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実際の成功例から学ぶ「適材適所」な人材配置のメリットや人事施策について解説

適材適所な人材配置とは、社員の特性や能力に合わせて最適な業務やポジションに配置することを指します。
これにより、社員のモチベーション維持や企業への定着率向上といったメリットがあります。
特に新卒社員の離職率が高いことに悩んでいる企業は、より適材適所の人材配置が必要です。
そこで本記事では、企業において適材適所な人材配置のメリットや実践方法、具体的な人事施策、成功している企業事例について解説します

適材適所の意味とは?

適材適所とは建築の現場から生まれた言葉という説があります。
日本の建築物は木造工法が中心で、木材を組み合わせて住宅や寺社を作っていました。
中世以降の木造建築物には、ヒノキやスギ、マツ、ケヤキなど4〜6種類の木材が使われていたことが確認されています。
それぞれの木材には特性があり、例えば、耐久性に優れているヒノキは柱や土台に、加工しやすいスギは扉や窓、障子などに適していました。
このように、木材を適材適所に使い分けることで建築物の耐久性や美しさを実現したのです。

一般的に使われる適材適所の意味

「適材適所」とは、広辞苑で「人を、その才能に適した地位・任務につけること」と定義される四字熟語です。
建築現場で生まれた言葉が、現代では主に人材配置において用いられています。
適材適所は、人にはそれぞれ個性や能力があり、その特性に適した場所に配置することで最大限の力を発揮させることができるという意味が含まれています。
この考え方は、チームスポーツや学校などのグループ活動全般で使用され、人に役割を振り与える際に適切な目標としても利用されることが多いです。

ビジネスシーンで使われる適材適所の意味

適材適所は、ビジネスでも頻繁に使われるフレーズです。
具体的には、部署の配置や人事異動、プロジェクトメンバーの選定など、人材配置に関するさまざまな場面で活用されている考え方です。
適材適所の考え方は、個人の能力や特性に合わせて最適な場所や役割を与えることで、組織や企業全体の成果を最大限に引き出すことを目的としています。
適材適所を実践するには、社員一人ひとりの特性やスキルを理解することが必要です。
個々の得意な仕事や新しいスキルの習得状況などを把握することで、最適な人材配置ができ、組織のパフォーマンスを向上させることができます。
このように、適材適所は現代のビジネスにおいて欠かせない考え方といえるでしょう。

適材適所が実現する4つのメリットとは?

人事配置は企業の成長を左右する重要な要素で、適材適所の考え方は必要不可欠となっています。
実際にどのようなメリットがあるのでしょうか。
メリットは次の4つです。

  1. 生産性が向上する
  2. 人件費削減につながる
  3. 離職の防止につながる
  4. 市場変化に柔軟に適応できる

企業の人事配置において適材適所を実施するメリットについて解説します。

メリットその1:生産性が向上する

1つ目のメリットは、生産性が向上することです。
適切な役割やポジションに配置された社員は、自分の能力を最大限に発揮できるため、生産性が向上します。
特に若干スキルが足りなくても長所や特性がいかせる適切なポジションに配置された社員は、自信を持って仕事に取り組めるため、モチベーションが高まります。
モチベーションが高い社員は、生産性や品質、他のメンバーに良い影響を与えるでしょう。
結果として長所や特性をいかすための適材適所はその社員の能力に勝る結果につながります。
そして、適切な役割やポジションに配置された社員は、より長期間にわたって働けるため、企業にとって安定した人材を確保することにも貢献します。

メリットその2:人件費削減につながる

2つ目のメリットは人件費削減につながることです。
社員を適材適所に人材を配置することで、企業全体の生産性が上がり、余分な人件費を削減することが可能です。
例えばある業務について、3時間かかる社員と1時間で終わらせる社員がいるとします。
この場合、1時間で終わらせられる従業員を配置することで、作業にかかる時間を2時間短縮できます。
同様にOJTや研修でも、長所や特性が合っている社員に新しい業務を教えることで、効率的にスキルを習得させることができるでしょう。
研修にかかる時間やコストが削減され、より早く戦力として期待できます。
適材適所の人材配置によって業務時間が短縮されると、浮いた時間分の人件費や経費が削減されることになります。

