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有効求人倍率の推移を分析 2021年の動向と予測を解説

2021年08月26日

企業にとって重要事項のひとつが人材の確保です。しかし、新型コロナウイルスの影響で景気が低迷している昨今、採用担当者のなかには、積極的に採用していくべきかどうか悩まれている方も多いのではないでしょうか。

そこで、景気の指標のひとつである有効求人倍率の推移と最新の情報をもとに今後の求人動向を予測します。

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1、有効求人倍率とは

採用戦略を練るうえでひとつの指標となるのが「有効求人倍率」です。この指標を参考にして、長期的な戦略を練る採用担当者の方も多いのではないでしょうか。
今回は、有効求人倍率の定義と計算方法、倍率の推移と将来の展望について解説します。

有効求人倍率とはハローワークの数字で非正規雇用も含まれる

有効求人倍率とは、「1人の求職者に対して、何件の求人があるかを示す数値」のことで、厚生労働省が毎月発表している景気動向指数のひとつです。有効求人倍率の数字が大きいほど、就職がしやすいと言えます。

この数値は、「有効期間内にある公共職業安定所(ハローワーク)での求人数や求職者数」から割り出されます。公共職業安定所での求人すべてということなので、正社員だけでなく、パート、アルバイト、派遣社員、契約社員などの非正規雇用の求人も含まれます。一方、公共職業安定所以外の求人、例えば就職雑誌や民間企業のサイト内での求人などは含まれません。

有効求人倍率の「有効」とは

公共職業安定所(ハローワーク)に申し込まれた求人は、申込日の翌々月末を有効期限としています。有効期限後も更新して募集を継続する場合は、改めて求人申し込みを行うことになります。よってこの「有効」とは、申込日から翌々月末までの期限内のことを指します。

新規求人倍率との違い

有効求人倍率の他に、「新規求人倍率」というものがあります。両者とも、「1人の求人に対して何件の求人があるか」を示す指標ですが、算出期間が異なります。有効求人倍率は、前月から繰り越された求人数と求職者数に、新規求人数と新規求職者数を足して算出されます。

一方新規求人倍率は、当月新たに受け付けた求人数と求職者数から算出されます。よって、新規求人倍率は、より直近の景気や雇用状態を把握できます。

有効求人倍率の計算方法

有効求人倍率は、
有効求人件数÷有効求職者数」で算出されます。
一般的にはオフィスが集中しやすい都心部の倍率が高く、地方の倍率は低くなります。つまり、都心部のほうが就職の機会が多いと言えるでしょう。


2、有効求人倍率の推移

有効求人倍率は景気と連動しています。この推移をたどることで、現在の景気の動向と、将来の展望を予測することが可能です。バブルから現在までの推移をみていきましょう。

バブルからリーマンショックまで

まず、1985年~1990年のバブル経済の有効求人倍率をみていきます。1985年の有効求人倍率の年平均は0.68倍でした。そこから徐々に上がっていき、バブルのピークである1990年の有効求人倍率の年平均は1.40倍にまで跳ね上がりました。その中でも1990年の9月と10月が最も高く1.58倍を記録しました。

しかし、1991年のバブル崩壊を境に、有効求人倍率は急降下します。1999年の年平均は0.48倍で、低迷期が続いたあと2003年前後に上昇に転じ、2005年~2007年には1倍を超えるところまで回復します。しかし2008年のリーマンショックで再度下落し、その影響で2009年の年平均は0.47倍にまで下がりました。
(参照元:https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/timeseries/html/g0301.html)

 

不況から脱却した2018~2019年

有効求人倍率は2009年の落ち込みから徐々に回復していき、2018年には1.61倍まで回復しました。2012年に発足した安倍政権のアベノミクスによる経済効果が功を奏したといえるでしょう。

2018年の企業収益は過去最高となり、1963年の統計開始以来初めて、すべての都道府県で有効求人倍率1倍を超え、不況を脱却しました。
(参照元:https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/timeseries/html/g0301.html)

2020年は45年ぶりの下げ幅

令和3年の1月29日に、厚生労働省から令和2年分の有効求人倍率が発表されました。それによると、令和2年の有効求人倍率の平均は1.18倍で、前年に比べて0.42ポイント低下しました。

これは、オイルショック後の、雇用が不安定だった1975年の前年比下げ幅0.59ポイント低下以来、45年ぶりの下落幅となりました。この下落は新型コロナウイルス感染拡大の影響によるもので、とても厳しい結果となっています。
(参照元:https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000192005_00010.html)

