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運送業界における高卒新卒採用の可能性〜組織の働き方改革にも〜【高卒成功事例】

運送業界における人材採用・育成と働き方改革の取り組みについてお話を伺いました。

採用戦略が中途採用中心から新卒採用へ移行し、特に高卒採用に注力している背景、運送業界の今後に迫ります。

高卒採用のきっかけ「会社全体の若返りを図たい」

高卒採用以外の採用はされていましたか?

大卒新卒の採用はしてないです。高卒採用もしくは中途採用ですね。
高卒採用は今年が初めてで、それまでは中途採用だけを行っていました。

なぜ高卒採用を始められたのですか?

私が入社した時は同年代の20代の方が多かったです。
運送業のため免許の兼ね合いでずっと中途採用をしてきました。会社の年月とともに会社全体の年齢層が40代とだんだん上がって来ていました。長距離運転となると体力もいりますから、将来を担ってもらう人材の育成と会社全体の若返りも図って高卒採用を始めました。

他の採用方法も検討されていたと思うのですが、なぜ高卒採用に注力されたのですか?

大卒の合同企業説明会に参加したこともあるのですが、肉体労働の仕事なので正直人気がなかったです。1日机を並べて座っているだけで終わってしまいました。私たちの会社は高卒の社員が多いこともあり、高卒の方も変なコンプレックスを感じなくて済むと思い、思い切って高卒採用に力を入れました。

ジョブドラフト参加のきっかけ

ジンジブと契約しようと思ったタイミングはいつ?

2022年の秋から高卒採用を始めて、練習として求人票を出してみたのですが、もうすでに高校の就活が始まっている時期でしたので、当然ながら初動は動けませんでした。

そこから、銀行の紹介でジンジブさんを知って相談するようになり、翌年の2月に開催された「先生Fes」に参加することになりました。

最初に参加した時は、何を準備したらいいかや何を説明していいかわからなかったのですが、直接高校生の方と会って、「こんな大人向けの説明でつまらないじゃだめだよね」と気づき、高校生には一気にフランクに話すようになりました。

紙芝居やクイズが印象的でした。他に変更した点はありますか?

そうですね。
最初のころはiPadに画像を映し出して説明していたのですが、全然ピンとこないなと思って。他にも、飲み物を配って、配布資料なんかも持って帰ってもらうために大きめの袋を用意しておきました。

高卒採用での具体的な取り組み

他にどのような高卒採用の取り組みをされていましたか?

早く届けた方が先生の印象にも残ると思い、7月1日に受理される求人票をハローワークから受け取ってすぐに配送できるように、配布準備を万端にしました。高卒用のパンフレットの会社案内と求人票をセットにして、社員で手分けをして、全営業所の近隣の学校300校くらいに速攻で送りました。7月4日~5日ぐらいには出したと思います。

すぐに反応があったわけではないのですが、少し時間がたって、職場見学の問い合わせがすこしずつ入って来ました。

早く高校に到着することで、目にも止まりやすかったと思います。

営業所がたくさんあると思うのですが、その付近の学校は全て訪問されましたか?

そうですね。ある程度の高校は回りました。

でも私たちは有名企業ではありません。私もそうだったのですが高校生は近くの企業に就職したいと考えるのではと思い、近隣の学校にだけ配るようにしました。また、去年は訪問したところからは採用できず、私や所長が訪問していき採用につなげていきたいです。

職場見学はたくさんいらっしゃいましたか?

今年は人数を揃えてやった方が面白いと思うので日付を決めて、この倉庫見学を行えるようにして、採用につなげていきたいです。

組織の働き方改革推進のきっかけは高卒採用に!

先輩たちに導入研修があると聞いたのですが、ご様子はいかがですか?

若い子たちを育てたいという気持ちがあっても、不愛想にしてしまったりしないか心配していたのですが、思いのほか楽しそうにしています。

高卒を受け入れるためにされた取り組みはありますか?

特に変わったことは行いませんでした。

もちろん意識したいねという話はたくさんございましたが、一番は社長から「これからの子たちなんだからできなくて当たり前なんだ、何も知らなくて当たり前なんだ。きつく育てるんじゃなくて今の子たちは甘いと思うぐらいでちょうどいい。」と営業所の責任者のみんなの前ではっきり言ってくれたのが効果があったと思います。

また、今までは技術面を教えることはあっても、社会人としての一から教育はしたことがなかったので、そこは懸念点としてあったため、「ルーキーズクラブ」を利用したり、本社で1週間の研修を行いました。

働き方改革を推進していくという考えと若年層を受け入れていきたいという考えに関連性はありますか?

