従業員の定着率を上げるワークライフバランスとは?成功事例も紹介 | 記事一覧 | 高卒採用Lab 高校生採用を科学する

従業員の定着率を上げるワークライフバランスとは?成功事例も紹介

企業にとって従業員の定着率向上は非常に重要な経営課題のひとつといえます。そこで重要となるのが、仕事と生活の調和を実現するワークライフバランスの推進です。本記事はワークライフバランスの概要について解説するとともに、企業の取り組み事例や行政の支援制度を紹介します。


1、ワークライフバランスとは

ワークライフバランスとは「仕事と生活の調和」を意味する言葉であり、労働者の経済的な自立と発展を実現しつつ、心にゆとりのある暮らしを謳歌することを目的とした取り組みです。日本人は非常に勤勉かつ勤労意識の高い国民性であり、滅私奉公の精神で企業に尽くすのが美徳とされてきました。この勤労意識の高さが戦後の復興と高度経済成長の原動力となり、日本を経済大国へと押し上げた要因といえるでしょう。

しかし、その裏で長時間労働による心身の疾患や過労死などが社会問題となっており、2015年には大手広告代理店の女性従業員による過労自死事件が大きな波紋を呼びました。このような社会的背景も相まって、官民一体となり推進されているのが、仕事と生活の調和を図るワークライフバランスの実現です。内閣府はWebサイトにて、ワークライフバランスを以下のように定義しています。

 

「国民一人ひとりがやりがいや充実感を感じながら働き、仕事上の責任を果たすとともに、家庭や地域生活などにおいても、子育て期、中高年期といった人生の各段階に応じて多様な生き方が選択・実現できる社会」(※1)

(※1)引用元:「仕事と生活の調和」推進サイト|内閣府

http://wwwa.cao.go.jp/wlb/government/20barrier_html/20html/charter.html


2、優秀な人材の獲得と離職防止につながるワークライフバランス

仕事と生活の調和を図るワークライフバランスの実現は、従業員と企業の双方に大きなメリットをもたらす取り組みです。仕事と生活の調和が実現することで、出産や育児、介護といった個人の事情に合わせた働き方が可能になります。柔軟かつ多様な労働環境を整備できれば、優秀な人材の確保や離職防止につながり、結果として組織全体における業務効率の改善や生産性向上といったメリットを企業にもたらします。

とくに企業にとって優秀な人材の確保は最も優先すべき経営課題のひとつです。日本の総人口は2008年の1億2,808万人(※2)をピークに下降し続けており、総人口に占める高齢化率も28.7%(※3)と先進諸国のなかで最も高い割合となっています。さらにパーソル総合研究所の調査では、人口減少や少子高齢化の進展によって、2030年には7,073万人の労働需要に対して、6,429万人の労働供給しか見込めず、644万人の人材不足が発生すると予測されています。(※4)

このような時代背景のなかで企業が競争優位性を確立するためには、いかにして優れた人材を獲得し、離職率や定着率を改善していくかが重要な課題です。長時間労働や違法な残業を是正し、従業員にとって働きやすい労働環境を整備できれば、エンゲージメントやロイヤルティの向上に寄与します。それによって勤労意欲や貢献意識、愛社精神や信頼関係が高まり、従業員の離職率や定着率の改善につながるでしょう。

(※2)参照元:平成27年版 厚生労働白書|厚生労働省

https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/15/dl/all.pdf
(※3)参照元:統計からみた我が国の高齢者-「敬老の日」にちなんで-|総務省

https://www.stat.go.jp/data/topics/pdf/topics126.pdf
(※4)参照元:労働市場の未来推計 2030|パーソル総合研究所

https://rc.persol-group.co.jp/thinktank/research/activity/spe/roudou2030/


3、ワークライフバランス実現のための企業の取り組み事例

ここからは、ワークライフバランスの実現に取り組み、優れた成果を創出した企業の事例を紹介していきます。企業の具体的な取り組みを学ぶことで、自社の労働環境を整備する参考になるでしょう。

