オンラインインターンの事例は? 採用担当者が知りたい成功のコツ
新型コロナウイルスの影響を受け、学生が企業を訪問し実際に業務を体験したり、社員と意見交換したりする機会を設けることが厳しくなっています。そのような状況下でも成果が期待できるのがオンラインインターンシップです。ここでは実施内容やメリット・デメリット、成功に導くために必要なポイントについて解説していきます。
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1、オンラインインターンシップとは
従来インターンシップは学生が企業を直接訪問し、業務を体験したり職場の雰囲気を観察したりするものです。しかしコロナ禍において、遠方からの参加を含め、移動を伴った対面のインターンシップを行うのが厳しくなりました。そこで、スマートフォンやパソコンからコミュニケーションツールを利用し、参加者が自宅や学校にいながらインターンシップに参加できるのが「オンラインインターンシップ」です。業種によってはネット上では職業体験ができないため、学生と企業のコミュニケーションを図る場として活用するケースが散見されます。
Zoomなどのオンラインインターンが広がる背景
近年、ネット回線速度の向上やコミュニケーションツールの発達によりオンラインで説明会などを実施する企業も増えています。そこに新型コロナウイルスの感染拡大が重なり、直接企業へ赴くインターンの実施が難しくなった結果、オンラインインターンの需要が高まりました。
ネット環境さえあれば、全国どこからでも参加できるオンラインインターンは、学生にとっては移動の手間が省け就職活動と学業を両立しやすいメリットがあります。そのため参加へのハードルが下がり、企業にとっても通常のインターンに比べて出身地などの枠にとらわれない幅広い学生の参加が見込めるといった利点があります。今後もオンラインインターンの活用は加速すると見られています。
2、オンラインインターンの主な実施内容とは
実際にオンラインインターンで実施する内容についてご紹介します。自社の魅力を伝えるためにどのようなことを実施すべきかを考える際の参考にしてください。
グループワーク
これまでインターンや選考の際に行われていたグループワークと同様に、オンラインインターンでも学生同士でのディスカッションなどを行います。方法はWeb会議ツールなどを用いて、おおよそ3〜5人ずつで20〜30分と対面より少なめに人数・時間設定します。採用担当者はテーマを提示した後に自己紹介やディスカッションを進めてその様子を確認します。複数のグループが同時進行でディスカッションでき、それぞれの学生の発言や個性を観察しやすいのがメリットです。
業務の体験
業務・職業体験は、実際に働くことで企業の業務内容について理解度を深めてもらうことが目的です。具体的には、コミュニケーションツールで担当者と学生が必要に応じて画面共有等を活用しながら進めます。マーケティングの企画書作成や実際の分析手法等を用いたコンサルティング業務の体験、SEの要件設計の体験など業種に則した仕事を設定します。仕事を理解してもらうことはもちろんのこと、学生の姿勢や興味・関心がどこにあるのかを探るのにも有効です。
工場見学・社内見学
コミュニケーションツールを通して、製造工場や社内の様子などを閲覧してもらいます。事前に作成した動画を使うこともできますが、スマホや小型カメラでリアルタイム配信しながら、社員の声や学生からの質問を交えながら進めることも可能です。対面の場合、安全性に考慮し限られた人数しか立ち入れないこともありますが、オンラインインターンであれば一度に多人数に参加してもらえます。
工場見学・社内見学が与えた影響については、「2021年卒における「職場見学」への影響と実施におけるポイント2点」の記事をご覧ください。
3、オンラインインターンのメリットとデメリット
オンラインインターンにはどのようなメリットとデメリットが存在するのでしょうか。ここではそれぞれについて解説していきます。
メリット
オンラインインターンは場所が限定されないことが最大のメリットです。これまで遠方であることが足枷となっていた学生を含め全国から参加者を募ることができます。採用担当者にとってさまざまな場所から参加する学生と出会えることは、自社が求める人材と出会える確率が上がることに直結します。