「2024年問題」が話題でしたが、当社ではいち早く働き方改革に取り組みました。運送業なので、もともとは皆さんが思ってる通りの残業が多くて、100時間や下手すれば200時間超えとかざらだったんですよ。でも、残業を減らすにも今の人数では難しいとなりましたし、今の若い人たちは残業の多い会社は嫌がるっていうところも頭にはありました。
若い人たちにも魅力的な職場に思ってもらえるように働き方改革を推進していくという動きが始まりました。

残業が減れば所得が減ってしまうと聞くのですがそちらは問題なかったですか?

今まではみなし残業手当や固定残業代をドライバーには70時間つけていました。

でも、「何となく70時間やらなきゃな」っていうイメージになってしまっていたので、みなし残業を50時間にしました。これによって、残業させないともったいないという感覚がなくなり、50時間を超えないように努力して、無駄な残業を減らすようにもなりました。

自分は仕事が終わったけどみんな終わってないから帰れないとかそういうのは一切ないんです。そういう体制を作れるようになってきたので実際に高校生たちが入ってきても、時間通りに帰れています。

他に改革したことはありますか?

荷物の値上げ交渉を頑張ったとかもあるんでしょうけど、

残業しなくてよくなったので、みんな早く帰りたい意識に変わって、作業効率も上がったと思います。

高卒採用を実施してよかったこと「高卒採用をきっかけに会社の発信と魅力づけに」

高卒採用を実施してよかったですか?

高卒採用を実施することにより全体の採用力アップと会社の魅力づけに繋がりました。

実はTikTokの運用も始めたんです。営業所ごとに発信をお願いしています。高卒採用に限らず全体の若手採用につながりますし、若い人に目を向けてもらうにはどうしたらいいんだろうと会社全体が若い人の視点を考えるようになったんですよ。色々なアイデアで投稿をしていて仕事や社風が伝わると思います。それによって現場の子たちも採用の難しさを知ってくれましたし、既存社員が若い子たちをフォローをする意識も高まって、退職も減りそうな気がしています。

もし他の運送業で高卒採用を始められる企業さんがいるとしたらどういうところをアドバイスしますか?

変に着飾ったりとか、隠したりして良い風にアピールするより、正直に話し、正直に感じてもらうことが大切だと思います。

その方が相手の心にも残りやすいし、信用もしてもらえると思います。だから、正直に話しても恥ずかしくないような会社になるように取り組んでいくことが重要だと思います。そして、自分たち従業員が高校生に対して、「本当にうちの会社に来た方がいいよ」と思って採用活動を進めていけるような状態にしていくことこそが大切なんじゃないかなと思います。

今後の展望「まずは仕事を知ってもらうことから」

これからの運送業の未来は?

肉体労働の業界はやっぱりこれから先どんどん厳しくなると思います。特にドライバーが不足という話がたくさん出ているので不足はするんですけど絶対なくならない仕事だと思います。そう考えると必要な仕事なんですけどやりたがらない。

わかりますけど若い頃はホワイトカラーの仕事をやりたい人が多いと思います。でも、毎日のご飯だってやっぱ運送会社さんがいないと手に入らないので、こういう仕事をものすごくプロフェッショナルにしてくださっている方がいるっていうことと、社会貢献が何かつながる瞬間って絶対あると思うんです。

若い人たちは、ゲームの仕事がしたいとか考えちゃいますよね。でもそれって「知らない」っていうところが結構大きいのかなと思っています。でも、こうやって発信していただけることで、その仕事はこんな風にやってるんだっていう発見があるとより若い子は柔軟ですから興味持ってくれる人は、何人かは出てくるんじゃないかなっていう気はしますね。

言ってみたらこの仕事も自分の体を使ったゲームだと捉えることもできますからね。

まとめ

人手不足が続く中、運送業界では若手人材の採用と定着が企業の力になるでしょう。同社の取り組みは、業界に関わらず、人手不足の課題を抱える企業の参考になる点が多々あるのではないでしょうか。

早めの動き出しと戦略的な採用活動、そして若手社員が定着しやすい職場環境の整備が、今後の企業成長において鍵を握ることでしょう。

企業名:株式会社多摩流通
従業員数:559名(令和6年3月時点)
業種:運送業
募集職種:配送助手、フォークリフトオペレーター、倉庫スタッフ、事務職
高卒採用歴:2年
これまでの採用実績:6名

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