【採用担当必見】高校生の就職面接マニュアル〜流れと注意事項〜 | 記事一覧 | 高卒採用Lab 高校生採用を科学する

【採用担当必見】高校生の就職面接マニュアル〜流れと注意事項〜

弊社では、高卒採用を行う企業様から「面接時に質問事項が制限されているが、どんな質問ができるのかわからない」というご質問をよく頂きます。
あらかじめ理解しておかないと、高校生が公平な選考がなされていないと判断し、ハローワークへの報告や企業への勧告に至るケースもあります。
そこで、本記事では面接で何を聞けばいいのか困っている人事・採用担当者向けに、不適切な質問事項と良い質問例や事前対策の方法について紹介します。

高卒就職への面接〜合否通知までの流れ

まずは、どのような流れで面接を行い、合否通知まで行うのかを理解しておきましょう。
厚生労働省によると、令和4年3月に高校を卒業する生徒の就職活動の流れは以下の通りでした。

上の画像の通り、6月の求人解禁から9月末にかけて行われる採用活動を経て、22卒採用においては9月5日以降に高校から応募が届きます。
そして、9月16日より選考が解禁され、随時選考が開始されます。
高卒採用の場合は、選考で「面接」のみを行う企業が多い傾向です。
採用したい高校生像に合わせた選考を行いましょう。
その後、選考を経て、合否通知を行います。
高卒採用の場合、一人一社制というルールがあるため、選考から1週間以内に文章をもって合否通知を行うようにしましょう。
なお不採用の場合には、該当する生徒の応募書類を学校に返却するとともに、併せて不採用の理由も通知することが定められています。
合否通知が1週間を超えた場合、高校によっては先生がハローワークに連絡を行い、企業はハローワークから注意を受ける場合があります。

高卒就職者に対して面接をする際の5つの注意点

優秀な高卒人材を獲得する中で、面接は最も重要です。
面接の質を高めるためにも、以下の5つのポイントを面接官全員が意識しましょう。

  1. 事前準備を怠らない
  2. 差別に繋がるNG質問を把握しておく
  3. 好感を持たれる面接官の態度や行動を意識する
  4. ハロー効果を排除する
  5. 採用基準を明確にする

それぞれしっかりと理解して、面接に挑みましょう。

注意点①事前準備を怠らない

面接では、人材の適正や能力を判断することに集中しなければいけません。
集中するためには、以下のような準備を事前に行い、トラブルを予防しましょう。

オンライン面接
・インターネット環境
・カメラ・マイクの設定
・メモの仕方
・面接ツール

対面での面接
・会場の設営(椅子など)
・待合スペースの確保
・案内の設置

面接の場では、求職者も企業を見極めています。
トラブル続きでスムーズな面接ができない場合、優秀な人材が他社に流れてしまう可能性もあります。
事前準備は企業の競争力向上に繋がるため、非常に重要です。

注意点②差別に繋がるNG質問を把握しておく

面接では、聞いてはいけない質問がいくつかあります。
これは、厚生労働省も公式にNG質問として定義しています。

概要具体的な情報
本人に責任のない事項の把握・本籍・出生地に関すること 
・家族に関すること
・住宅状況に関すること
・生活環境・家庭環境などに関すること
本来自由であるべき事項の把握・宗教に関すること
・支持政党に関すること
・人生観、生活信条に関すること
・尊敬する人物に関すること
・思想に関すること
・労働組合に関する情報(加入状況や活動歴など)
・学生運動など社会運動に関すること
・購読新聞・雑誌・愛読書などに関すること

上記のような求職者の適正や能力とは関係がないことを応募用紙や面接で質問をすることは、就職差別と認識されてしまいます。
「尊敬する人物に関すること」や「愛読書」などは、絶対にNGという訳ではありませんが、十分に差別に繋がる可能性があるため避けておいた方が無難です。

もし、これらの質問をした場合、高校生から先生への面接のフィードバックにて先生が不適切と判断する場合があります。
不適切と判断された場合、高校からハローワークに連絡がいき、指摘が入ることがあるので、注意しましょう。

これまで、高校からハローワークへの通報の中でも特に多かった質問例は以下の通りです。

質問内容具体的な情報
お父さんはどんな仕事をしてるの?アイスブレイクのつもりで何気なく家族のことを聞いてしまうことがありがちですが、高卒採用において「家族」の質問はNGワードです。
普段どんな本を読んでる?面接では聞きたいと思う項目ですが、生徒の回答によっては思想を質問されたと判断されることもあります。

他にも「住宅状況や生活環境に関する質問」「本籍・出生地に関する質問」などの通報事例が多いようです。採用担当は、事前に質問してはいけない項目を把握した上で高校生の面接を行うようにしましょう。

高卒採用の面接でNGの質問が多いため、高卒採用の面接におけるルールを理解しておく必要があります。
さらに具体的なルールを知りたい方は下記の記事を参考にしてみてください。

注意点③好感を持たれる面接官の態度や行動を意識する

面接の場では、求職者も企業を見極めています。
厚生労働省の「採用選考自主点検資料」でも、「好感をもたれる面接官の態度、行動」に関して以下のように言及されています。

採用担当者が腕組みや足組みをしたり、無愛想な態度であったりすれば、応募者が萎縮してしまい、本来の実力を発揮できなくなる可能性もあります。応募者をリラックスした状態にするためにも、面接官も交換をもたれる態度、行動が必要となります。

