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ホワイト企業の定義と特徴とは? 求職者に選ばれる企業になるために

企業にとって人材は重要な経営資源です。しかし、近年では人口減少や少子高齢化によって多くの企業が人材不足に陥っています。

そのため、優秀な人材の確保は非常に重要な経営課題といえるでしょう。本記事では、ホワイト企業の定義や特徴を明確化し、求職者に選ばれる企業になるためのポイントを解説します。

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1、求職者に選ばれるホワイト企業とは

企業が健全な発展と成長を通して社会に貢献していくためには、優れた人材の確保が不可欠です。したがって、企業や人に選ばれる組織とは、どのようなものであるかを把握する必要があります。

就職活動中の学生や転職活動中の求職者に選ばれるための条件に明確な答えはありません。企業ブランドや将来性、企業理念やビジョンへの共感、給与や福利厚生の充実度など、求職者によって選ぶ基準や条件はさまざまです。しかし、求職者に選ばれやすい企業には共通点があります。それがホワイト企業であるという点です。ホワイト企業とは、端的にいえば人を大切にする企業といえます。まずはホワイト企業とブラック企業のそれぞれの定義を明確にしておきましょう。

ホワイト企業の前に… ブラック企業とは

ブラック企業とは、劣悪な労働環境と違法行為で労働者を使い潰すような企業を指します。人材を利益を上げるための道具のように扱い、長時間労働や過重労働を強いるのが顕著な特徴といえるでしょう。ハラスメントが常態化しているのも大きな特徴です。ブラック企業について明確な定義はありませんが、厚生労働省のWebサイトでは、一般的な特徴として以下の項目が記されています。

1. 労働者に対し極端な長時間労働やノルマを課す
2. 賃金不払残業やパワーハラスメントが横行するなど企業全体のコンプライアンス意識が低い
3. このような状況下で労働者に対し過度の選別を行う

ホワイト企業の定義

ホワイト企業についても明確な定義はありません。一般的な定義としては、先述したブラック企業の対概念にあたるのがホワイト企業です。つまり、適切な労働環境で合法的に労働者を処遇する企業といえます。たとえば、適正な労働時間、安定した給与体系、充実した福利厚生などを提供し、企業と従業員の双方にとって最適化された労働環境を構築している企業です。

2、ホワイト企業に共通する特徴

近年、長時間労働の常態化や過重労働による過労死などが社会問題となっています。とくに2015年に起きた大手広告代理店社員の過労自死事件は大きな波紋を呼び、過重労働やハラスメントが社会問題として顕在化しました。このような社会背景もあり、2019年4月に施行されたのが「働き方改革関連法」です。働き方改革関連法によって有給の取得や残業などに対する規制が強化され、労働環境の抜本的な変革が起こりつつあります。

今後、いわゆるブラック企業は淘汰され、ホワイト企業と呼ばれる組織が生き残っていくでしょう。しかし、現状ではホワイト企業に明確な定義がないため、自社の労働環境をどのように整備すべきかを認識する必要があります。そこで、ここからはホワイト企業の特徴について解説します。ホワイト企業と呼ばれる組織はどのような特徴があり、ブラック企業とどう異なるのか具体的に見ていきましょう。

残業が少ない

ホワイト企業の最も大きな特徴のひとつが適正な労働時間です。厚生労働省のWebサイトに記されているブラック企業の特徴が「極端な長時間労働」である以上、これが筆頭といえるでしょう。日本国民は非常に勤労意識が高く、自身を犠牲にしても仕事に取り組む姿勢が美徳とされてきました。企業も従業員に滅私奉公を求め、残業が当たり前のように扱われ、定時退社がさも悪いことのように受け止められてしまう傾向さえあったのです。

働き方改革関連法の施行によって労働基準法が改正され、時間外労働は原則「1ヶ月間45時間「1年間360時間」を超えることはできなくなりました。したがって、これを大きく超えるようではホワイト企業とは定義できません。法定労働時間を超える残業や休日出勤、サービス残業などの徹底排除に取り組み、適切な労働環境を構築することがホワイト企業の条件です。

 

有給休暇取得率が高い

有給休暇の取得は、労働基準法によって義務付けられている労働者の権利です。有給休暇の取得率が低い企業は、ブラック企業体質のあらわれといえます。ただ休めないというだけでなく、パワーハラスメントの横行を疑われる可能性もあります。もちろん周囲の目が気になり有給休暇を取得しにくいといった日本人特有の性質もあるでしょう。しかしきちんと制度化され、気遣いの必要もなく、誰もが取得することを当たり前にしている企業がホワイト企業と言えます。ホワイト企業は有給休暇取得率も高く、90%以上の会社がほとんどとされています。

 

