【採用担当者必見】大卒新卒採用の内定辞退を防止する4つの方法について解説
新卒の内定辞退は、会社説明会や面談といった採用活動が必要となるため、企業にとって大きな負担になります。
また、内定辞退者に粘り強く交渉することは、学生の希望に反することであり、ストレスを与え、トラブルの原因となる場合があります。
そこで、内定辞退が起こらないように、対策を講じることが必要です。
本記事では、内定辞退が起こる理由を解説し、内定辞退を防止するための方法を紹介します。
また、内定辞退が発生した場合のトラブルを防ぐための対応策についても詳しく解説したので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
内定辞退はいつまでに発生するのか?
学生が内定辞退するタイミングは、主に次の3つに分類できます。
1つ目のタイミングは、企業側が内定通知書を送付し、学生側が内定承諾書を提出する前の期間です。
この時期に他社から内定を受けている場合、学生は内定辞退をすることがあります。
2つ目のタイミングは、内定式前です。
学生は内定の意思を確認していますが、他の企業から遅れて内定の連絡がある場合や、就職活動と並行して公務員試験や大学院入試に挑戦している場合、結果によっては内定辞退をすることがあります。
3つ目は、入社前までのタイミングです。
内定者に10月初旬の内定式に出席してもらい、企業側は新卒人材を確保できたと安心するでしょう。
しかし、会社説明会や採用面接で感じ取っていた企業のイメージと内定式で感じたイメージに大きな差があると、「思っていた会社ではない」という理由から内定辞退をする学生が一定数います。
承諾後に内定辞退をするのは法律的に大丈夫か?
内定承諾書を提出した後に、内定辞退することが法律的に問題ないかという疑問があります。
結論から言えば、法律的に問題ありません。
民法627条では、労働契約の解約権が定められており、「労働者は14日以上前に告知すれば、理由の如何を問わず自由に解約できる」と規定されています。
そのため、内定承諾書を提出した学生にも同様に適用され、一定の制約のもと内定辞退が可能です。
企業側には内定辞退の拒否権はありません。
一部の採用担当者が、内定辞退を取り消すように粘り強く交渉することがありますが、これはトラブルの原因になりかねません。
もしもトラブルに発展すると、学生は学校の就職指導者に相談したり、SNSで交渉内容を公開される可能性があります。
結果として、企業のイメージが低下する恐れがあるため、採用する企業は注意が必要です。
内定辞退が起きる5つの理由とは?
企業にとって、新卒採用の場合、採用プロセスには多くの人的、時間的リソースが必要なため、内定辞退は大きな負担となります。
内定辞退があると、もう一度会社説明会を開催したり、面接日程の調整が必要になったりと追加の採用コストが発生する可能性があります。
内定辞退が起こる理由を把握し、その対策を行うことで内定辞退者を減らすことが可能です。
ここでは内定辞退が起きる理由を5つ解説します。
内定辞退が起きる理由その1:条件のミスマッチ
1つ目の理由は、学生が求めている条件と合わないことです。
学生は就職活動中に仕事内容や社風、待遇などのさまざまな条件を複数の企業と比較するでしょう。
会社説明会や募集要項を確認している時点では、学生は興味を持ってエントリーし、面接に進みます。
内定通知書をもらった学生の中にも、より詳細に条件を確認すると自身の希望と合わないと感じることがあります。
特に、雇用条件や社風に関するミスマッチが内定辞退の大きな原因です。
例えば、ワークライフバランスを重視している学生が、成長志向の強い企業から内定を受けた場合、内定辞退することがあります。
このように、学生の求める働き方や雇用条件が企業と合わない場合は、内定辞退に至ることがあります。
内定辞退が起きる理由その2:他の企業よりも低い志望順位
2つ目の理由は、自社が学生の第一志望でないことです。
企業側が学生を比較して採用するのと同じように、学生側も複数の企業から入社する1社を選びます。
大学生の就職活動では複数の企業に応募し、同時に進めていくことが一般的です。
ほとんどの学生は、第一志望の企業から内定を受けた場合には、就職活動を終了する傾向にあります。