2021年の有効求人倍率も低調

現在、新型コロナウイルスの感染力はいまだ衰えず、感染者は日々増減を繰り返しています。東京では、4度目の緊急事態宣言が発表され、7月12日から8月22日までの42日間実施されることとなりました。

新型コロナウイルスの影響で、2021年の有効求人倍率は低い水準で横ばいに推移しています。2021年5月の有効求人倍率(季節調整値)は1.09倍で、前年度の5月と比べ、0.09ポイント下落しました。
(参照元:https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00450222&tstat=000001020327&cycle=1&tclass1=000001155146&tclass2val=0)

都道府県別の有効求人倍率(季節調整値)をみると、最高は福井県の1.70倍、最低は沖縄の0.76倍となり、地域によって差が出ています。

一方で、求人数が増えている業種もあります。卸売業・小売業では5.3%減少したものの、製造業は30.3%増加、生活関連サービス業・娯楽業は21.7%増加、サービス業(他に分類されないもの)は15.8%増加しているのです。
(参照元:https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_19412.html)

2021年の高卒新卒者の求人倍率は

新型コロナウイルスの影響で、企業は採用に慎重になっています。2021年3月末の求人数は約386,000人で、前年同期に比べ20.2%減少しました。
求人だけでなく、高卒予定者も就職に慎重になっています。高校新卒の求職者は約146,000人で、前年同期に比べ12.7%減少しました。求人倍率は令和3年3月末時点で2.64倍、0.25ポイントの低下となっています。
(参照元:https://www.mhlw.go.jp/content/11804000/000794549.pdf)

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3、今後の予測

今後の求人動向を探るには、新型コロナウイルスに関する動きと、長期的に見られる人手不足の傾向を合わせて考える必要があります。最新の統計やシミュレーションも参考にしつつ予測していきましょう。

コロナ禍やワクチン接種の影響

現在、新型コロナウイルスのワクチン接種が全国で行われています。
PwCコンサルティング会社が、新型コロナワクチン接種完了のタイミングはいつになるのかをシミュレーションした結果は以下の通りです。人口100万人都市、接種目標85%を前提とし、個別接種と集団接種に大規模接種や職域接種を加えて予測しました。65歳以上の高齢者へのワクチン接種終了日は2021年8月19日、若年者・中年者の接種完了は2022年3月9日ほどになるとの予測が出ています。
(参照元:https://www.pwc.com/jp/ja/knowledge/column/covid-19-vaccination-for-the-new-world/vol01.html)

予測通りに新型コロナのワクチン接種が完了すれば、リーマンショックほど不況は長引かないと予測されます。来春2022年3月卒業予定の大学生・大学院生対象の大卒求人倍率は1.50倍で、前年の1.53倍より0.03ポイント減少したとはいえ、ほぼ横ばいと言えるでしょう。2022年3月の大学生・大学院生対象の求人倍率をみる限りでは、コロナ禍での求人倍率の減少は歯止めがかかっている様子です。
(参照元:https://offerbox.jp/company/columns/22400.html)

人手不足の傾向

また、パーソル総合研究所と中央大学が共同で発表した「未来推計2030」では、GDPや労働力率、生産性などから、2030年における労働の人手不足数を予測しています。それによると、2030年の人手不足は644万人に上ると予想されています。

産業別にみると、人手が余剰する職種もあります。建設は99万人、金融・保険・不動産は30万人、農林水産業・鉱業は2万人の余剰です。しかし、大半の産業で人手不足になるとされています。サービス業は400万人、医療・福祉は187万人、卸売・小売は60万人、製造業は38万人、通信・情報サービスは31万人、教育は28万人、運輸・郵便は21万人、電力・ガス・水道は7万人、公務員は4万人不足すると見られています。
(参照元:https://rc.persol-group.co.jp/news/files/future_population_2030_4.pdf)

このように長期的にみると、コロナが収束し、労働需要が不足するため、有効求人倍率は高まると予測されているのです。


4、まとめ

いかがだったでしょうか。有効求人倍率は「1人の求職者に対して、何件の求人があるかを示す数値」で、景気の動向を反映する指標です。バブル崩壊後やリーマンショック後の有効求人倍率の推移をみると、下落したあと必ず回復しています。

新型コロナウイルスに関していえば、ワクチン接種は2022年の3月頃には高齢者・若年者・中高者の85%が完了するとシミュレーションされています。新型コロナウイルスが終息し景気が回復することを見据えて、長期的な視点で採用戦略を練ることが重要です。

 

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