基本給が高めの傾向がある

「人はパンのみにて生くるにあらず」という言葉があるように、人は仕事に夢や目標、やりがいなどの社会的意義を求めています。しかし、当然ながら適正な評価による給与体系の構築は必要不可欠です。長時間労働かつ低賃金の労働環境は、ブラック企業の最も顕著な特徴といえます。ホワイト企業は基本給が高めの傾向にあり、残業代や賞与などで総額を膨らませるといったこともありません。基本給が高いのは、従業員の長期的な雇用と生活の安定を考えている証であり、人を大切にするホワイト企業の特徴といえるでしょう。

福利厚生が充実している

離職率が低く、成長率の高い企業がもつ特徴のひとつが、充実した福利厚生です。反対に労働者から搾取することしか考えないブラック企業は、社会保険や雇用保険の加入さえないケースもあります。生活を支える福利厚生が充実している企業は、従業員の暮らしを大切にしているホワイト企業の特徴です。心身の健康や育児などを支える福利厚生も、従業員のための配慮の印といえます。社会保険や雇用保険はもちろん、住宅補助や家族手当、社員食堂といった充実した福利厚生がホワイト企業の証のひとつです。

女性管理職が多い

女性管理職が多いこともホワイト企業の大きな特徴といえます。女性が活躍する企業は、公平な評価システムと働きやすい労働環境を備えている傾向があり、ブラック企業には見られない特徴です。また、女性管理職の多さは、コンプライアンスを意識していることのあらわれでもあります。優れた企業は性別や学歴といった外側だけで人材を評価しません。性別を問わず定量的な分析に基づいた公平な人事評価制度を導入している企業の証といえるでしょう。

研修制度が充実している

優良企業は雇用制度だけでなく、教育制度にも重きを置いています。それはコストを投じてでも末永く従業員に働いてもらいたいという企業の思いがあるからです。人材育成には非常に多くのコストを必要とします。多額のコストを要する研修制度を整備するということは、目先の利益ではなく、長期的な視点に基づく経営戦略を構築している企業の証です。従業員を育てる研修制度の構築はブラック企業にはない、ホワイト企業の大きな特徴といえます。

離職率が低い

企業体質を見極める上で非常に重要となる指標が離職率です。ここまで見てきたように、働きやすい労働環境や公平な人事評価制度、適切な給与体系や充実した福利厚生などがホワイト企業の顕著な特徴といえます。このような企業であれば、低賃金で長時間労働や過重労働を強いる企業と比較して、離職率が低いというのは自明の理といえるでしょう。もちろん、「離職率が低い=ホワイト企業」というほど単純ではありません。しかし、離職率は他の項目と違い、具体的な数字としてあらわれるため、優良企業か否かを見極める重要な指標です。離職率は四季報で確認できるため、同業界など気になる企業があればチェックしておきましょう。

3、ホワイト企業と認知される方法

就職活動中の学生や転職活動中の求職者は、やはり優良企業への就職を望む人が多い傾向にあります。したがって、優れた人材を集めるためには、世間に優良なホワイト企業と認知されねばなりません。ここでは、ホワイト企業と認知される具体的な方法について解説します。

従業員を大切にする

記事冒頭でも述べたように、ホワイト企業の最も顕著な特徴は人を大切にする企業文化です。そのため、ホワイト企業に共通する特徴の項目で挙げた要素を満たし、従業員にとって働きやすい労働環境を構築することが最も重要といえます。従業員にとって働きやすい企業文化を実現すれば、評価は後から必ずついてくるはずです。上辺だけの印象操作や数字の操作では、かえってブラックな体質があらわれる可能性があります。過程を経ずして結果は出ません。大切なのは従業員を大切にする企業文化の醸成にあるといえるでしょう。

認定制度を利用する

ホワイト企業と認知されるためには、人を大切にする企業文化の醸成に加えて、健全な発展と成長を通して社会に貢献する必要があります。しかし、やや抽象的であり可視化することもできません。

また、ホワイト企業として認知されるまでに多くの時間も要するでしょう。具体的かつ目に見える証を得るためには、公的な認定の取得が有効です。たとえば、厚生労働省の「安全衛生優良企業公表制度」や経済産業省の「健康経営優良法人認定制度」などが挙げられます。こうした公的な認定を取得することで、ホワイト企業であることをアピール可能なだけでなく、実際に企業の労働環境や慣行を客観的に改善できる側面もあります。

4、まとめ

日本の人口は減少の一途を辿っていると同時に、超高齢化社会へとなりつつあります。その流れは今後も加速すると予測され、ますます人材の確保が困難になるでしょう。いわゆるホワイト企業と呼ばれる、人を大切にする企業文化を構築することで、従業員のエンゲージメントの向上や離職率の低下につながります。ぜひ本記事を参考にして、新しい時代に即した企業文化を醸成してください。

 

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