メリットその3:離職の防止につながる

3つ目のメリットは、離職の防止につながることです。
適材適所に人材を配置することで、社員の仕事への満足度が高まり、離職を防止できます。
社員が離職してしまう原因の1つは、企業に貢献できていないと感じることです。
自分に合っている業務であれば、やりがいを感じ、成長して結果を残せるでしょう。
しかし適材適所でない業務を与えられると、なかなか成果を出せずに従業員のモチベーションが低下してしまいます。
その結果、同僚や同期と比較して自分が評価されていないと感じ、離職を検討する可能性があります。
従業員のスキルや経験、特性や希望に合わせた適切な配置は、離職を防止するために不可欠です。

メリットその4:市場変化に柔軟に適応できる

4つ目のメリットは、市場の変化に柔軟に対応できることです。
社員を得意な仕事に配置するだけでは、適材適所とはいえません。
社員を適材適所に配置することで、新しいスキルを習得する機会となります。
マシュー・サイド氏が『多様性の科学』で述べられているように、同じような考え方やスキルを持つ人々だけで構成された集団では、新しいアイデアを生み出すことは難しいといえます。
適材適所に社員を配置することで、異なる視点からビジネスの課題や問題にアプローチし、創造的なアイデアや解決策が生まれることもあるでしょう。
異なる背景を持つ社員を適材適所に配置することで、多様性が生まれ、市場の変化に柔軟に対応できる組織に成長することが可能です。

適材適所を実現する重要性

現代のビジネス環境では、限りのある人材を効果的に活用し、事業を成長させるために適材適所の人材配置が不可欠です。
社員の適材適所な配置を実現することで、個人の能力を最大限に引き出し、会社全体のパフォーマンスを向上させられます。
適材適所に基づいた人材配置は、部署やプロジェクトの成功につながるだけでなく、社員のモチベーションや生産性にも大きく影響します。
そのため、社員一人ひとりの特性やスキルを理解し、適材適所に社員配置を行うことに時間と労力をかけることは、企業の成長にとって重要な要素となるでしょう。

適材適所な人材配置を実践する3つの方法

適材適所に人材を配置するためには、自社の状況を把握し必要な人材像を明確にし、社員の希望や個性を理解してそれに合わせて配置することが重要です。
さらに、配置後の情報共有を徹底してアフターフォローや不適切な配置の早期発見を行い、上司や部門リーダーが積極的にコミュニケーションを行うことで適材適所の人材配置を実現することができます。
適材適所に人材を配置するための実践方法について順番に解説します。

実践方法その1:自社の状況を把握する

適材適所に人材を配置するためには、自社の状況を正確に把握することが不可欠です。
まずは、現在の課題や目標を明確にし、どの部署やチームに人員を割り当てるべきか、業務量は適切か、どんなスキルが不足しているかなどを把握しましょう。
また、現在の人材配置で適材適所にない社員がいる場合は、早急に適切な配置を行う必要があります。
会社全体のバランスを把握することで、適材適所に人材を配置するための情報を収集し、適切な人材配置を実現できます。
自社の状況を正確に把握し、適材適所に人材を配置することで、企業の成長に貢献できるでしょう。

実践方法その2:社員の希望や個性を理解する

適材適所に人材を配置するためには、社員の個性やスキル、そして今後の働き方や挑戦してみたい仕事といったキャリアプランの希望を理解することが欠かせません。
社員と一対一で話し、その人が希望する働き方や仕事内容、得意不得意などを把握し、適材適所に人材を配置できるように情報を集約しましょう。
社員の希望や個性を理解することは、企業と社員の間の信用が高まり、今後の配置転換がスムーズに行えます。
また現在、仕事が思うようにできない社員の意見を聞くことで、その社員に合った業務内容を提案できる可能性が高まります。
その結果、社員のモチベーションを高め、生産性の向上にもつながります。
社員一人ひとりに目を向け、その人の強みをいかせるような配置を心掛けましょう。

