外国人採用とは?メリット・手続き・在留資格から定着のコツまで徹底解説

日本の生産年齢人口(15歳~64歳)は長期的に減少傾向が続いており、2030年、2040年にかけて労働力不足のさらなる深刻化が見込まれています。特に若年層の採用は、多くの業種で人材確保が極めて難しくなりつつあります。
こうした背景から、建設、介護、宿泊、製造業をはじめとする多くの産業で外国人材の活用が進み、現場を支える重要な戦力となりつつあります。本記事では、2025年時点の最新制度を踏まえ、外国人採用の基礎知識から具体的な実務、定着の秘訣まで解説します。
目次
1. 外国人採用の現状|2025年の最新動向
外国人労働者数は約230万人で過去最高を更新

厚生労働省が発表した最新の統計(令和6年10月末時点)によると、日本で働く外国人労働者数は2,302,587人となり、届出義務化以降の過去最高を更新しました。対前年比で約25.4万人(12.4%)増加しており、企業規模を問わず不可欠な人材として定着が進んでいます。
「育成就労制度」への移行:2025年の現在地
2024年の入管法改正により、従来の技能実習制度に代わる新たな枠組みとして「育成就労制度」の創設が決定されました。2025年現在は、公布された政令・省令に基づき、施行に向けた詳細な運用設計と現場への周知が進められています。
この新制度は、外国人を「人材確保」および「人材育成」の対象と明確に位置づけ、特定技能1号への移行を前提としたキャリア形成を支援するものです。
(出典:出入国在留管理庁「育成就労制度の概要」)
2. 企業が外国人を採用する5つのメリット
① 若年層人材の確保
ベトナム、インドネシア、フィリピンといったアジア諸国は、日本と比較して平均年齢が若く、生産年齢人口の比率も高い傾向にあります。高卒採用などで若手不足に悩む企業にとって、20代を中心とした意欲的な人材の供給力が大きいことは大きな強みです。
② 組織の活性化と業務の標準化
異なる文化圏の人材へ業務を教える過程で、マニュアルの言語化や指示の明確化(「やさしい日本語」の活用)が促進されます。これが結果として、日本人社員の教育体制を強化し、組織全体の生産性を向上させる副次的な効果を生んでいます。
③ インバウンド対応と海外展開への布石
観光・宿泊業等における多言語対応や、海外進出時の現地ニーズ把握において、特定技能や「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を持つ人材が強みを発揮します。
④ 業界特有の課題解決と技術継承
特に人手不足が著しい「建設」「製造」などの分野において、外国人材は事業を継続し、技術を次世代へつなぐ重要な鍵を握っています。
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⑤ 留学生アルバイトによる柔軟な戦力確保
留学生は「資格外活動許可」を得ることで、原則として週28時間以内の範囲でアルバイトが可能です。さらに、学校が定める長期休暇中は、原則として1日8時間かつ週40時間以内での就労が認められています。
(出典:出入国在留管理庁「資格外活動許可について」)
3. 在留資格の種類と具体的な作業範囲(2025年最新)
① 特定技能(全16分野)
2024年に自動車運送業、鉄道、林業、木材産業の4分野が追加され、現在は計16分野で受け入れが可能です。人事が現場から「これはさせていいの?」と聞かれた際に役立つ詳細リストです。
- 建設: 土木、建築、ライフライン(屋根・左官・内装仕上げ等)の現場施工。
- 介護: 身体介助(入浴・食事・排泄)、レクリエーションの企画。
- 工業製品製造業: 鋳造、プレス、溶接、電子機器の組立て、検査、梱包。
- 飲食料品製造業: 惣菜、パン、清涼飲料水などの製造・加工。
- 外食業: 飲食物の調理、接客、店舗管理。
- 自動車運送業: トラック、バス、タクシーの運転および付随する荷役業務。
- 鉄道: 運転士、車掌、駅務、車両整備、電気設備保守。
- 宿泊: フロント業務、ベル、ドア、レストランサービス、企画・広報。
- 農業: 耕種農業(野菜・果物の栽培管理)、畜産農業(家畜の飼養管理)。
- 漁業: 漁具の製作・補修、水産物の補獲、養殖。
- ビルクリーニング: 建築物内部の床、壁、トイレ等の清掃。
- 自動車整備: 日常点検、分解整備、定期点検。
- 航空: 空港グランドハンドリング、航空機整備。
- 造船・舶用工業: 溶接、塗装、鉄工、艤装、機械加工。
- 林業: 育林、素材生産。
- 木材産業: 製材、合板製造。
(出典:出入国在留管理庁「特定技能制度」)
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② 技術・人文知識・国際業務(通称:技人国)