しかし、学生が第一志望ではない企業から内定を受け取った場合には、その企業を滑り止めとしてキープし、第一志望の企業からの結果がでるまで就職活動を継続します。
そのため、第一志望の企業から内定を受けた場合、内定辞退が起こるでしょう。
内定辞退が起きる理由その3:内定前後での印象の変化
3つ目の理由は、内定前後で企業の印象が変化することです。
会社説明会や相談会、初回の面談などは採用担当者が中心に行います。
採用担当者は学生とのコミュニケーションに慣れており、採用期間中は丁寧に対応するため、応募してくれた学生に好印象を与えやすい傾向にあります。
しかし、その後の最終面談や内定後のイベントに対応してくれる社員の印象が悪いと、採用担当者とのギャップから内定辞退をしてしまう方もいます。
これから一緒に働いていく社員の対応が悪ければ、「この企業に入社して大丈夫だろうか」と不安に思うでしょう。
内定が決まる前に好印象であればあるほど、ショックは大きくなってしまうこともあります。
内定辞退が起きる理由その4:内定後のフォロー不足
4つ目の理由は、内定後のフォロー不足です。
内定承諾書を提出してもらってから、内定式や入社まで時間が経過します。
内定を出した学生は、社会人経験がなく、働くことに対して漠然とした不安を持つでしょう。
学生が抱える不安を放置しておくと、内定辞退や入社後の早期退職につながる可能性があります。
内定後のフォロー不足は、内定者へ悪い印象を与えてしまい、就職活動を再開されてしまうリスクがあります。
内定者同士の顔合わせや入社前研修、会社のイベントへの招待など内定通知後も定期的にコミュニケーションをとることが重要です。
そのため、入社までの期間も含めて、内定者の不安を解消するフォロー体制を整えることが必要です。
内定辞退が起きる理由その5:大学新卒で内定から内定承諾後までの猶予が長期
5つ目の理由は、内定承諾書の提出期日が長すぎることです。
内定した学生に内定通知書を送り、学生側から内定承諾書をもらうことで、内定が確定します。
提出猶予が長すぎる場合、学生は滑り止めとしてキープしながら、他の企業にも応募してしまう可能性があります。
一般的に内定承諾書の提出猶予は1週間から1ヶ月ほどで設定することが多く、2週間程度にするのが無難です。
もし学生から内定承諾書の提出期限を延ばしてほしいと相談された場合は、理由を聞き、適切に対応することが大切です。
内定辞退を防ぐ4つの方法とは?
内定辞退が起こる理由を理解した後は、内定辞退を防ぐ方法を確認しましょう。
方法は次の4つです。
- 内定後に社内見学の時間を設ける
- 真摯に面接を行う
- SNSやWeb会議などを活用して内定後のフォローを適度に行う
- 内定者へのイベントで入社後のイメージを鮮明にする
内定辞退を防ぐためには、内定者の立場に立って細かな配慮を行い、内定者の不安を解消することが大切です。
方法その1:内定後に社内見学の時間を設ける
社内見学は、内定者の気持ちを維持するための効果的な手段です。
面接や選考試験以外で企業を訪れることができる機会は限られており、社内見学は内定者にとって貴重な体験となるでしょう。
また、オンラインでの選考が一般的になっている現在では、リアルな職場の雰囲気を感じる機会が少ないため、社内見学はより重要な役割を担っています。
内定者が入社前に職場のイメージを持てれば、企業に馴染むまでの期間が短くなるでしょう。
さらに、社内見学を通じて、内定者が他の企業に興味を持ったり、不安になったりすることを事前に防げます。
社内見学は、内定者にとっては貴重な経験となると同時に、企業にとっても内定辞退を減らすための有効な手段となるでしょう。
方法その2:真摯に面接を行う
採用面接での印象は内定辞退に大きく影響します。
そのため、企業が面接を行う際は、真摯かつ誠実に対応することが重要です。
面接の担当者にとっては数十回の面接の中の1回かもしれませんが、応募者にとっては貴重な機会です。
そのため、疲れた態度やイライラした態度を見せてしまうと、悪い印象を持たれてしまいます。
学生たちは、企業の不誠実な対応に敏感に反応します。
企業が抱える課題や仕事の大変さを率直に話すことで、信頼を得られるでしょう。
内定を確認する段階で、応募者が自社の課題や問題点を理解していると、内定後に疑念を持たれる心配がなくなります。
