新卒採用のメリットは? どんな企業に向いているか注意点と併せて解説 | 記事一覧 | 高卒採用Lab 高校生採用を科学する

新卒採用のメリットは? どんな企業に向いているか注意点と併せて解説

終身雇用制度が崩れてきた今、新卒採用を行うべきか悩んでいる担当者は少なくありません。企業での採用活動は、なかなか思い通りにいかないものです。

この記事では、新卒採用ならではのメリットやデメリット、どんな企業が新卒採用に向いているのか、そして実際に新卒採用する際に注意すべきポイントについてご紹介します。

1、新卒採用のメリット

新卒採用とは、高校あるいは大学卒業見込みの学生を採用することを指します。定期的に新卒者を大量に採用する「新卒一括採用」は、日本では一般的な習慣ですが、世界では珍しい採用方法です。

では、企業が新卒採用するメリットとは何でしょうか。


1. 企業文化を継承しやすい

まだ就労したことのない学生にとって、就職は未知の世界です。まっさらな状態だからこそ、すでに他社で実績や経験を積んだ社員と比べると、自社の社風や文化、理念を自然に吸収し、染まりやすい傾向があります。
そのため、「これからこの会社のためにがんばっていこう!」という愛社精神が育まれやすく、企業文化を継承してくれる人材としても期待できるのです。

2. 育成計画の効率が良い

企業にとって、採用活動や人材育成は大変コストがかかるものです。
しかし新卒採用は毎年4月など、決まった時期にまとまった人数を採用できるので、採用にかかるコストを抑えられます。また、社員研修も一括して実施することで、効率的な教育ができるのです。
特に、全国広範囲にわたって採用を行うような企業ほど、メリットは大きくなると言えます。

入社後の人事評価についても、あらかじめ設定された基準に沿って比較的容易に行えるのもポイントです。

3. 将来の幹部候補生として土壌を形成できる

新卒で採用された社員はまだ若いため、育児や介護などで勤務時間や勤務地に強い希望や制約がある社員は比較的少ないでしょう。また、これまで就労したことがないので、特定の分野にこだわる人もあまりいません。

そのため、ジョブローテーションや全国転勤など、柔軟に社員を配置しながら、長期的に、幅広く業務経験を積ませることができるのです。ジェネラリストとして自社の業務について幅広く知り、社内外の人脈を築かせることは、将来的な経営幹部としての土壌作りとなります。

4. 社内活性化につながる

新卒社員という後輩が入ってくることで、社内の空気は変わります。若手社員は後輩に頼られる存在となれるように奮起したり、業務の棚卸しをしたりすることで組織としての成長にもつながります。
異なる世代とのコミュニケーションを通じて、あらためて自社の良さや企業文化の大切さに気付く機会になるのもメリットの一つです。

5. 社内の年齢構成を均等に保つことができる

毎年定期的に採用を行っていない企業では、社員の年代ごとに偏りが起きます。すると、将来的に業務引継ぎをする際、不具合が生じてしまうかもしれません。
決まった時期に新卒採用を行い、どの年代の社員もいる構造にしておくことは、企業がスムーズに事業を発展させていく上で、大切な条件となるのです。


2、新卒採用のデメリット

新卒採用を行うメリットについてお伝えしたところで、では逆に、デメリットについても見ていきましょう。

1. 選考フローが長く、入社までが長い

新卒採用はまだ就労実績がない学生の中から、自社の社風に合う人を探し出し、見極める必要があるため、採用ステップが複数回に渡り、長期的になりがちです。どのような人材を採用するか、計画を立てる段階から考えると、1年近くかけている企業も多くあります。

また、新卒採用における入社時期は決まっているので、内定が決まっても入社まで数ヶ月の期間を要し、長丁場となります。

2. 戦力になるまで時間がかかる

新卒採用は、社会人としてのバックグラウンドがない学生を、長期的な目線で将来の活躍を見込み、採用する方法です。

つまり、入社した時点では即戦力とならないことは承知の上で採用するわけですが、その後は会社として研修やOJTなどを通して、さまざまな才能開発やスキル育成をフォローしていく必要があります。
ビジネススキルは一朝一夕で身に付けられるものではないため、一人の戦力として皆に認められるようになるまで時間がかかることは、デメリットと言えるでしょう。