実践方法その3:人材配置後の情報共有を徹底する

自社の状況と社員一人ひとりの希望を理解して、慎重に人材配置を行っても問題が発生してしまう場合があります。
問題に対応するためには、人材配置後の部署間の情報共有を徹底し、社員へのアフターフォローを行いましょう。
社員のアフターフォローを行うことで、配置転換に納得ができていない社員の不満や適さない配置を早期に発見することで、適切な対応をすることが可能です。
また情報共有によって、部署間のコミュニケーションがスムーズになり、的確なアフターフォローが行えるようになります。
特に、配置転換に不満を持つ社員に対しては、配置転換の理由やこれから期待することなどを丁寧に説明することが大切です。

適材適所な人材配置を成功させる3つの人事施策

適材適所な人材配置を成功させるための施策は、3つあります。
ジョブローテーションは、社員に異なるポジションを経験させることで、その人の能力や適性を発揮することができます。
適性検査やアンケート・面談は、社員がどのようなポジションに向いているかを把握することができるでしょう。
従業員のデータベース管理は、社員のスキルや経験をデータとして蓄積することで、適材適所の人材配置を行う上での基礎情報を整理することができます。
順番に解説しましょう。

人事施策その1:ジョブローテーション

ジョブローテーションは、社員が一定期間でさまざまな部署の仕事を経験する制度です。
ジョブローテーションは、人材育成を促すために採用されることが一般的ですが、適材適所の人材配置をするための手がかりとしても有効です。
社員が複数の部署で働いた経験をもとに、自分に最適な場所を見つけられます。
特に社会人経験が少なく、自分に適した仕事がわからない新卒入社社員や第二新卒社員にとって、さまざまな仕事を経験することは、重要です。
また、部署間での情報共有が促進され、社員同士のコミュニケーションが活性化されることも期待できます。
ジョブローテーションは、多様な業務経験を通じて自らの適性を再確認し、自分でも気づかなかった適性を発見することが可能です。
そのため、将来市場のニーズが変化し、新たな職種や業務が生まれた場合でも、適材適所の人材配置に役立つでしょう。

人事施策その2:適性検査やアンケートや面談

人材の配置が適材適所になっているかを確認する方法として、アンケートや面談があります。
アンケートや面談を通じて社員の希望やスキルを把握し、適材適所の人材配置を実現することが可能です。
社員の抱えている悩みや不満を定期的に聞くことは、メンタルヘルス対策にも役立てられます。
さらに適性検査を実施して、社員が客観的に自分を見つめなおす機会を用意することも大切です。
適性検査には、性格や能力に合わせた職種を見つけるための適性傾向検査や、ストレス耐性や集中力などを測定できるエンデュランステストがあります。
面談やアンケート、適性検査の結果を総合的に把握することで、適材適所の人材配置を実現できるでしょう。

人事施策その3:従業員のデータベース管理

社員数が多く、組織体系が複雑な場合には、適材適所の人材配置をすることが難しくなります。
そこで、従業員情報をデータベース化することで、各社員のスキルや経験、保有資格、面談でヒアリングした働き方や希望といった本人の考え方を記録して集約できます。
これにより、モチベーションが下がっている社員を把握して面接回数を増やしたり、配置転換させたりといった対策を打つことも可能です。
また、長期的には社員本人が希望する働き方やスキルを向上できる部署への配置を検討することも容易になります。
日々上がってくる社員の情報を正確に記録管理することで、異動や人材配置といった人事施策をスムーズに進めることに役立つでしょう。

適材適所を成功させている4つの企業

適材適所の人材配置は、企業の成長に不可欠な要素のひとつです。
このような人材配置を行うことで、従業員のモチベーションや能力を最大限に引き出すことができ、企業の競争力や業績を向上させることができます。
ここでは、適材適所な人材配置を成功させている4つの企業を紹介します。
各社の取り組みを紹介しますので、自社に取り入れられる施策があれば、参考にしてみてください。