そのためには、面接時に自社の課題や改善すべき点を率直に伝え、応募者に正確な情報を提供することが重要です。
方法その3:SNSやWeb会議などを活用して内定後のフォローを適度に行う
内定承諾後は、選考期間中に比べて連絡頻度が少なくなります。
内定者は、内定式から入社までの4〜5ヶ月の間、企業から連絡がないと不安になります。
不安を解消するために、SNSやZOOMを活用して定期的にコミュニケーションをとることが大切です。
LINEグループを作成して、1年上の先輩社員と直接相談できるようにしたり、ZOOMを使って入社前研修を行ったりなどして、内定者の不安を解消しましょう。
また、SNSに反応しなかったり、Web研修に参加しなかったりする内定者は、入社意欲が落ちているかもしれません。
こうした内定者がいた場合には、個別のフォローを手厚く行うことで、内定辞退を防げることがあります。
方法その4:内定者へのイベントで入社後のイメージを鮮明にする
内定者にとって、同期は入社後に一緒に働く仲間であり、気になる存在です。
同期と良好な人間関係を構築できれば、職場環境も良好になりますし、入社後のストレスも軽減されるでしょう。
内定者懇談会を通じて、内定者同士のコミュニケーションを促進できますが、注意点もあります。
例えば、内定者の中に企業に不満を持つ人がいた場合、その不満が内定社内に蔓延して内定辞退につながる可能性や、内定者同士でトラブルが起こる可能性が挙げられます。
採用担当者が内定者同士の交流を促進する一方で、不満やトラブルが起こらないように注意することが必要です。
内定辞退が発生したときの対応方法は?
内定辞退者が出てしまった場合、企業としてより慎重に対応する必要があります。
企業側に内定辞退を拒否する権利はありません。
内定辞退の理由を聞くことは必要ですが、粘り強く引き止める行為はトラブルの原因になります。
採用活動時と同様に最後まで失礼のないように丁寧な対応を心がけましょう。
電話とメールで内定辞退の連絡があったときの対応方法をそれぞれ解説します。
対応方法その1:内定辞退を電話で受け取った場合
内定承諾前と内定承諾後の場合における、内定辞退の電話対応方法を説明します。
辞退理由がどのようなものであっても、誠実に対応することが重要です。
失礼のないような対応をすることで、トラブルを未然に防ぐことが可能です。
誠実な対応を続けることで、企業の評判を向上させ、内定辞退を減らすことにつながります。
内定承諾前と承諾後で対応が異なりますので参考にしてください。
内定承諾前の内定辞退の電話
内定承諾書の提出前に内定辞退の電話を受けた場合、次のような対応が望ましいです。
1,内定辞退の理由を聞く
まずは内定辞退の理由を聞き、相手の気持ちを理解しましょう。
理由によっては、問題解決のためにできることがあるかもしれません。
もし相手が話しにくそうな様子であれば、「今後の参考にしたい」という旨を伝えると、相手に気持ちを開きやすくなるかもしれません。
2,電話をしてくれたことへのお礼を言う
内定辞退の電話をすることは、学生にとっても勇気がいることであり、緊張することです。
内定辞退の電話をしてくれたことに対して感謝の意を表し、相手に対して敬意を示しましょう。
2,電話をしてくれたことへのお礼を言う
内定辞退の電話をすることは、学生にとっても勇気がいることであり、緊張することです。
内定辞退の電話をしてくれたことに対して感謝の意を表し、相手に対して敬意を示しましょう。
内定承諾後の内定辞退の電話
内定承諾後に内定辞退の電話を受けた場合は、承諾前と確認する内容が変わります。
1,内定辞退の理由を聞く
内定承諾前と同様にまずは内定辞退の理由を聞き、相手の気持ちを理解しましょう。
2,理由が自社で対応できる場合には再検討のお願いをしてみる
もし理由が自社で対応できるものであれば、再検討をお願いしてみることもできますが、脅しのような言葉を使って相手を圧迫するようなことは行わないようにしましょう。
内定承諾後に辞退された場合は、相手の立場にも配慮しつつ、慎重に対応することが大切です。
3,理由が自社で対応できない場合には内定辞退の承諾をする
理由が自社で対応できないものであれば、内定辞退を承諾しましょう。
内定辞退の承諾をすることで、相手に対しても誠実であることを示すことができます。
4,電話をしてくれたことへのお礼を言う
