令和4年発表|高卒3年以内の離職率35.9%!離職率が高い理由と対処法を解説 | 記事一覧 | 高卒採用Lab 高校生採用を科学する

令和4年発表|高卒3年以内の離職率35.9%!離職率が高い理由と対処法を解説

令和4年に発表された厚生労働省の調査によると、高卒者の3年以内の離職率は35.9%にのぼることが判明しました。
つまり、高卒の3人中1人、企業によっては3人中2人が3年以内に離職してしまうということ。高卒者を採用する企業からすると離職率を下げる方法を知りたいところでしょう。
そこでこの記事では、高卒者の離職率が高い理由と、高卒者の離職への対処法を解説します。
さらに、離職率の推移も含めて分析し、企業がどのように対応すべきかを明らかにします。
企業の方は、ぜひこの記事を読んで、高卒の離職率改善のヒントを得ましょう。

【厚生労働省調査】令和4年の高卒3年以内離職率は35.9%

厚生労働省が令和4年に発表した平成31年3月の高卒生の3年以内離職率は、35.9%でした。

(引用:mhlw.go.jp

離職率の年次別の内訳は、1年目で16.3%・2年目で10.1%・3年目で9.6%という結果になりました。
年数を重ねるごとに離職率は下がっていくことから、高卒1年目で離職を防ぐことが重要であることがわかるでしょう。
この章では高卒の3年以内離職率について「推移」「産業別の離職率」「事業所規模別の離職率」から、高卒の離職率の詳しい状況を把握しましょう。

高卒の3年以内離職率は低下傾向

令和4年の厚生労働省調査によると、高卒の3年以内離職率は35.9%となっており、前年度と比較して1.0ポイント低下しています。
さらに、以下の昭和62年からの推移を確認する限り、離職率は低下傾向にあることがわかります。

(参照:mhlw.go.jp

一方で、新規大学卒就職者の3年以内離職率は31.5%で、前年度と比較して0.3ポイント上昇しています。
昭和62年からの推移を確認しても上昇傾向であることが明確です。

(参照:mhlw.go.jp

数十年スパンで確認すると大卒と高卒の離職率の推移には大きな違いがあるのです。

産業別に見る高卒3年以内の離職率

続いて、産業別で高卒3年以内の離職率を確認していきましょう。
厚生労働省の調査によると、最も離職率が高いのは「宿泊業・飲食サービス業」で、60.6%となっています。

(参照:mhlw.go.jp

宿泊業で離職率が高い原因は、一般的にハードな業務内容や休日の少なさなどが影響しています。
ただし、以下の同調査の通り、大卒の就職者でも「宿泊業・飲食サービス業」の離職率が高いことから、高卒就職者であることが原因ではないようです。

(参照:mhlw.go.jp

高卒・大卒共に「生活関連サービス業、娯楽業」や「教育、学習支援業」なども3年以内離職率が高いことが同調査で判明しています。
ほとんどの業種で高卒と大卒就職者の離職率に違いはありませんが、建築業に関しては両者の差が開いています。
自社が離職率の高い産業になっているのかを把握しておくことで、早期離職の対策につながるでしょう。

事業所規模別の高卒3年以内離職率

高卒の3年以内離職率は事業所規模によっても違いがあります。
厚生労働省の調査によると、以下のように事業規模が大きくなるに連れて離職率は低下します。

(参照:mhlw.go.jp

事業規模が大きい事業所は、福利厚生や賃金・労働環境への意識が高い傾向にあることが離職を防いでいると言えるでしょう。
一方で、事業所規模が小さい場合、労働環境への配慮がまだ足りない事業所が多いのも事実です。
5人以下の小さな事業所では、離職率は60%を超えるなど改善の余地があることがわかります。

【アンケート】高卒の離職率が高い理由

高卒採用では入社1年の間に実に16.3%もの退職が発生しております。

高校新卒の新入社員は、どのような理由で会社を辞めていってしまうのでしょうか?

弊社で2019年3月末〜4月にかけて実施をした、高校生で就職活動を行った全国の社会人に向けたアンケート調査から回答をご紹介します。

アンケート調査概要
【調査期間】2019年3月19日(火)~4月10日(水)
【調査内容】高校生の就職活動についてのアンケート調査(無記名)
【調査対象】高校生で就職活動を行った全国の社会人
【回答方法】紙での回収(当社スタッフへの手渡し、FAXにて送付)/ WEBアンケート
【有効回答数】284名

自社の高卒離職率の改善に役立てていきましょう。

アンケート①:入社前と入社後で会社のイメージは変わりましたか?

退職者は継続就業者に比べて「入社後の会社のイメージが悪い意味で変わった」との回答が多く、割合では半数近くにのぼりました。
就職活動中に感じていた会社の雰囲気や入社前に期待していたことについて、実際に入社してギャップがあったと言えます。

アンケート②:離職した理由は何ですか?