成功例その1:ヤマト運輸株式会社

ヤマト運輸は社員の適材適所な人材配置を目指して、新入社員全員に3年間のジョブローテーション制度を取り入れている企業です。
ジョブローテーション制度により、新入社員はヤマト運輸の配送業務やサービスセンター、営業事務など、多様な業務に取り組むことで、社員それぞれの自己成長やキャリアプランを考える支援を受けられます。
また、2021年度より教育組織「クロネコアカデミー」を立ち上げました。
社内講師体制の構築やラーニングプラットフォームの導入など、社員のキャリアプランに合わせた研修を行える体制を整えています。
ジョブローテーション制度などの取り組みにより、ヤマト運輸は社員のワークライフバランスの推進や、長期的な人材育成に成功しています。

成功例その2:ソニー株式会社

ソニー株式会社では、社員一人ひとりが自らのキャリアを築くことを重視し、そのための多彩な制度を用意しています。

新しい業務やプロジェクトに参加できる「兼業/PJ型募集」や優秀な社員が希望する外部研修や海外勤務、ボランティアなどに挑戦できる「FA制度」といった社員の意思で参加できる制度があります。
また「キャリア登録制度」を通じて、社員自身がキャリアプランを登録し、希望する働き方やポジションを企業に対して明確にアピールすることが可能です。
キャリア登録制度などの導入により、社員の成長を支援し、適材適所となる人材配置を行うことで優秀な社員の外部流出を抑制することにつながります。

成功例その3:富士フイルム株式会社

富士フイルム株式会社は、1982年から独自の「総合人事情報システム」を運用しています。
総合人事情報システムは、社員の過去のキャリアや実績、現在の専門性や能力、将来の育成方向、私的身上情報などの情報を集約管理することで、適材適所の実現を目指して導入されました。
人材情報の更新や検索、資料化することが容易に行えるだけでなく、社員の個性や適性を把握し、社員がより力を発揮し成長できるような環境を整えることに貢献しています。
日本の組織で起こりがちな、自部署で優秀な人材を抱え込むことによる適材適所の障壁も取り除くきっかけとなりました。
社員の能力開発や人材育成につながる情報を蓄積し、適材適所の人材配置や人事異動などにも活用されています。

成功例その4:株式会社サイバーエージェント

株式会社サイバーエージェントでは、適材適所の人材配置を実現するための仕組みが導入されています。
「GEPPO」は、アンケートを使って社員のコンディションやキャリア志向、抱えている問題などを月1回社員の情報を集めます。
また、社内異動公募制度「キャリチャレ」は、現在の部署で1年以上勤務する社員が、希望する他部署やグループ会社への異動に挑戦できる制度です。
さらに役員が戦略的な人材配置の実現についてのみ取り上げる人材覚醒会議が開かれ、優秀な人材を最適なポジションに配置し、企業と社員双方の成長を図る努力をしています。
そして、グループ内にあるさまざまな部署の職場環境や人材ニーズを可視化した独自のシステム「キャリバー」も用意されています。
これらの取り組みは、適材適所の人材配置を促進し、組織と社員のミスマッチを解消し、業務量の改善や課題の解決に役立っています。

適材適所に人材を配置してより良い会社を作ろう【まとめ】

会社を成功に導くためには、適材適所に人材を配置することが必要不可欠です。
まず人材の能力や適性を正しく評価し、その上で最適なポジションを見極めることが大切でしょう。
社員一人ひとりのモチベーションや目標に合わせたキャリアアップの機会を提供することも重要です。
適材適所な人材配置に取り組むことにより、社員が最大限に活躍し、協力しあって働ける会社を作り上げることが可能です。
結果として、会社の生産性や利益が向上するだけでなく、社員の満足度やモチベーションを高められます。
適材適所の人材配置は、企業にとって簡単な課題ではありませんが、時間と労力をかけて取り組む価値があるでしょう。

定着率が高い会社の共通点は「適材適所の配置」だった!

社員の定着率が高い企業には、適材適所な人材配置を実践する共通点があります。
社員が自身の能力を最大限にいかし、モチベーションを高く保つためには、適切なポジションに配置されることが重要です。
特に厚生労働省のデータによれば、高卒就職者は大卒就職者と比べて3年以内の離職率が高い傾向があります。
高卒就職者に対しては、定着率を上げるための取り組みが必要となります。
そのため、定着率を高めるために研修制度や福利厚生などが整備されることが多く、長期的に働き続けたいと思える企業環境を整える会社が増えています。

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