高卒3年目の社員と採用担当が語る、成長し続けられる会社のつくり方

導入
現在、多くの日本企業が直面している大きな課題――「人材不足」。
その解決策のひとつとして、高卒採用に本格的に取り組む企業が増えています。
株式会社マーキュリーもその一社です。
同社は「感動エージェント」をビジョンとして掲げ、通信業界を中心に、販売の現場で高品質なセールスプロモーションを展開しています。
この記事では、採用担当の加藤さんへのインタビューと、高卒入社3年目でサブリーダーとして活躍する玉元優生(たまもと ゆうう)さんの声を交えながら、リアルな声をお届けします。
高卒採用を始めたきっかけ「高卒者の働く意欲に期待」
─まずは株式会社マーキュリーで高卒採用を担当している加藤世奈(かとうせな)さんにお話を伺いました。
高卒採用を強化された背景とは?
加藤さん:
マーキュリーが高卒採用を本格化したのは約8年前です。
当社の成長とともに、当時「年間1,000名の新卒採用計画」が立ち上がり、人材確保が喫緊の課題となりました。
人手不足を解消するためには大卒者だけでは限界があると判断しました。そこで、高卒採用に本格的に取り組むことを決めたのです。
初めから順調だったわけではありません。当初、営業現場からは「アルバイト経験がない高卒者でも業務に対応できるのか?」と懸念の声も上がりました。
しかし、「高卒の若い人たちは素直で成長意欲が高い。しっかりした教育環境を整えれば、十分に活躍できる」と考え、本格的な取り組みを開始しました。
24卒・25卒採用の取り組みと成果「早期の動き出しがカギ」

採用実績と活動内容を教えてください
採用活動の前倒し
加藤さん:
24卒では23名、25卒では25名の高卒社員を採用し、高卒採用は定着しつつあります。この成果を支えているのが、採用活動の仕組みや戦略です。
初年度の活動を通じ、7月以降の募集では遅いことが判明しました。そこで、各支店の採用担当者は6月までに学校訪問を行う体制へ切り替えました。
また、ジョブドラフトのサービスを活用し、採用活動の前倒しを実現。さらに、採用担当を各拠点に配置することで、採用活動の質を向上させました。
夏には各地のジョブドラフトFesに出展し、多くの高校生と接点を持ちました。職場見学も積極的に実施し、応募者が業務内容を具体的にイメージできる環境を整えています。
職場見学の工夫
加藤さん:
24卒の職場見学では全国で同じ内容を実施していましたが、25卒では地域の特性に合わせた職場見学を実施し、応募者の業務理解が深まりました。
職場見学の内容は以下のとおりです。
- 自己紹介・会社概要動画の視聴
- 採用担当による簡略版の会社説明
- 家電量販店での現場見学
- 先輩社員との交流・質問タイム
所要時間は2〜3時間程度です。これらの工夫が応募者の不安を和らげ、応募意欲を高めることにつながっています。
働きながらスキルを磨く。若手社員が語る現場とキャリア展望

─マーキュリーの高卒社員として、現在沖縄でサブリーダーを務める玉元さんにインタビューしました。

進学する友人も多かったそうですが、就職を選んだ決め手は?
玉元さん:
当時はまだ「これを専門的に学びたい」という明確な目標はありませんでした。専門学校も少し考えましたが、それよりも働きながら必要な知識を身につけていくほうが、効率的で自分には合っていると感じたんです。
そんな中でマーキュリーの求人を見つけ、携帯電話や通信業界の知識を学びながら働けることや、キャリアの幅を広げていけると知りました。
就職を後押ししたのは、マーキュリーとの出会いが大きかった?
玉元さん:
とても大きかったと思います。商業高校で学んでいて、もともとマーケティングや企画の仕事に興味があり、資格の勉強もしていました。最初に求人を見たとき、マーキュリーには「企画職」の募集が載っていたんです。
もちろん、入社してすぐ企画に携わるわけではなく、最初は携帯販売などの現場で経験を積み、2〜3年後にステップアップできるという説明でした。
そこから会社のことを調べていくうちに、キャリアアップできる制度や働きながらスキルを身につけていける環境に魅力を感じ、最終的に入社を決めたんです。
入社してからの仕事内容を教えてください
玉元さん:
入社後は、家電量販店の携帯電話コーナーで2年ほど携帯販売をしていました。
研修は、入社前に3日間のマナー研修があり、入社直後に携帯電話に関する研修が2日間ありました。その後は店舗に入り、登録方法や料金プラン、お客様への案内方法を先輩に教わりながら覚えていきました。
最初の2〜3ヶ月は先輩の接客を見て学び、その後は先輩に確認しながら、一人でお客様に対応するようになりました。店頭に立って「料金の見直しはいかがでしょうか?」などと声をかけることもありますね。
対応するお客様は平日で3〜4組ほどで、土日はさらに多い店舗だったため、さまざまな経験を積むことができました。
私は店舗経験が長くなるにつれて、教える機会も増えていきました。件数管理なども任されるようになり、マーキュリー内の役職であるサブリーダーとして業務を担っています。
現在は最初に担当していたキャリアとは違うキャリアを扱っており、3ヶ月目になりますね。

