新卒・中途採用の定着率を高める方法とは?原因や適した人材の見極めるポイントを紹介!
高校・大学の卒業者が対象となる新卒や中途採用で良い人材を獲得できたとしても、その後の定着率について課題が残るケースは少なくありません。採用側がミスマッチだったと感じることもありますが、働き始めてから社員に不満が出てきたり、「入社前のイメージと違った」といった理由で離職したりすることがあります。
今回は、新卒および中途採用後の定着率や離職率の現状と併せて、採用後に社員が定着しない理由や定着率を高めるための対策について紹介します。長く働いてくれそうな人材を見極めるポイントについても解説していますので、採用の判断で迷った際にお役立てください。
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(1)新卒・中途採用後の定着率
まずは、新卒入社や中途採用後における、定着率の現状について見ていきましょう。
◇新卒採用における定着率の現状
新卒社員の場合、一般的に入社してから3年以内の退職を「早期離職」と定義されています。厚生労働省では、早期離職率について毎年統計を公開しており、2010年以降の大学の新卒離職率は例年ほぼ3割程度、高校の新卒離職率は例年ほぼ4割程度で推移しています。
また、産業別の離職率の内訳では電気やガスなどのインフラ事業の離職率は1割以下と低く抑えられている一方で、サービス業や福祉関連などの離職率は4~5割と高い傾向にあり定着率が低いという結果がでています。
サービス業や福祉関連の職種は、人と関わるなかで経験しないとわからないことが多く、新卒で入社してきた社員が事前に描くイメージと、実際の労働環境にギャップが生じやすいことが定着しない理由となっている可能性もあるでしょう。
◇中途採用における定着率の現状
中途採用の離職率は新卒よりもやや高い傾向にあり、3年以内に約4割程度の人材が会社に定着せず退職してしまいます。新卒入社よりも知識や経験がある中途採用の場合、「経験者だから」「即戦力になるから」といった理由で、いきなり多くの仕事を任されてしまうケースがあります。また、定着しない理由として経験があるからこそ、前職と比較して不満が募ってしまうケースも考えられるでしょう。
中途採用は新卒採用に比べると採用コストも高くなるため、中途採用者が定着しないことは会社にとって痛手になりやすく、条件のすり合わせや人材の見極めが定着率を高めるうえでより重要となります。
(2)新卒・中途採用後に社員が定着しない理由
新卒や中途採用後に社員が会社に定着しないおもな理由には、以下のような点が挙げられます。
◇新卒が会社に定着しない理由
大学を卒業し入社した新卒社員が会社に定着しない理由について、厚生労働省が公表している平成30年のデータによると「労働時間や休日の条件が良くない」という回答がもっとも多く、全体の3033.2%を占めていました。
この他にも「職場での人間関係が悪い(21.3%)」「賃金の条件がよくない(20.9%)」などを合わせると、7割以上の新卒社員が賃金や育成環境などの労働条件に不満を感じて会社を離職していることがわかります。
また、高校を卒業し入社した新卒社員が定着しない理由としては、「職場での人間関係の悪さ(29.0%)」が一番多く、その次に「労働時間や休日の条件が良くない(28.7%)」、「賃金の条件がよくない(26.1%)」となります。
【高校卒】
1位:職場での人間関係が悪い(29.0%)
2位:労働時間や休日の条件が良くない(28.7%)
3位:賃金の条件がよくない(26.1%)
【大学卒】
1位:労働時間や休日の条件が良くない(33.2%)
2位:職場での人間関係が悪い(21.3%)
3位:賃金の条件がよくない(20.9%)
そして、「頑張っても評価されない」「モチベーションにつながらない」といった不明確な評価基準も、仕事に対する向上心を削いでしまい離職に繋がる理由となるでしょう。
◇中途が会社に定着しない理由
厚生労働省が公表している平成30年の雇用動向に関する調査結果では、契約満了や出向などを除くと、もっとも多い理由として、男性は給与・収入の少なさ(10.2%)、女性は労働条件の悪さ(13.4%)を挙げています。前職と比較して「収入が低い」「労働条件が悪い」と感じる原因には、入社前に抱いていた仕事のイメージと実際の状況にギャップがあったことが考えられるでしょう。
