従業員の補充や事業拡大のため、さらに、企業の将来を担う社員を育成するためにも、若手人材の採用は欠かせません。
しかし、若手人材不足や働き方の多様化によって、若手人材を採用することが難しくなってきています。
この記事では、若手社員の中心である新卒や第二新卒を採用する際のポイントを説明します
この記事を読めば、若手採用に困っている採用担当者は、新卒や第二新卒を採用することで得られるメリットなどを知ることが可能ですので、ぜひ参考にしてみてください。

新卒と第二新卒の違いは、高校や大学をなどを卒業してから就職し、働いた経験があるかどうかです。
新卒の方は、入社する企業で社会人としてはじめて仕事をする人材になります。
一方、第二新卒の方は、入社する企業が2社目以降となります。同じ若手人材でもそれぞれが違う背景や経験を持って入社するため、それぞれのメリットやデメリットを把握することが重要です。

新卒とは主に日本の高校や大学、専門学校などを3月に卒業して、4月から企業で働く人材のことです。
新卒を採用するメリットは、採用から研修までの計画が立てやすいことです。
一方で、新卒には以下のようなデメリットも存在します。デメリットとしては戦力になるまで育てる時間がかかることです。
メリットとデメリットを順番に解説しましょう。

新卒採用はある決まった期間に行われることが一般的であるため、採用から研修を計画的に行うことが容易です。
期間に合わせて企業説明会などの広報活動を行い、新卒採用に必要な手続きや研修の準備ができます。
新卒社員向けの外部研修は4月入社に合わせて用意されているため、定員などを心配する必要はありません。

新卒で入社してくる方は、企業や業界のルール、基本的なビジネスマナーなどを知らないため、フォローに時間がかかるというデメリットがあります。
新卒社員を育成するためには、適切な教育を行うためにお金と時間の投資が必要でしょう。
例えば、研修の段階で十分な教育を行わないと、将来的に「業務の内容を理解できていない」「仕事の進め方がわからない」などの問題が生じる可能性があります。
そのため、適切なフォローを行わなければ企業の戦力にならないと言えるでしょう。

第二新卒とは、一般的には新卒で入社して3年くらいまでに転職する方のことを第二新卒と呼びます。

企業にとって第二新卒を採用するメリットは、次の3つです。
1，教育コストを抑えられる
2，企業の社風に順応しやすい
3，入社までの期間が比較的短い

一方で第二新卒の方を採用する際は以下のデメリットも存在します。
1，前職の企業と比べられる
2，スキルが足りないことがある

採用担当者が考慮しなければならないポイントを解説しましょう。

第二新卒の方はすでに社会人経験を積んでいるため、基本的なビジネスマナーやコミュニケーションスキルを身に着けていることも多いでしょう。
そのため、新卒に比べて第二新卒は早く業務に就くことが可能です。
入社後、基本的なビジネスマナー研修を行わず、業務研修やOJTをスタートすることで、第二新卒の方には早く実務を経験させられます。
注意点として、業界によっては基礎的なビジネスマナーが異なることがあるため、必要に応じて教育の機会を用意するなど見極めが必要です。

第二新卒の方は、以前の企業に長期間在籍していないため、前職の社風に染まることが少なく、新しい企業に順応しやすいです。さらに社会経験を積んでいることに加えて、年齢も比較的若いため、柔軟性や適応力に優れていると言えるでしょう。
また、第二新卒の方は前職の経験をいかして新しい職場で成長したいと考え、転職を決意しています。
自ら新しい環境に飛び込む勇気や行動力があり、新しい仕事に挑戦するための高い意欲を持っています。
そのため、第二新卒の方は新しい企業の社風や価値観に柔軟に対応し、新しいやり方を積極的に受け入れてくれるでしょう。

第二新卒は入社までの期間が短いため、タイミングに合わせて企業に入社することが可能です。
新卒者の場合、入社時期が固定のため、新卒採用活動を始めてから入社まで半年以上期間が空いてしまいます。
全ての会社が4月から新しい期が始まるというわけではなく、6月や7月、9月から始まるという企業もあります。期が新しくなるタイミングで採用したいというときにでも、第二新卒は採用することができるためメリットと言えるでしょう。

