「注目を集める高卒採用」その理由と導入に向けて知っておくべきこと | 記事一覧 | 高卒採用Lab 高校生採用を科学する

「注目を集める高卒採用」その理由と導入に向けて知っておくべきこと

年々深刻化していく人手不足。

特に、新卒採用の中でも大卒採用における母集団形成はかなり難しいものになっています。

そんな中、人手不足を解消する手法としてにわかに「高校生の新卒採用」が脚光を浴びています。

本記事では、何故、高卒採用に注目が集まっているのか、高卒採用の基本、メリットやデメリットなどについて深堀を行っていきます。


(1)多くの企業が取り組みを始めている「高卒採用」

前途した通り、採用現場の人手不足は年々進んでおり、今後も更に深刻化していくことが予想されます。

リクルート研究所の調査によると20卒大学新卒者の採用を「増やす」と回答した企業は13.8%、「減らす」と回答した5.9%を大きく上回る結果となりました。

大学生の売り手市場は更に激化し、大卒採用における採用はより難しいものとなっています。

そんな採用現場で、人手不足の解決や今後益々厳しくなるであろう若手人材の確保に備えて、高卒採用に取り組みを始める企業が年々増え続けています。

図でもわかる通り、コロナウイルスの影響があった令和3年を除けば、リーマンショックのあった2008年以降、高卒採用の求人数は増え続けています。

 


(2)高卒採用の流れとルール

注目を集める高卒採用ですが、大卒採用とは大きく異なる独自のルールが存在することをご存じでしょうか?高卒採用では健全な学校教育をまずは最優先させた上、適正で公正な就職の機会を与えられるため、未成年である高校生を守るために「三者協定」により様々な独自のルールが存在します。

ここでは、高卒採用の基本となるルール5点を紹介します。

1.学校斡旋と自己開拓

「学校斡旋」では、採用を行う企業はハローワークに求人票を提出し、受理・発行された求人票を基に高校に求人を届け、高校生は学校に届いた求人票の中から企業を選定し、就職活動を行います。

「自己開拓」では、学校を介さずに高校生が自ら求人サイトや就職イベントで求人を探し、就職活動を行うことです。情報が簡単に入手できるこの時代では自己開拓を行う高校生も増えており、2021年より先は更に自己開拓を行う生徒が増えることが予想されます。

2.一人一社制

「学校斡旋」による高校生の就職活動では大学生とは違い、基本「一人一社」しか応募を行うことができません※1。高校生は一社選考を受けて内定をもらった場合、家庭の事情などの大きな理由がない限り就職活動を終了します。不合格になった場合、次の一社を決めて就職活動を再開するといった、未成年である高校生を守るためのルールです。内定辞退率が大卒採用と比べてもかなり低い要因はここにあります。

※1.例年10月1日~は複数応募可、一部地域によっては応募解禁時から複数応募可

3.求人票の作成

高校の紹介を受けて高卒採用をするには、まず「ハローワーク(職業安定所)」への求人票の登録が必要です。求人票の登録は一般(中途やアルバイト)の枠とは違い、高卒新卒専門の求人票があります。
ハローワークに申請した求人情報は「高卒就職情報WEB提供サービス」と求人票に落とし込まれます。企業はこの求人票を元に、先生や生徒に求人情報を届けることになります。

4.採用フロー

学校斡旋で採用活動をする企業は、ハローワークから許諾された求人票を使い、学校を通じて求人情報を提供します。企業から郵送や訪問を通して受け取った求人情報を元に、学校の進路指導教員は生徒に情報提供します。そして、生徒は情報が提供された中から志望する企業を選定し、学校を介して職場見学や応募、面接のやり取りを行います。(2020年12月現在)
採用フローやスケジュールを厳格にする目的は、学業優先のため、仕事に関する知識・経験に乏しい高校生が適切な職業選択ができるよう、円滑に就職活動を進めるためのものです。
一方で、紹介する教員のフィルターが発生し、生徒に届く情報量が少なくなったり、選択肢の幅が狭くなるといった課題も指摘されています。

