社会を知らないコドモから、仲間を引っ張るリーダーへ | 記事一覧 | 高卒採用Lab 高校生採用を科学する

社会を知らないコドモから、仲間を引っ張るリーダーへ

オイシーズ株式会社傘下の株式会社H.I.T WORLDが展開する人気つけ麺店「つじ田」で働く高卒4年目の深井里空(ふかい・りく)さん。銀座にあるお店にお伺いすると、そこには活気のあるかけ声と、手際よく次々に出されるつけ麺、エンタメ感とチームワークあふれる店舗の中で、良い顔で働く深井さんがいました。

今では笑顔で飲食業を楽しんでいる深井さんですが、入社当時は人見知りでうまくコミュニケーションがとれず、周囲の言葉に耳を傾けることもできませんでした。

そんな彼が、いまや銀座店の副店長を任されるほどに。

深井さんが奮闘する日々を見守りつづけた、第1チーム エリアマネージャーを務める佐々木亮さんとともにお話を伺いました。

気がつけば料理人の父と同じ道へ

Q高卒で就職しようと思ったのはいつごろですか?

深井さん:
もうずっとですね。高校は、情報技術が学べる工業高校に入学しました。それも勉強が得意ではなくて受験が通りやすいところに…という狙いがあったし、工業高校であれば資格も取れると考えたんです。

授業はちゃんと受けていたので情報技術の資格も取れました。全然関係のない会社に就職してしまってもう覚えていないんですけどね。

ゲームをしたりみんなと話したり遊んでばかりの普通の高校生でした。

Q工業高校から外食産業へ進んだのはなぜですか?

深井さん:
工業高校だと製造業に行く人が多いんですけど、工場勤務は厳しいイメージがあって、それ以外の業種を選びたいと考えました。あとは父が料理人で、飲食店を経営しているんです。いろいろな料理を作っていて、父のようになれたらいいなと感じていました。

Q就職先は求人票で探したんですか?

深井さん:
そうですね。高3の夏休み前、授業で業種ごとにわけられた求人票を見て、なるべくお給料が高いところを探しました。

Q会社見学はしましたか?

深井さん:
はい。大手町の店舗を見学したのですが、みんなチームワークで働いていて、内装やかけ声から感じる活気ある雰囲気に「すごいなぁ」と思いました。大手町では作業風景を見なかったので、商品を作り上げる様子を見学していたら、もっとすごいと思っていたかもしれません。

Q会社を選ぶ際に誰かに相談しましたか?

深井さん:
父に「飲食ってどうなの?」って相談しました。返事は「続けるんだったらいいんじゃない?たぶんキツイと思うけど」で、それ以外は何も言われませんでした。

佐々木さん:
お父様は、同じ道を選んでくれて本当は嬉しかったのかもしれません。お店にも食べに来てくれますしね。

深井さん:
はい、何回か来ています。

人見知りを乗り越え、こつこつ成長中

Q入社してからの業務について教えてください

深井さん:
最初は御茶ノ水店に配属されました。お客様にお冷を出すことから始まり、次は、たしか食券を受け取ってオーダーを伝えるようになりました。

当時は人見知りで会話のキャッチボールができないし、不満があると態度に出たりしていて、まるで社会を知らない子供でした。初めてのお冷出しで、愛想が悪すぎて怒られたくらい。だけど入社3カ月くらいで出会った店長がとても面倒見のいい方で、僕も仕事に対する態度が変わったと思います。

Q先輩からはどのようなことを教わりましたか?

深井さん:
調理について厳しく教わりました。特にチャーシューの切り方、スープの注ぎ方、麺の締め方の3つ。まず僕がやってるところを見て、違うところがあると言葉を考えながら教えてくれました。

佐々木さん:
その店長に揉まれたんでしょうね。明らかに深井が変わっていきました。

Q自分の中で成長したと感じるのはいつごろですか?

深井さん:
1年目の10月くらい。僕が切ったチャーシューをお客様に出せるようになったころです。

すべての工程をひとりでできるようになるには1年半くらいかかりました。

佐々木さん:
深井は全部ができるようになるまで、まわりより少し時間がかかったんです。だけど今は副店長として引っ張っていて、本当に立派になったなと思います。

Q副店長に就任したのはいつごろですか?

