ポテンシャル採用の定義と面接でのポイント
少子高齢時代において、若手人材の確保は難しい状況にあり、今後さらに困難を極めます。人材確保が困難になるにつれてポテンシャル採用という採用手法を取り入れる会社が増えてきました。そこで改めて「ポテンシャル採用」についてその言葉の定義とメリット、デメリット等を詳しく解説していきたいと思います。
目次
1、ポテンシャル採用とは?
2、ポテンシャル採用の導入企業
3、ポテンシャル採用のメリットとデメリット
4、面接で見極めるポイント
5、まとめ
1、ポテンシャル採用とは?
採用は大きく分けると「キャリア採用」と「ポテンシャル採用」があります。キャリア採用は御存じの通り、就業経験があり、即戦力となり得る知識や経験を持っている人を採用することです。それに対してポテンシャル採用というのは、現在のスキルや前職の実績は関係なく、求職者の【将来性】【成長性】【熱意】【人柄】などを求職者の資質や可能性を総合的に判断して、今後活躍が期待できる人を採用することです。よって人事は、その人の持つ才能を見抜いたうえで、適正なポジションや職種に充てる必要があります。
主に20代の若手人材を採用する手法として用いられ、高卒、大卒の新卒採用、第二新卒採用、中途採用など様々な場面で実施されます。近年は、企業規模にかかわらずポテンシャル採用を導入する企業が増えています。
2、ポテンシャル採用の導入企業
ポテンシャル採用は、中小企業で多く取り入れられてきましたが、少子高齢化により若手人材の確保が年々難しさを増してきた今、大手企業のヤフー株式会社やサイボウズ株式会社、JR東日本旅客鉄道株式会社など業種・職種を問わず、様々な企業で導入されています。
ヤフー株式会社では、2016年に新卒一括採用を廃止し、経歴にかかわらず30歳以下の方であれば応募できる採用を始めました。導入した背景として従来の中途採用では実現できなかった、第二新卒や既卒の方も平等な選考機会を提供できるように新たな採用手法を始めました。入社時期は4月と10月で設けられています。
またサイボウズ株式会社でも、採用難を打破しようと始めた「U⁻29(ユニーク)採用」という29歳までの方が応募できるというポテンシャル採用を通して、多様な経験を積んだ人材を組織に加えてチームワークの強化を図りました。
3、ポテンシャル採用のメリットとデメリット
ポテンシャル採用のメリットとデメリットについて解説していきます。
<メリット>
企業側のメリット
・若手社員が少なく、バランスがとれていない組織体制を改善することを期待できる
・若いうちから教育できるため、将来の幹部候補としての採用に最適
・今後、困難を極める若手人材を確保する新たな手段となる
・需要が高まっている第二新卒の採用手法として期待ができる
求職者のメリット
・社会人経験のない新卒や既卒にとって、可能性が広がる
・ある程度長く会社に勤めた方でも、新たなキャリアに挑戦できる
<デメリット>
企業のデメリット
・研修やトレーニングなど人材育成に時間を要すること
・将来活躍できる人材だと人事側で見抜く力が必要になる
求職者のデメリット
・中途のポテンシャル採用であれば、収入が前職より低くなりがちである
4、面接で見極めるポイント
では、ポテンシャル採用を導入した際に、面接でどのように見極めればよいでしょうか。新卒採用と中途採用で分けて確認してみましょう。
<高卒・大卒の新卒採用に関するポテンシャル採用>
就業経験がないため、これまでの活動(部活、アルバイト、ボランティア、係り活動)はどのようなことをしたのか、その経験を通して何を学んだのかを質問し、答えてもらった内容や話し方、態度などから判断します。エピソードの中の挫折経験や感動経験が高い方は、ふり幅が大きいので社会での活躍を期待できます。
そして、習慣にしていることも聞いてみましょう。「連絡がマメ」「レスポンスを早くするように心がけている」「日記を書いている」「体重計に毎日乗っている」など様々な回答があるかと思いますがそういった質問をすることで本人の気質が伺えます。
<中途採用に関するポテンシャル採用>
業種・職種が異なっても自社が求めている人物像の「核」となる部分が求職者が持ち合わせているか、また、大事にしているマインドや企業理念に共感するベクトルが同じだと感じた方を採用しましょう。よって、予め最低限必要だと思うスキルを洗い出してから採用活動をする必要があります。
(例)募集職種:キャリアコンサルティング
→人に寄り添って話を聞き、その人の悩みを解消できるような職種
→だから「問題解決力と臨機応変に対応できる人材」がほしい
面接を通して、これまでの経験を質問しながら「問題解決力と臨機応変に対応できる人材」かを見極めていきます。
5、まとめ
ポテンシャル採用とは、求職者の本来の資質や将来の可能性を見極めて採用する手法のことです。
今後、さらに若手の確保が難しくなることが予想されるため、新たな採用手法を取り入れていくことも検討すべきです。ポテンシャル採用を通して、社内の組織体制の改善を測り社内活性化に努めましょう。
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