エンジニアや通訳、事務職などの「専門的・技術的分野」の資格です。令和6年10月末時点の統計では、このカテゴリーの就労者が初めて「技能実習」を上回り、在留資格別で最多の約71.9万人となりました。
(出典:厚生労働省「『外国人雇用状況』の届出状況まとめ(令和6年10月末時点)」)
4. 採用から入社までの実務プロセスと費用目安
採用が決まってから入社まで、在留資格の申請手続きなども含めると、一般的には2〜4ヶ月程度を要するケースが多いとされています。
海外から新規で呼び出す場合(4〜6ヶ月)
- 現地面接・内定: 対面またはWebで行います。
- 雇用契約締結: 本人の母国語と日本語の併記契約書が推奨されます。
- 在留資格認定証明書(COE)申請: 入管へ書類を提出。
- ビザ(査証)発給: COEを持って現地の日本大使館へ。
- 入国・就労開始: 空港から社宅への送迎、市役所への届け出。
国内転職・留学生の新卒採用(1〜3ヶ月)
- 採用選考・内定: 在留カードの期限を必ず確認します。
- 在留資格変更許可申請: 「留学」や前の職場からの変更。
- 就労開始: 新しい在留カードを受け取ってから業務を開始。
費用相場の目安(2025年時点)
| 項目 | 費用の目安 | ポイント |
|---|---|---|
| 紹介手数料 | 年収の30%〜35%程度 | 年収の30%〜35%程度 紹介会社を利用する場合(各社との契約条件により変動)。 |
| 支援委託費 | 月額2.5万〜3万円前後 | 特定技能1号で登録支援機関を利用する場合の相場。 |
| 在留資格申請 | 10万〜20万円程度 | 行政書士への報酬(1名あたり)。案件により異なります。 |
5. 絶対に守るべき法的ルールと罰則の強化
2025年の法改正により、不法就労を助長した雇用主への罰則が大幅に強化されました。「知らなかった」では済まされない厳格な運用が求められます。
不法就労助長罪の厳罰化
不法就労をさせた場合、企業側(雇用主)には「5年以下の懲役または500万円以下の罰金、またはその両方」が科される可能性があります。これまでの「3年以下/300万円以下」から大幅に引き上げられ、法人に対する罰金も強化されています。在留カードの原本確認は徹底しましょう。
外国人雇用状況届出の義務
外国人を雇用(または離職)するすべての事業主には、ハローワークへの届出が義務付けられています。これを怠ったり虚偽の報告をした場合は、30万円以下の罰金の対象となります。
(出典:厚生労働省「外国人雇用状況の届出」)
6. ミスマッチを防ぐ!外国人面接での「話し方」のポイント
言葉の壁がある中での面接は、日本人同士とは異なる工夫が必要です。
専門用語や略語を封印する
「ASAPで」「フィックスして」といったカタカナ語や、「お局さん」「あうんの呼吸」といった日本特有の表現は、相手を混乱させます。
ポイント:
幼稚園児や小学生にも伝わるような、主語と述語がはっきりした「短い文章」で話すことを意識しましょう。
逆質問で「理解度」を確認する
「分かりましたか?」と聞くと、相手はつい「はい」と答えてしまいます。
ポイント:
「今、私が説明した仕事内容を、あなたの言葉で教えてください」と聞き返すことで、本当の理解度を確認できます。
「やさしい日本語」3つの鉄則
現場での指示や会話は、以下の3点を意識するだけで格段に伝わりやすくなります。
ポイント:
二重否定をやめる(結論をはっきり) 「できないわけではない」→「できます」
擬音語・擬態語を避ける(具体的に) 「ガッとやって」→「強く押して」
文章を短く切る(一文一義) 「〇〇だから××してください」→「〇〇です。××してください。」
7. 長く働いてもらうための「定着支援」
採用後の離職を防ぐためには、ハード面だけでなくソフト面(生活・メンタル)のサポートが重要です。
- メンター制度の導入: 生活習慣(ゴミ出し、近隣ルール等)をフォローする相談役を配置。
- キャリアパスの可視化: 特定技能2号への移行(家族帯同が可能になる)など、将来の見通しを提示。
- 1on1面談の実施: 言葉の壁があるからこそ、定期的な対話で不安を早期解消する。
こうした受け入れ体制の構築には、自社だけで完結させようとすると負担が大きくなりがちです。そこで心強いパートナーとなるのが、特定技能人材の採用から入国手続き、生活支援、定着フォローまでを一貫してサポートしている株式会社Glory of Bridge(GOB) です。
GOBオウンドメディア:https://www.tokudora-works.com/
8. まとめ
外国人採用は、単なる人手不足の解消策ではなく、多様な価値観を組織に取り入れ、企業をアップデートするチャンスです。2025年、育成就労制度への移行を控えた今こそ、正しい法知識と最新データに基づいた戦略的な受け入れを検討してください。