好感をもたれる面接官の態度、行動には例えば以下のものがあります。

  1. 面接官も自己紹介する
  2. 応募者の緊張をとく会話から面接を始める
  3. 「〇〇さん…」と応募者の苗字で話しかける
  4. 質問をする時に応募者の目を見ながら話す
  5. 応募者の話にうなずきや相槌をうち、共感を持っている態度を示す
  6. 時には笑顔や笑いがある
  7. 最後に「これで面接を終了します。ありがとうございました。」とお礼を言う
    (参照:厚生労働省 採用選考自主点検資料

面接をしていると、面接官が上の立場であると勘違いしてしまいがちです。
しかし、実際には企業と求職者は、お互いのことを知ろうとしている同等の立場です。
そのため、相手に対して威圧的な態度を取るべきではありません。
お互いに気持ち良い面接をすることで、求職者も競合企業ではなく、あなたの会社を選びたいと考えるようになるでしょう。

面接官の態度や発言で気を付けておくべき事項に関して、下記の記事で詳しく解説しているため参考にしてみてください。

注意点④ハロー効果を排除する

ハロー効果の排除は、採用において公平性を保つために重要です。
ハロー効果とは、一部の特性が全体の評価に影響を与える心理的な現象のことを指します。
例えば、第一印象が良好だと全体的に良い評価をしてしまう、反対に悪い印象を持ってしまうと、どのような回答でもネガティブな印象を持ってしまうなどです。
人間は、誰しもハロー効果を元に人を評価します。
しかし面接では、全ての応募者に対して公平な評価を行うためにハロー効果をできるだけ排除しなければいけません。
ハロー効果を排除する具体的な方法は、以下の通りです。

ハロー効果の排除方法概要
構造化面接の導入質問を統一し、それぞれの回答を同じ基準で評価することで、主観的な偏見を最小限に抑えます。
チェックリストや評価尺度の使用具体的な評価基準を設定し、それに基づいて評価することで、公正な評価を促します。

このように明確な基準を作ることにより、主観を排除した面接を行えます。

注意点⑤採用基準を明確にする

「あなたの会社にとって優秀な人材はどのような人物ですか?」

この質問に面接官全員が明確な答えを出せない場合、面接によって人材を見極められないでしょう。

面接に移る前に以下は必ず明確にしておく必要があります。

  • 必要な技能と知識
  • 企業文化に合致した人間性
  • 職務に対する熱意とモチベーション
  • チーム内での役割と適性

少なくともこれらの要素を全て明確にしておくことで、企業が求める人材を見極められます。

優秀な高校生を見極める就職試験の質問例5選!

次の5つの質問は、優秀な高校生を見極める代表的なものです。

  1. 暑い中(寒い中)大変ではなかったですか?
  2. なぜ、当社に興味を持ったのですか?
  3. 最も好きな科目は何でしたか?
  4. 将来どうなりたいですか?
  5. 学生生活での最大の失敗は何ですか?

それぞれ解説していきます。

質問1.暑い中(寒い中)大変ではなかったですか?

高校生はまだ社会経験が少なく、面接に対して緊張してしまうかもしれません。
そのような高校生に対して、緊張をほぐす目的で、最初に「大変ではなかったですか?」と聞いてあげましょう。
緊張をほぐしてあげることで、高校生の本来の魅力を出せる雰囲気作りも面接官の大切な仕事です。

質問2.なぜ、当社に興味を持ったのですか?

この質問の目的は、求職者が想像している会社の姿と実態に乖離がないかを確認することです。
特に高校生にとって「会社」というもの自体を理解していないケースが多いです。
そのため、実態とはかけ離れた会社像を持ってしまうことがあります。
この質問をすることで、入社後のギャップが大きくなることを防げるでしょう。

質問3.最も好きな科目は何でしたか?

この質問では、高校生の性格や資質を垣間見られます。
例えば、数学が好きな場合は論理的な考え方が得意なタイプでしょう。
国語が好きなタイプは、クリエイティブな発想が得意な傾向にあります。
このように性格や資質を判断するひとつのヒントとなるでしょう。

質問4.将来どうなりたいですか?

この質問をすることで、仕事に対するやる気や成長意欲が見えてきます。
向上したい能力が明確であれば、欠点を補う努力や成果をあげるための努力ができるでしょう。
また、目指すビジョンが会社と合っているかも重要な採用判断のひとつです。
明確な将来像があり、そこに向かう努力もできる人であっても、会社の方向性と合っていなければ、採用すべきではありません。
会社の目指す先と求職者のビジョンが一致しているかを見極めるためにも、この質問はしておきましょう。

質問5.学生生活での最大の失敗は何ですか?

学生生活での最大の失敗を聞くことで、次の要素が見られます。

・ストレスへの対応法
・頑張れる度合い
・問題解決能力

日頃から様々な挑戦をしている人であれば、様々な失敗をしているでしょう。
そんな時に、どのように乗り越えたのかがわかれば、仕事の場における立ち振る舞い方も想像しやすくなります。

高校生への面接を通じて優秀な高卒就職者を採用しよう!【まとめ】

優秀な高校生を採用する上で、面接の質を高めることは重要です。
しかし、NG質問やハロー効果を排除する必要があるなど、注意点も多くあります。
この記事を通して、欲しい人材を獲得するための面接フローを社内に構築しましょう。

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