深井さん:
2024年の冬です。だけど僕は、まだ副店長にならなくてもいいのにって思いました。もう少し学んで、やることをやってからのほうがいいのかなって。心の準備ができていなかったような気持ちです。

佐々木さん:
本人は少し戸惑ったようですが、副店長になったことで、責任感がとても強くなったと感じます。

Q副店長としての今の業務内容を教えてください。

深井さん:
店舗の営業全般を見ています。あとはシフトを作ったり、発注したりもします。

佐々木さん:
銀座店の店長が他店との兼任で、銀座店を不在にすることが多いんですね。だけど、深井が会社からのメールに返信したり、ミーティングで決まったことをみんなに伝えてくれたりして、うまくお店が回っています。

深井さん:
自分なりに考えて、店舗のスタッフにはすべてではなく重要なところだけ伝えるようにしています。必要のないことまで話すと頭がパンクしちゃうんじゃないかと思うので。

Q副店長になって困ったことはありますか?

深井さん:
アルバイトの方々もみんな年上なんですね。それでも僕が先輩になるので後輩に業務を教えるんですけど、できるようになったとしても1カ月後には忘れてしまっていたり、同じミスをしたときですかね。教えるのってやっぱり大変ですよね。

佐々木さん:
教える立場になった深井が、あるとき「僕に教えてくれていた御茶ノ水店の店長は大変だっただろうな」って言ったんです。自分なりに何か気づくことがあったんだと思います。

「変わったね」と評価される優秀な人材へ

Q今、楽しいなと思うのはいつですか?

深井さん:
やっぱり、調理の際に麺を扱っているときですね。盛り付けではきれいな麺線になるようこだわっています。

たまに勤務時間が長くなってしまう日もあり大変なこともありますが、一緒に働く方々のおかげで頑張れています。

たとえば、御茶ノ水店だったらお世話になった店長。銀座店は仲のいいスタッフが多くて楽しいです。

佐々木さん:
銀座店はみんなすごくマジメなんです。大きな声を出していて活気があるし、いろんなことに気づいたりしていてレベルが高い。彼らを見ていると、”僕もがんばらなきゃ”って刺激をもらえますね。

Q次はどんなポジションを目指していますか?

深井さん:
店長です。これまでお世話になってきた店長のようになりたいです。

理想は、御茶ノ水店の店長と銀座店の店長の”いいとこ取り”した店長。御茶ノ水店では調理すること、今の店長からは人間関係について学びました。

佐々木さん:
まわりのスタッフから「里空、変わったよね」という声をたくさん聞くんです。それは歴代の店長たちにしっかり教わったからなので、深井にとってすごくいい環境だったんだと思います。

Q高卒で社会に出てよかったと感じることはありますか?

深井さん:
勉強しなくてよくなったこと(笑)。座って書いて勉強するよりも、今のように実践して学ぶほうが僕には合ってると思います。

それと、なんとなく大学へ行って、お金も時間も使ったのに就職に生かせなかったら意味がない気がするんです。だったら、その4年の間にお金を稼いでおいて、やりたいことを見つける。4年という時間をどう使うかが大切かなと思います。

Q進路を考えている高校生にメッセージをお願いしたいです。

深井さん:
自分がやりたいことをやってほしいです。

それは趣味でもいいんです。ゲームが好きならパソコンゲームの開発分野へ。スポーツが好きならスタジアムのスタッフなどスポーツ関連の仕事を探してみるのもおもしろいかもしれません。

結局、どんな仕事でもストレスってあると思っていて。でも、自分が好きなことをやっているなかで怒られてストレスを感じるなら、まだがんばれます。逆に、興味のないことでストレスを感じていたらつらいだけです。だからこそ、自分の好きなことから仕事を見つけてほしいですね。

佐々木さん:
会社には、未経験の方がいいという考えもあります。経験者だと、それまでの知識があったりその人独自の拘りがあったりして、それを弊社に対応できるように修正していかないといけない。弊社のように未経験のほうが合っている職場もあるし、若い人材の活躍は会社にとって大きな力となるので、まずは挑戦してほしいですね。

高卒採用を「成長できる環境」を整える機会に

社会人としてスタートしたばかりのころは、誰しも不安や未熟さを抱えるもの。特に高卒で社会に出た若者はまだ10代。子どもから大人への変革期です。しかし適切な教育とサポート体制を整えることで、確実に成長していきます。

「若くして副店長になったからこそ、入ってきたばかりのスタッフの気持ちを理解することができます。深井のような若い人材が会社にとって大きな力になりますね」と、佐々木さんは言います。

高卒採用は、意欲ある若手を育てるだけでなく、次世代が安心して成長できる環境を整える絶好の機会でもあるのです。

【企業情報】
会社名:株式会社H.I.T WORLD
設立:2005年4月
従業員数:約400名
事業内容:飲食店運営

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