5.面接

高校生の就職では「本人の能力と適性」に直接関係のない事項を採否決定の判断基準とはしてはならないというルールがあります。(2020年12月現在)
注意すべき点は「就職差別に繋がるおそれのある質問」を行わないことです。もしも下記に該当する質問を面接内で行ってしまい、学校からハローワークに通知がいってしまった場合、指摘が入る可能性があるので注意しましょう。

<面接で聞いてはいけない項目>
1. 国籍・本籍・出生地に関すること
2. 家族に関すること(※要注意)
3. 住宅状況に関すること
4. 生活環境・家庭環境に関すること
5. 宗教に関すること
6. 支持政党に関すること
7. 人生観・生活信条等に関すること
8. 尊敬する人物に関すること
9. 思想に関すること
10. 学生運動や労働組合等の社会活動に関すること
11. 購読新聞・雑誌・愛読書に関すること(※要注意)
12. 身元調査の実施
13. 「全国高騰学校統一応募容姿」に基づかない事項を含んだ応募書類の使用
14. 合理的・客観的に必要性が認められない採用選考時の健康診断の実施


(3)高卒採用を始めるメリットとデメリット

新卒採用市場は空前の売り手市場により、多くの企業が採用に苦戦している状況が見受けられ、この状況はまだまだ継続されていくことが予想できます。

そんな渦中で高卒採用を導入する企業は増加傾向にありますが、高卒採用を導入することのメリットやデメリットはどんなところにあるのでしょうか?それぞれ下記にまとめました。

メリット

・内定辞退がほぼないため、採用活動にかかる時間が圧倒的に短い

・採用コストを抑えることができる

・他採用チャネルに比べるとブルーオーシャンである

デメリット

・大卒採用とルールが大きく異なるため、導入まで時間がかかる

・学校斡旋での就職が多数のため、マンパワーがかかる

・大卒採用と比較すると、離職率が高い

まず着目すべきは「内定辞退率」です。大卒採用では約65%以上あるといわれている内定辞退率ですが、高卒採用においては約2%以下と言われています。

この低い内定辞退率は、高校新卒者の就職活動の独自のルールである「一人一社制」が要因になっています。就職を希望する高校新卒者は、一社から内定をもらった時点で就職活動を終了しなければならないため、大卒者のように多くの企業との併願が行えないため一社から内定をもらった場合その時点で就職活動を終了するケースがほとんどです。

大卒採用では内定者フォローにかなりの時間を要するのに対して、高卒採用ではその時間が不要になるため、大卒採用と比べても採用活動の時間を大きく短縮することができます。

また、一人当たりの採用単価を調べてみたところ、大卒採用では※約53.4万円に対して高卒採用では約10~50万円と、比較的安価に採用をおこなえることも魅力の一つと言えるでしょう。

一方で、高卒採用には独自のルールが存在しているため、導入を行う際には若干の障壁が存在します。また、学校斡旋が就職の主流となっている高卒採用では、高校の先生にアプローチを行うことがほぼ必須のため、高校訪問や求人票の発送など採用担当者のマンパワーがかかってしまうなどのデメリットも存在します。

新卒採用担当者は、それぞれのメリットとデメリットを見極め高卒採用を導入するか検討が必要です。

※弊社調べ(2020年12月現在)

(4)まとめ

高卒採用は大卒採用とは違い、未成年を採用対象とした新卒採用です。

それに伴い、独自の文化やルールが根付いており、高校生や企業ともに活動に制限があります。

それに乗じ発生するミスマッチと早期離職、企業は求人サイトや求人イベントに積極的に参加するなど、より多くの高校生に求人を届けることと、企業について具体的に知ってもらえるような工夫が必要になります。

まだまだ独自のルールや特有の課題が多い高卒採用市場ですが、人手不足の深刻化が進む昨今。高卒採用は引き続き注目が集まる市場となることが予想されます。

高卒採用ならではのメリットやデメリットを見極め、高卒採用を検討していただけると幸いです。

 

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