ちゃんと会社の力になってる』って思えるし、もっと会社を大きくしていきたいですね。」

さらに松井さんの原動力のひとつには、家庭の事情もありました。幼少期に経済的に苦労した経験があり「妹だけには自分と同じ苦労をさせたくない」という強い思いがあるそうです。

「お金、大好きです(笑)ちゃんと頑張れば結果として返ってきますし、数字は嘘をつかないですからね。もちろん自分の生活をもっと豊かにしたいと思っています。」

「そしてコロナのときに苦しかった経験も大きいですね。売り上げがないとみんなを幸せにできないと実感しました。」

現在の年収は、高卒で入社した時の3倍以上に跳ね上がりました。

「今の目標は、30代のうちに年収1,000万円を突破すること!そして、もっと上のポジションである『VP(バイスプレジデント)』になることです。」

最後に、進路に悩む高校生たちへ熱いメッセージを送ってくれました。

「高校三年生は進学と就職で悩む時期だと思います。 僕は高校卒業後すぐに就職して、もちろん不安はあったけど、全然後悔はしていません。早く社会に出たからこそいろんな経験ができたし、もしその後転職するにしても、選択肢って意外と広いんですよ。」
 

「高校生だからこその勢いや素直さは社会に出たときに必ず強みになります。悩んでるなら、ぜひ『神座』に来てください。若くてやる気のある人が活躍できる場所が、ここにはありますから!

まとめ

松井さんは「高卒新卒」という選択から、自分の道を切り拓きました。
その背中を後押ししたのは、年齢や学歴に関係なく、挑戦する人を受け入れる企業です。
若者の可能性を信じ育てる企業の姿勢が、日本の未来を少しずつ変えていくでしょう。

企業情報
企業名:株式会社どうとんぼり神座
従業員数:2500名(アルバイト・パート含む)
業種:小売業(外食)
募集職種:調理・接客
人事実働人員:5名
高卒採用歴:6年目(21卒~)
これまでの採用実績:24卒・27名(高卒)

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