離職理由では「人間関係」 「組織・社風」といった主に「人」が影響する要素や「職務」などが上位に上げられています。
入社前と後でのイメージのギャップ、つまりミスマッチが早期離職の理由に大きく関わっていると推察できます。
ミスマッチは大卒と比較して入社前の企業との接点回数が圧倒的に少なく、企業理解の機会が得られにくい就職活動であること。そして、画一的な情報が掲載されている求人票での企業選びを行っていることに原因があるかもしれません。
早期退職した高卒社員はリクルート研究所の調査によると、その後の転職で、フリーターや非正規雇用に就く方が36.2%です。25.3%の大卒と比較しても非正規雇用に再就職する人が10.9%高い数値となっています。
採用した高卒者がフリーターや非正規雇用者にならないためにも、せっかくの縁で採用した大切な新卒社員を育成し長く活躍してもらいたいのが人事の想いでしょう。

高卒の離職率を下げるために行うべき3つの対処法

ここまでで高卒就職者の離職率について解説してきましたが、いざ自社のことになると対処法がわからず困っている方も多いでしょう。
離職率低下を実現するためには、以下の3つの対処法を行いましょう。

  • 高卒社員の退職タイミングを知る
  • 高卒社員から悩みをヒアリングする
  • 待遇を見直す

それぞれについて解説します。

高卒離職率を下げる方法①高卒社員の退職タイミングを知る

当社が入社1年目の高卒社員に対してとったアンケートによると、退職に注意すべき時期は4月~5月、8月~10月です。
4月~5月は「高校生気分から抜けられていない」「1人でできることが少ない」「わからないことが多い」「ミスが多い」などの声が多くありました。
その状態のままGW休暇に入ってしまい、そのまま退職をしてしまうというケースも。
そこで4月末の段階での面談、メンタルケア、フォローアップ(今後期待したいことを伝える等)を実施することで、新卒社員の気持ちを引き上げていくことが重要になります。

次に8月~10月、1つ目の山を乗り越えた新卒社員は、少しずつ仕事を覚えていきながら、だんだんと現場で独り立ちをするようになってきます。
しかし、独り立ちした時期にこそ注意が必要です。
「わからないことがあっても誰にも聞けない」「放置されてしまっている」「同期と比べてしまう」という状態に陥りやすく、新卒社員のメンタルが不安定になりやすくなり退職の危険があります。

高卒離職率を下げる方法②高卒社員から悩みをヒアリングする

高卒の離職率を下げるための対処法の2つ目は、高卒社員から悩みをヒアリングすることです。
社員が抱える悩みや不満を早期にキャッチし、適切な対応を行うことで、退職を防げます。
定期的な面談やアンケート調査を通じて、職場環境や人間関係、業務内容などに関する悩みを引き出しましょう。
特に、高卒社員は職場での悩みを持ちやすいため、気軽に相談できる環境を整えることが重要です。
上司や人事担当者との距離感を縮め、信頼関係を築くことで、悩みを打ち明けやすくなります。
また、社内でのメンターや相談窓口を設けることも有効です。
悩みをヒアリングした上で、個々の社員に対して柔軟な対応を行いましょう。
例えば、業務内容の見直しや人間関係の改善、研修や教育プログラムの充実など、具体的な対策を講じることで、高卒社員の離職率を下げることが可能となります。

高卒離職率を下げる方法③待遇を見直す

高卒の離職率を下げるための対処法の3つ目は、待遇を見直すことです。
給与や福利厚生、労働時間などの待遇が不十分な場合、社員のモチベーション低下や退職を招くことがあります。
特に、学歴別の初任給に関するデータによると、高校卒の初任給は平均で16万7400円です。
平均を下回る場合、給与面での待遇が悪いと言えるでしょう。
給与だけでなく、福利厚生や労働時間も重要な要素です。
例えば、健康保険や厚生年金、休暇制度などの充実を図ることで、社員の働きやすさを向上させられます。
また、長時間労働が常態化している職場では、労働時間の見直しや労働環境改善に取り組むことが求められます。
待遇改善策を講じることで、高卒社員が働きがいを感じ、長期的に職場で活躍できる環境を整えることが可能です。
良好な待遇が整うことで、高卒の離職率を下げる効果が期待できます。

【まとめ】高卒離職率が高い理由と離職を防ぐ対処法

令和4年の厚生労働省調査によると、高卒者の3年以内離職率は35.9%でした。
事業規模や産業などによって離職率の違いはあります。
自社が全国平均と比べて離職率が高い場合、以下のような対策をとりましょう。

  • 高卒社員の退職タイミングを知る
  • 高卒社員から悩みをヒアリングする
  • 待遇を見直す

この記事を参考に高卒就職者の離職率が改善されることを願っています。

高卒採用ラボでは、高卒採用【高卒採用がはじめてのかたへ】を考えている企業のための情報を発信しています。 独自の調査結果や高卒採用のノウハウ、企業の採用担当者からのインタビューなどあらゆる視点から「高校生の採用」を実施する企業へ価値ある情報を提供します。

基本ルールが理解できる! 高卒採用初心者向け無料セミナーはこちら


先ほどの画面から「記事を印刷する」ボタンを押して、印刷設定を開いてください

Chrome、Firefoxの方
Chrome
「送信先(Firefoxの方はプリンター)」のプルダウンから「PDFに保存」を選択して「保存」を押してください
Safariの方
Safari
印刷設定画面下部のプルダウンから「PDFとして保存」を選択して「保存」を押してください
Edgeの方
Edge
「プリンター」のプルダウンから「PDFとして保存」を選択して「保存」を押してください

貴社は採用にお困りではありませんか?

  • お問い合わせ

    高卒採用Labに関するご意見やご感想などについては、お問い合わせフォームからお寄せください。

    内容について確認後、後日担当者より折り返しご連絡差し上げます。

    お問い合わせ

  • 資料ダウンロード

    高卒の基本情報から、高卒採用で成果を出すための実践編まで、幅広い資料をご用意しています。

    高校生の新卒採用メソッドについて、豊富な事例をもとにわかりやすく解説。ぜひご覧ください。

    資料ダウンロード

  • メルマガ登録

    高卒採用の最新情報をお届けします。

    ※ご登録いただいたかたは「個人情報の取り扱いについて」に同意したものとみなします。

    案内を希望する