また、対面のインターンシップでは宿泊や移動費、昼食の準備などさまざまな費用がかかります。オンラインであればこれらのコストを抑えることが可能です。ひいては採用活動費の削減にもつながり、それらのコストを人材育成に充当するなど新たな施策も取り入れられます。
デメリット
オンラインインターンは、どうしても画面上を通してのやり取りが続いてしまいます。そのため参加している学生の集中力が途切れてしまいがちなことが難点です。これらは時間配分や1人ひとりの学生が発言できる機会を作るなど実施内容を工夫する必要があります。
さらに、対面と異なりコミュニケーションが取りにくいこともデメリットとして挙げられます。他の参加者や担当者の雰囲気や反応を探りにくいことから、学生が思うように質問や意見を出せない場合もあります。
今後、オンラインインターンを実施する企業が増えていくと似たような内容では自社への関心が薄れることも懸念されます。自社の魅力を伝え、学生が入社したいと思えるメッセージ性のあるオンラインインターンにすることがより重要となってくるでしょう。
4、オンラインインターン成功のカギとは
オンラインインターンを成功させるために必要なポイントは大きく3つあります。それぞれ解説するので、意義あるインターンとするためにも押さえておいてください。
ターゲットの学生を集められるような情報発信をする
より多くの学生に参加してもらうためには、開催時期を夏休みや春休みなど学生の長期休暇に設定するのが効果的です。実施内容は自社が伝えたい内容を盛り込むことも重要ですが、学生の仕事や会社、業界について理解したいと思うニーズを満たせるプログラムを設計し、それらを情報発信し、ながら募集することが重要です。「参加すると何が得られるか」が明確なインターンシップであれば他社との差別化も図れます。
参加者の目的やメリットを明確にし、内容を工夫する
学生が意欲的に参加してくれなければ、企業にとってもオンラインインターンのメリットが享受できず先の選考にも実を結びません。そのため参加の目的や内容が明確なインターンを実施することが重要です。これには学生目線に立ち、集中力が途切れない内容にすることと、企業側の会社の雰囲気や最近のリモートワークの実施状況などより正確に実態を伝えることを念頭に工夫を凝らしていかなければなりません。
参加者1人ひとりとコミュニケーションをとる
株式会社ディスコが2021年3月にインターネット調査を行った「インターンシップに関する調査」によると、社員との接点が十分にあったインターンシップを「大変満足」と評価した学生が65.5%だった一方で、接点がほとんどなかったものを「大変満足」と感じた割合は13.3%にまで落ち込んでいます。
(参照元:https://www.disc.co.jp/wp/wp-content/uploads/2021/04/internshipchosa_2022.pdfのp7)
この結果からも読み取れるように、オンラインインターンにおいても対面と同様に社員や担当者と十分にコミュニケーションが取れることが非常に大切です。そのためプログラム設計では、質疑応答やフィードバックの時間を十分に設けて、参加者が直接社員とやり取りできる時間を増やすことも考慮した方がよいでしょう。
前述のグループディスカッションや業務体験の際は、なるべく1つのグループに1人の社員をつけて、親身にサポートするようにしてください。また、オンラインインターン終了後もアンケートを行い参加者が納得できる内容だったか確認し、ブラッシュアップしていくことも成功へとつながるポイントです。
5、まとめ
新型コロナウイルスも影響し、企業の採用活動にも大きな変化が現れています。そのような中、広がりを見せるオンラインインターンシップは移動がなく、全国どこからでも参加できるため学生にとっては参加しやすいのがメリットです。ただ、自社の魅力を伝え、かつ学生の会社や業界を理解したいという希望を満たす実施内容を創意工夫する必要があります。
コミュニケーションツールを通したやり取りでも自社の強みや働くメリットを十分に伝えられるオンラインインターンを実施し、参加者に「ここで働きたい」と思ってもらえる採用活動につなげましょう。
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