3. 景気変動の影響を受けやすい

新卒採用は、景気変動にも敏感に影響を受けることがあります。景気が悪いと、広告媒体やイベント等で自社の認知度を上げたり、アピールしたりする機会がなくなってしまうことが考えられます。就職希望者数が減ってしまうと、優秀な人材が集まらないこともあるでしょう。


3、新卒採用に向いている企業

ここまで新卒採用におけるメリット、デメリットについてお伝えしてきましたが、新卒採用に向いているのは、どのような企業なのでしょうか。
新卒採用をすることで成長につながる企業の特徴についてご紹介します。

企業文化を促進したい

企業文化とは、組織としてしっかりまとまり、そこで働く社員が迷った時、向かうべき方向性を指し示してくれるものです。企業としての考え方、価値観であり、事業を進めていく上で非常に大切とされています。

新卒採用者は他社を知らず、初めて就労する会社での経験がスタンダードとなるため、その会社の企業文化を受け入れやすく、今後も継承してくれる可能性が高まります。
つまり、企業文化を早急に浸透させていきたいと考えている企業には、新卒採用が向いているのです。

事業展開を考えている

事業拡大やさらなる展開を考えている企業であれば、幅広く多数の人材を集めたいということになるでしょう。その場合、新卒採用であればまとまった人数を一括採用できるため、適していると言えます。
入社後の育成計画を一括して立てられるのもメリットとなります。

組織を活性化させ、成長意欲を高めたい

新卒で採用される社員は不安もありながら、「この会社のために貢献したい」というモチベーションが高いものです。そういった人材が職場へ投入されることで、新しい風を吹かせることができ、マンネリ化した業務に刺激を与え、組織の活性化が期待できます。

また、若手社員もこれまで教えてもらうことが中心だったのが、後輩が入ってきたことで今度は教える立場となります。何も知らない人に分かりやすく教えるには、知識を整理し、積み上げてきたノウハウを言語化する必要があり、自己成長にもつながります。
組織を活性化させ、社員の成長意欲を高めたいと考えている企業にとっても、新卒採用はおすすめと言えます。

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4、新卒採用の注意点

では実際に新卒採用をすると決まったら、何に気を付けて進めていけばよいでしょうか。せっかくのメリットを最大限活かすために注意すべき点について、ご紹介します。

採用スケジュールの把握

まず気を付けるべきポイント1つ目は、「採用スケジュール」です。
どの企業も優秀な人材が欲しいと考えており、そういった人材は取り合いになりがちです。そのため、自社の採用計画が決定したら、採用スケジュールをしっかり立てる必要があります。
新卒採用を含む就職活動のスケジュールについては、これまで経団連が一定のルールを提示してきました。

経団連に属している加盟企業はそのルールに従う必要がありますが、非加盟企業や中小企業は必ずしも従わなくてよく、早期から積極的に学生へアプローチする企業も少なくありません。

一方、学生側は、基本的に経団連の方針に合わせて就職活動を行いますが、実際は希望する企業の採用フローに乗らざるを得ないというのが実状でしょう。つまり、欲しい人材を新卒採用するには、経団連、企業、学生、それぞれの流れについて、あらかじめ俯瞰し、確実に把握しておくことが大切と言えます。

応募者の評価方法

自社への応募者に対し、どのように評価をするかという問題も、採用活動を担う全員で共有しておきたいポイントです。まず、採用に必要な条件や資質を明らかにし、採用基準を設定します。それにより、複数の面接官が一定の基準で合否を判断できるようになります。

採用基準を設定したら、面接評価シートを作成します。
たとえば「話し方や声の大きさ」「志望動機」など、応募者のどこを見るかという項目を決め、なぜその項目が必要なのかという目的についても共有しておくと、各面接官の視点を合わせやすくなるでしょう。

5、まとめ

新卒採用は、中途採用とは異なり、企業文化の継承に役立ち、採用や教育を効率的に行えるというメリットがあります。デメリットもありますが、事業の拡大や組織の活性化を図っている企業は、新卒採用を活用して成長できるでしょう。

もし自社の採用に課題を抱えている場合は、採用方針やスケジュールを確認しながら、採用フローについて一度見直してもいいかもしれません。ぜひ企業文化にぴったり合った良い人材を見つけ出しましょう。

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