残業を減らす

保険販売代理店の「株式会社ライフィ」は、残業の削減によってワークライフバランスを実現した企業です。以前の同社は残業が常態化しており、有給休暇の取得も困難という企業体質でした。ある日、こうした企業体質の影響も相まって従業員が入院する事態に陥ってしまい、労働環境を根本から見直す必要性が生じます。そして、所定労働時間よりも1時間早く帰宅できる仕組みやフレックスタイム制度を導入し、残業ゼロや有給取得率の向上に取り組んだ結果、「2018年度東京ライフ・ワーク・バランス認定企業」の大賞を受賞するに至ったのです。

働き方の選択肢を増やす

フジサンケイグループの通信販売会社「DINOS CORPORATION」は、働き方の選択肢を増やすことでワークライフバランスを実現した企業です。具体的には短時間勤務やフレックスタイム制度、テレワーク制度など、多様かつ柔軟なワークスタイルの構築を進めました。とくに出産や育児に関する各種制度の構築に注力し、女性従業員だけでなく男性従業員も利用できる体制を整備します。その結果、2015年度より育児休業取得からの復職率100%を達成しています。

そのほかの取り組み

ワークライフバランスの実現に向けた取り組みにはさまざまな形があり、絶対的な正解は存在しません。大切なのは自社の経営体制や事業形態に合った取り組みを実施することです。「株式会社ライフィ」や「DINOS CORPORATION」のような取り組み以外にも、住宅手当や旅行補助などの福利厚生制度の充実や、人事評価制度の改善といった施策がワークライフバランスの実現につながるでしょう。たとえば、大手生命保険会社「第一生命保険株式会社」は、人事評価に総労働時間目標遵守の項目を設けることで残業時間の削減に成功しています。


4、行政によるワークライフバランス支援制度

ワークライフバランスの実現は官民一体となって取り組むべき課題であり、行政はさまざまな支援制度を整備しています。ここからは、行政によるワークライフバランス支援制度について見ていきましょう。

無料で育休復帰支援プラン・介護支援プランを策定

先述したように、日本は人口減少と少子高齢化が進展しており、非常に深刻な社会問題となっています。日本社会が安定的に成長・発展していくためには少子化の流れを抑えるとともに、女性や高齢者の労働市場への参入を促進しなくてはなりません。このような問題の解決を目指して整備されているのが「仕事と家庭の両立支援プランナー」による支援制度です。

 

従業員が育児や介護と仕事を両立できる労働環境の構築を目指す事業主を対象として、専門家が無料でアドバイスを提供する「育休復帰支援プラン」と「介護支援プラン」の2つが提供されています。従業員の定着率や離職率を改善するためには、育児や介護と仕事を両立できる労働環境を整備しなくてはなりません。育児や介護に直面した従業員が安心して働ける企業風土の構築を目指す企業は、「仕事と家庭の両立支援プランナー」の支援を検討してみてはいかがでしょうか。育休復帰支援プランと介護支援プランについての詳細は下記ページをご覧ください。

リンク先:「仕事と家庭の両立支援プランナー」の支援を希望する事業主の方へ|厚生労働省

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000080072.html

両立支援助成金

「両立支援等助成金」とは、従業員が育児や介護と仕事の両立を実現できる仕組みを整備したり、女性従業員の活躍推進に向けて取り組みを実施したりする事業主に向けて助成金を提供する制度です。両立支援等助成金については以下の3つのコースがあります。より詳しい情報を知りたい方は厚生労働省が提供する「2021年度 両立支援等助成金のご案内」をご覧ください。

1.出生時両立支援コース(子育てパパ支援助成金)

男性従業員が育児に関連する休業や休暇を取得する支援を行った事業者が受け取れる助成金。

2.介護離職防止支援コース
従業員の介護休業の取得や職場復帰に取り組む事業者が受け取れる助成金。

3.育児休業等支援コース
従業員の育児休業の取得や職場復帰を支援する事業者が受け取れる助成金。

リンク先:2021年度 両立支援等助成金のご案内|厚生労働省

https://www.mhlw.go.jp/content/000756789.pdf

5、まとめ

2019年4月に「働き方改革関連法」が施行された影響もあり、企業では労働環境の抜本的な改革が求められています。長時間労働や過重労働を是正し、新しい時代に即した労働環境を構築するためには、仕事と生活の調和を図るワークライフバランスの実現が不可欠です。

従業員一人ひとりが熱心かつ積極的に働くとともに、心豊かで健やかな生活を営める社会をつくるためにも、ワークライフバランスの実現に取り組んでみてはいかがでしょうか。

 

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