また、条件に不満がなくても経験やスキルを評価されて入社した場合には、社内の期待に対するプレッシャーを感じて頑張りすぎてしまい次第に不満が蓄積するケースも少なくなりません。
同業種を経験している中途採用者であっても、新しい職場では細かな規則を覚えたり、信頼関係を構築したりする苦労があります。そのため、人間関係や労働環境へ不満を抱かないような体制づくりが会社には求められます。
(3)新卒・中途の離職率を下げるための対策
新卒や中途採用で会社に入社した社員の定着率を高めるためには、以下のような対策が必要になりますので、ぜひ実践してみましょう。
◇募集や選考で実施すべき対策
採用後の定着率を高めるうえで、求人情報や選考の際に案内する会社情報はとても大切です。会社の良いところばかりを見せるのではなく、悪いところもしっかりと説明することで入社後のミスマッチを減らし、定着率を高められるでしょう。
また、会社が持つ魅力についてよく知ってもらうために、応募者に対して魅力づけをすることも重要です。会社をより理解し、風土や方針に納得したうえで会社に入社してもらえば、働き方についてもポジティブに受け止めやすくなるでしょう。
◇入社後に実施すべき対策
入社後に実施するべき対策としては、できるだけ社員間でのコミュニケーションを促すことが挙げられます。入社後の不安や問題点について、上司や同じチームのメンバーが相談に乗れるような時間を作るなどして、早期に悩みを解決できるフォロー体制を整えることが大切です。
また、働きぶりや成長に応じて、正当に評価されるような体制を作ることも重要です。業務に関する成果の可視化や、そこに至るまでのプロセスを評価することで、社員のモチベーション低下を抑えられるでしょう。併せて、評価に応じて収入にも反映される、給与体系の整備といった点も会社全体で取り組むべき課題として重要となります。
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(4)適切な人材の見極め方
採用時に入社後定着しやすい人材かどうかを見極めるポイントについても解説します。
◇応募書類で見極める方法
新卒の場合は経験からは判断しにくいため、志望動機や入社意欲の程度を見て判断することが重要になります。出身大学や資格といったわかりやすいものにとらわれず、熱意や意欲について注目することが大切です。
中途採用の場合は、応募書類のフォーマットを指定して比較しやすくすることも一つの方法です。また、あえてフォーマットを指定せず、職務経歴の見やすさやプレゼンテーションのスキルを確認する方法なども実践してみるとよいでしょう。
◇適性試験で見極める方法
適性試験の結果から人材を見極める場合は、会社に合った人物像を設定する必要があります。どのような適性の人物が会社に合っているかを正しく設定できれば、適性試験による見極めの精度は高くなるでしょう。
適性試験を利用する場合は、人物像の設定に加えて、求める人材の見極めに適した試験を選ぶことも重要になります。適性試験を行なって採用に至れば、試験結果とその後の定着率をデータとして蓄積することもできるため、次回採用時の大きな目安にもなるでしょう。
◇面接で見極める方法
採用時の面接では、書類だけでは測れない人柄やポテンシャルで見極めることになります。入社後に起こりうる事態についてどのように対処するのかなど、採用後の働き方について予想しやすい質問をあらかじめ用意しておきましょう。
(5)まとめ
新卒や中途採用で入社した社員のうち、3割前後が3年以内に会社を退職する早期離職者となる傾向があるようです。入社しても定着しない理由には、賃金や育成に関する労働条件や人間関係に対する不満の声が多く、その原因には採用時の説明や採用後のフォローアップ、評価体制などに問題があると考えられます。
採用後の定着率を高めるためには、入社前に会社の魅力や方針などをしっかりと伝え、採用後は新人の育成プランやこまめなコミュニケーション、適正な評価基準の設定といった対策をとる必要があります。また、応募書類や適性試験、面接などで会社に合った人物を見極めることが大切です。
現在、自社で早期離職者が続いているという企業は、一度どこに問題があるかを洗い出してみたほうがよいでしょう。そして、今回紹介した対策などを参考に、社員が定着する体制づくりをしてみてください。
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