承諾前と同様、電話してくれたことに感謝していることを伝えましょう。
対応方法その2:内定辞退をメールで受け取った場合
メールの場合、感情やニュアンスが伝わりづらいため、受け手に誤解を与える可能性があります。
また、メールは文面が残るため、トラブルに発展するような返信をしないように十分に注意しましょう。
また、学生が電話で内定辞退を伝えると、しつこく引き止められるのではと警戒して、メールを選択した可能性があります。
電話の場合よりも慎重な対応を心がけてください。
内定承諾前と内定承諾後の場合における、内定辞退のメール対応方法を説明します。
内定承諾前の内定辞退のメール
内定承諾書の提出前に内定辞退のメールを受けた場合、次のような対応が望ましいです。
1,内定辞退の理由を聞く
電話で受けたときと同様に、内定辞退の理由を確認してみましょう。
理由によっては、問題解決のためにできることがあるかもしれません。
もし理由を尋ねて相手からの返信がない場合でも、何度もメールを送るのは控えてください。
2,メールをしてくれたことへのお礼を言う
メールをしてくれたことに対して感謝の意を表し、相手に対して敬意を示しましょう。
内定辞退のメールを書くことは、学生にとって大変な作業です。
メールのマナーに慣れていない場合もあるため、ミスがあっても許容しましょう。
内定承諾後の内定辞退のメール
内定承諾後に内定辞退のメールへの対応方法を説明します。
流れは電話の場合と同じですが、いくつか注意点があります。
1,内定辞退の理由を聞く
内定承諾前と同様に理由を聞いてみましょう。
すぐにメールの返信ができない場合は、メールを確認した旨だけでも返信してください。
学生にとっては内定辞退のメールを送るだけでも不安な気持ちになっています。
返信が遅くなっているだけでも、無視しているのではないかと余計なトラブルにならないよう注意してください。
2,理由が自社で対応できる場合には再検討のお願いをしてみる
電話のときと同様、もし理由が自社で対応できるものであれば、再検討をお願いしてみることもできます。
3,理由が自社で対応できない場合には内定辞退の承諾をする
もし理由が自社で対応できないものであれば、内定辞退の承諾をする必要があります。
内定者には、早めに辞退の意思を伝えることが望ましいです。
4,メールをしてくれたことへのお礼を言う
内定辞退のメールをもらった場合でも、電話でのやりとりと同様に、相手に感謝の気持ちを伝えることは大切です。
内定辞退を減らして効率の良い人材採用を目指そう!【まとめ】
内定辞退が起こる原因や理由から、内定辞退率を下げるための対策について説明しました。
大学生の就職活動では、複数の企業を比較して入社先を決めるため、内定辞退者をゼロにすることは難しいでしょう。
しかし、企業の対応が原因で内定辞退につながってしまうことは避けなければなりません。
学生は社会人経験がなく、内定した企業に入社して良いのか不安を感じることが少なくありません。
採用活動の対応や内定通知後のフォローの仕組みを改善し、新卒採用の内定辞職を防ぐために取り組むことが大切です。
若手人材を確保する手段として、高卒採用が注目を集めています。
高校生の就職活動は、高校を通して推薦を受けて応募するため、基本的に1社ごとに選考が進んでいきます。
応募した企業からの結果が出なければ、次の企業へ応募することができません。
そのため、企業が内定を出せばその場で就職活動が終わりになります。
大卒採用には辞退はつきものですが、高卒採用では内定辞退はほとんどありません。
内定辞退の少ない高卒採用を活用しよう!
大学採用は、複数社を同時にエントリーするため、内定辞退が起きやすい傾向にあります。
一方、高卒採用の場合は一人一社制が導入されており、9月以降に学校から推薦を受け、応募できるのは基本的に1社のみです。
内定をもらえれば就職活動は終了となるため、内定辞退率は大卒採用と比較して極めて低い傾向にあります。
高卒採用ラボは、高卒採用【高卒採用がはじめてのかたへ】を考えている企業のための情報メディアです。 独自の調査結果や高卒採用のノウハウ、企業の採用担当者からのインタビューなどあらゆる視点から「高校生の採用」を実施する企業へ価値ある情報を提供します。
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