小さな憧れを大きな挑戦に変えた20才のバス運転士

バスドライバーは平均年齢が高い業界で、JR九州バスも例外ではありません。
長く続けるベテランドライバーが多い一方で、20代の社員があまり多くなく、高齢化も課題です。
しかし、ON・OFFがはっきりしているなど、今の若い人たちが望む環境で働けるバス会社もあります。
鹿児島県出身の大田さんは、高校卒業後に病院で調理師として経験を積んだのち、自費で大型自動車第二種免許を取得し、20才でJR九州バスへ転職。小学生の頃からの夢だったバス運転士としてデビューを果たしました。
入社4ヵ月目で早くも路線バスを任されている大田悠貴(おおた・ゆうき)さん。
お客様から「ありがとう」と感謝の言葉をいただくことが何よりもやりがいだと語る大田さんの顔は希望に満ちていました。
高卒入社でも努力と挑戦を重ねれば大きな力を発揮できることを、彼の歩みが物語っています。
ー高校卒業後すぐに働こうと思ったのはなぜですか?
大学に進学する選択肢も考えましたが、できるだけ早く自立して、社会や地域の役に立ちたいと思ったからです
ー最初の就職先はJR九州バスではないと伺いました
はい、最初は鹿児島県の大きな病院に調理師として就職しました。以前母が入院したことがあったんですが……そのときに「食事が唯一の楽しみだった」と話しているのを聞いて、食を通じて人に喜んでもらえる仕事をしたいと思うようになったんです。
そこで病院の調理師を目指し、調理科がある高校に進学しました。
ー病院での仕事内容を教えてください
栄養士さんが作った献立をもとに、交代制で1日3食、患者様の食事を作ったり配膳をしたりしていました。大きな病院だったので、一度に300〜400人分を調理するので体力的にも精神的にも大変でしたね。
ーどんなときに仕事のやりがいを感じていましたか?
病棟に直接配膳に行くこともあり、患者様から「ありがとう」と言っていただけることもありました。その言葉を聞けるのが本当にうれしくて、やりがいを感じていましたね。
自ら資格を取り、挑んだバス運転士の道

ー転職を考えたきっかけは?
小学生の頃からバス運転士に憧れがありました。通学で毎日バスを利用していたんですが、制服姿や運転の技術、お客様に対する接客がとてもかっこよくて「自分もいつか運転士になりたい」とずっと考えていたんです。
ー夢を叶えるために転職されたのですね
そうですね!病院で働くことにやりがいは感じていました。でも、勤務環境が少し合わなかったこともあり、小さい頃からの夢を叶えたい気持ちが日に日に強くなって、転職を決意したんです。
ーJR九州バスを選んだ理由を教えてください
知人がバス関係の会社に勤めていて、「JR九州バスは働きやすい会社だよ」とすすめてもらいました。バス業界の中でも「しっかり休んで、しっかり働く」という環境があることを知り、ここなら安心して働けると確信しました。
ーバス運転士になるために大型二種免許を取得されたのですね
入社が決まる前に、転職に有利になると思って自分で免許を取りに行ったんです。
京都の教習所に1ヶ月合宿して、大型二種免許を取得しました。以前は21歳以上で普通免許取得後の運転経歴が3年以上必要でしたが、僕は19歳で経歴1年以上で受けられる特例を使ったんです。どうしても早く夢を叶えたかったので!
ーすばらしい行動力だと思います
お客様の安心を守りながら一歩ずつ成長する日々

ー入社後はまず研修を受けられたのですか?
はい。最初は教習を受けました。
2025年の4月に入社したので、入社してからまだ4ヵ月と少しですね。
教習は車両点検などバス業務の基本から始まり、広い道を走る練習→難しい道→最終的には本格的な路線訓練へと、段階的に運転を学んでいきました。同時に接客の仕方やアナウンスの練習も行いました。
ー運転士として独り立ちしたのはいつですか?
6月2日に実車営業見習いを開始、7月1日にすべての教育期間を終えて7月2日にデビューしました。今は主に路線バスを担当しています。
入社前に大型二種免許を取得していたので、スムーズに研修を受けられたと思います。
ーやりがいを感じるのはどんなときですか?
やっぱりお客様から「ありがとう」と言っていただけるのは本当にうれしいですね。
ときにはお茶やコーヒー、サンドイッチなどの差し入れをいただくこともあって、とても励みになります。また、「多くの方の移動を支える」ことで社会に貢献できていることに誇りも感じています。
ー反対に大変だと感じることはありますか?
一番大きいのは、命を預かっているという責任の重さです。事故を起こしてはいけないというプレッシャーは常に感じています。
毎日の乗務では遅延しないように気を付けていますが、道路状況などで難しいときもありますね。
ー運転士として工夫していることはありますか?
雨の日や高齢の方が乗車されるときは声をかけるようにしています。安全のためお客様が座席に座られてから発車したり、降りる際もバスが止まってから動いていただけるようにお声がけをしたり。
臨機応変に対応できるようにつとめています。
高卒から広がるキャリアと未来へのエール

ー今後、どのような運転士を目指していきたいですか?
お客様を第一に考えて、安全で快適な乗車を提供できる運転士になりたいです。
命を預かる仕事なので責任を忘れずに、すべてのお客様に安心して乗車いただける運転を続けたいと思っています。
ー今後のキャリアはどのように考えていますか?
今は路線バスを担当していますが、1~2年後には高速バスの訓練が受けられます。その後は貸切バスにも乗務して、幅広い分野で活躍できるようになりたいですね。
当社には少し年上の先輩がいて、数年後の自分を想像できる環境もありがたいです。
ー将来的に走ってみたい地域はありますか?
高速バスが好きなので、ぜひ挑戦してみたいです!
将来、転勤などの機会があれば、鹿児島に戻って乗務できる可能性もあると思います。そうなると、地元で運転することがひとつの夢になりますね。
ー入社して一人暮らしを始めたんですよね
はい。賃貸ですが住宅援助金もあって助かっています。
今までずっと実家だったので、家に帰ってもゴールではなく、やることがいっぱいあって最初は大変でした。ちょっと憂鬱になることもありましたが、もうすっかり慣れていまは逆に楽しんでいます。
ー生活が大きく変わりましたね
はい。何より小学生からの夢が叶いました!
当社は本当に働きやすくて、転職して良かったと心から感じています。
ー最後に進路に悩んでいる高校生にメッセージをお願いします
大学に進学することで、キャリアの幅は広がると思います。
ただ、高校を卒業してすぐに社会に出ることにも大きな意味がありますよ!特に実力主義の業界では、若いうちから経験を積めるのは強みになりますし、早く社会に出て成長できるのも魅力だと思います。
おわりに

2022年に大型二種免許の受験資格が見直されたことを契機に、JR九州バスでは、若くて長期的に活躍していただく人材をターゲットとして、高卒採用に力を入れ始めました。大田さんのように高卒で入社した社員は、職場に新しい活気をもたらしてくれています。
バス運転士の仕事は時間が不規則だったり労働時間が長かったりとネガティブなイメージを持たれがちです。しかし、JR九州バスは「ON・OFFがはっきりしている」「社会貢献性が高い」など、今の若い世代が求める働き方にも合致しています。当社には大型二種免許取得支援制度もあり、費用面の心配もなく資格の取得が可能です。
高卒の方を採用するのは不安、という企業もあるかもしれません。しかし、若い世代には伸びしろが無限にあり、企業に新しい風を入れてくれるでしょう。

【企業情報】
会社名:JR九州バス株式会社
設立:平成13年2月5日
従業員数:170名
業種:旅客自動車運送事業
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