第二新卒の方は、以前勤めていた職場への不満を持っています。
その不満を解消するために、前職と新しい企業を比較しながら転職活動をして入社したことになります。
転職直後は、不満を解消できたと満足して働いているでしょう。
しかし、時間が経過して新しい職場に慣れてくると、前職と比較してまた不満を持つ可能性があります。
採用面接時に前職の何が不満だったのかを聞いておくことが重要です。
第二新卒の方が配属される部署にも共有して、働き方や職場環境への期待と現実のずれが少なくなるように配慮することが必要となります。

前職での社会人としての経験が3年程度と短いため、数年、数十年と経験を積んだ中途採用の方と比べると、第二新卒の方はスキルが足りないと感じるかもしれません。
第二新卒の方は前職での勤務期間が短いため、基本的なスキルしか身に着けていない可能性があります。
より高度なスキルが必要となる部署に配属をしてしまうと、対応できないリスクがあります。
専門知識やスキルアップのフォローなどができるように、教育面でのサポートがあると安心です。

第二新卒は、中途採用と比べるとスキルの面では劣ります。
しかし、新卒のように企業に順応しやすく、「基本的なビジネススキルがある」「時期を待たずとも入社が可能である」という点や、年度途中での採用ができる点でみると新卒採用とは違ったメリットがあるのではないでしょうか。

若手人材の採用を成功させるためのポイントを3つ説明します。
1，自社を選んだ理由、転職した理由を明確にする
2，志願者の希望の働き方を明確にする
3，入社後のフォローを忘れない
採用活動においては、単に若手人材の方に入社してもらうことだけを目的とするのではなく、長期的な視点で検討する必要があります。
若手人材が企業にとどまりやすい職場環境を整備することが重要です。

若手人材の方には、「どうして自社を選んだのか？」や「何が入社をする決め手になったのか？」など自社を志望する理由を明確にすることが必要となります。
採用を急いで志望理由を確認しなかった場合、入社後にミスマッチが起こり、早期離職の原因となってしまうことがあります。
特に、第二新卒の方に対しては、前職を離れることになった理由をしっかりと把握することが重要です。
選考中に理由を把握することで、入社後の研修や配属先を検討する材料となります。

早期離職を防ぐためには、採用時にあらかじめ「残業が少ない環境が良いのか？」「管理職を目指したいのか？」などを確認することが重要です。
採用する際に企業側の求める能力やスキル、条件ばかりを重視してしまうと、早期離職につながる危険性があります。
特に、第二新卒の方に対しては、休暇や福利厚生に重きをおくのか、業務内容を重視するのかを詳細に打ち合わせることをおすすめします。
お互いの希望や条件を確認することで、採用後のミスマッチをなくし、早期離職を防げるでしょう。

採用することのできた若手社員の現状を把握するために、定期的なフォローが必要です。
仕事に対する悩みがあっても、第二新卒の方は気軽に相談できる同期がいなく、ひとりで悩みを抱え込んでしまうリスクがあります。
入社後は定期的に個人面談や年齢の近い先輩社員との交流を増やし、相談しやすい環境を作ることが必要でしょう。
それぞれの部署に配属された場合でも、定期的なフォローをすることで、若手社員の成長や企業への定着につながります。

新卒採用にも第二新卒の中途採用にもメリットとデメリットがありますが、企業にとっては新たな風を吹かせるために必要不可欠です。
第二新卒の方を採用する際には、前職を退職した理由や志望理由、どんな働き方を目指しているのかなど詳細な確認を欠かせません。
入社後の定期的な面談や研修を怠らず、相談しやすい環境を整えることで企業への定着率を高めることが可能です。

この記事で紹介した若手人材の採用のメリットとデメリットなどを参考に上手に採用活動すれば、企業にとっては人材という大きな力を手に入れられるでしょう。

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