入社して良かったことや大変だったことは?
玉元さん:
良かったことは、お客様から「あなたの接客が良かった」と言っていただけたときです。
お客様は若い方からご高齢の方まで幅広いですが、特にご高齢のお客様にそのように言っていただけることが多く、とても嬉しく感じました。
接客ではお客様に不快な思いをさせないように、明るく対応することを心がけています。
一方で、大変だと感じることもありますね。通信業界は覚えることが多く、料金プランや機種も毎年変わるので、覚えていくのが大変です。
印象に残っているエピソードを教えてください
玉元さん:
4名のご家族連れのお客様に対応したときのことです。複数台の登録で内容も複雑だったため、本来であれば3時間以上かかるところを、スタッフ数名で進めて2時間ほどで終えることができました。
みんなで協力して早く終えられたときは、とても達成感がありましたね!
また、お客様が機種を迷っているときに、私の案内で「これにする」と決めてくださった瞬間は嬉しいですね。自分の説明で納得してもらえたと感じられるところが、この仕事の面白さだと思っています。
一番やりがいを感じるのは、お客様から明るく「ありがとうございます」と言っていただけたときです。
仕事のモチベーションは何ですか?
玉元さん:
プライベートでは旅行が好きで、内地に行くことを楽しみにしています。
週2日の休みがあり、希望を出せば連休を作ることもできます。休日は友達と出かけることもあれば、一人で出かけることもあります。
一人で出かけるときは、好きなアーティストのライブに行くことが多く、それが仕事のモチベーションにもつながっていますね!
今後のキャリアについてどのように考えていますか?
玉元さん:
約3年働いてきた中で接客も楽しいですが、件数管理などのサポート業務にもやりがいを感じるようになりました。もともとマーケティングや販売企画に興味があるため、今後は販売をサポートする側にも回っていけたらと思っています。
エリアを統括するスーパーバイザー(SV)のポジションがあり、そこを目指していきたいですね。
スーパーバイザーは複数の店舗を担当し、成績を管理したり、メンバーが頑張れるようにサポートしたりする仕事です。20代でなれることは少ないようで、若い人だと30代の方が多いと聞いています。
5年後、10年後は、まだ具体的に決めていませんが、これからも自分自身が成長していけたらと思っています。周りの人をサポートできる環境の中で、自分もその役割をしっかり果たしていきたいですね。
高卒で働いて良かったと思うことはありますか?
玉元さん:
はい。早く社会に入った分、いろんな人がいることを早めに知ることができました。また、自分の態度や接し方が相手にどう影響するのか自然と意識できるようになりました。
最後にもうひとつ伝えたいことがあります。
自分が努力した分は、必ずどこかで実ってくると私は思っています。
今の状況が苦しくても、焦らずに、できる範囲で頑張って就職活動を続けていってほしいです。
高校生へのメッセージをお願いします
玉元さん:
これから進路を決めていく高校生のみなさんには、まずはいろんな会社を比較しながら、「自分が今後どうなっていきたいか」を考えてみてほしいと思っています。
進学も良いですが、就職して学びながら、スキルを身につけながら仕事をしていくのも、ひとつの選択肢ですよ!
高卒社員の育成は「教育環境が活躍を支える」
─玉元さんのような若手が活躍できる秘訣を加藤さんに聞きました。

教育環境への取り組みを教えてください
加藤さん:
マーキュリーでは、入社前後の教育サポートを行う部署と社員同士の交流を促進するフォロー担当部署があり、教育に力を入れています。
具体的な取り組みは以下のとおりです。
- 入社前研修(2~3日間)
- 入社後のフォロー体制
- 社員フォロー部署による定期的な面談と相談窓口の設置
- 社員同士の交流促進
販売職は高卒の方にとっても相性が良いと考えています。
当社では、専門知識を学びながら接客を通じて社会人としてのスキルを磨くことができます。販売を経験すれば、どんな仕事にも応用できる力が身につくと思います。
また、当社では学歴による評価や給与の差を設けておらず、同じ等級テーブルを採用しているため、実力次第でキャリアアップが可能な環境が整っています。
高卒採用を考える企業様へのメッセージ
最後に高卒採用を検討されている企業様へメッセージをお願いします
加藤さん:
高校生の採用では、業務の具体的なイメージを持たせることが重要です。
先生からも「難しい仕事ではないか?」と言われることも多く、私たちのお仕事も実際にどんな仕事をするのかイメージを持っていただくために丁寧に説明しています。
社会経験が少ない高校生に対し、「自分にもできる」と思える環境づくりが採用成功のカギとなります。
また、教育・育成の仕組みを整えれば、高卒社員は大きく成長します。
高卒だからといってキャリアに限界はありません。適材適所で成長を促し、活躍できる場を作ることが、企業にとっても大きな強みになると思います。
マーキュリーは学歴に関係なく実力で評価される環境を整え、高卒社員の可能性を最大限に引き出しています。
まとめ
株式会社マーキュリーが進める高卒採用は、単なる人手不足の解消策にとどまらず、高卒社員の成長とキャリア形成を支える仕組みを作り上げる取り組みでした。
教育環境やサポート体制は、高卒社員が社会で活躍するための基盤を築いています。
さらに学歴に関係なく実力を評価する企業文化が、高卒社員の可能性を最大限に引き出しています。
株式会社マーキュリーの事例は、高卒採用の新たな可能性を示すとともに、日本の人材育成の未来に希望を感じました。
【企業情報】
企業名:株式会社マーキュリー
従業員数:5,610名(正社員率90%以上/2025年4月1日時点)
業種:人材を活用したセールスプロモーション、エデュケーション、エンターテインメント、アウトソーシング等
募集職種:販売
採用人数:2024年23名・2025年25名
高卒採用歴:約8年