高校卒業後すぐに株式会社サンザに就職し、今年で社会人7年目を迎える渡久地さくらさん。現在はラグジュアリーカプセルホテル「安心お宿」の支配人として活躍されています。

入社以来、様々なホテルで経験を積み、25才という若さで支配人に抜擢された渡久地さんに、これまでのキャリアや仕事への情熱、そして高卒就職を選んだ理由について伺いました。

彼女の経験から、高卒で社会人になることのリアルな姿と、そこで得られた成長や気づきをお伝えします。

渡久地さくら（とぐち　さくら）さん　2018年入社　　　安心お宿 woman Tokyo 銀座汐留店　支配人　

佐藤 聡美（さとう　さとみ）さん　安心お宿事業部　新宿駅前店　woman Tokyo 銀座汐留店　総支配人

渡久地さんのキャリア年表

―サンザとの出会いを教えてください。

渡久地さん：私は高校を卒業してすぐに就職する道を選びました。正直に言うと勉強がすごく苦手だったんです。それよりも、社会に出ていろんな経験を積むほうが自分に合っているんじゃないかなって思ったんです。それに、早くから自立したいという気持ちも強かったので、そのための第一歩として就職を選びました。

高校時代は定時制高校に通っていました。同級生よりも年上の社会人の方と関わる機会が多かったため、早くから大人と一緒にいる環境には慣れていました。アルバイトでも接客業を選んで、その楽しさを実感していたので、就職へのハードルも低かったです。

就職活動では、求人サイトで仕事を探していたんですが、その中で株式会社サンザの伊豆のリゾートホテル「HOTEL&SPA アンダリゾート伊豆高原」が目に留まりました。

―ご自身で求人を探されたのですね。サンザに決めた理由は何だったのでしょう？

渡久地さん：職場見学のためホテルに行った時、まるで日本ではないかのようなバリ風の雰囲気に衝撃を受けて、「ここで働きたい！」と強く思ったんです。お客様第一の姿勢や、サプライズを提供するという企業理念にも共感しました。

―入社後のキャリアについて教えてください。

渡久地さん：入社後、私はまず伊豆のリゾートホテル「アンダリゾート伊豆高原」で、レストランの配膳やフロント業務からキャリアをスタートさせました。1年目にはワインをお客様にかけてしまうような失敗も経験しましたね（笑）。でも、お客様との距離が近い伊豆のホテルで、リピーターのお客様に名前を覚えてもらって、「また帰ってきたよ！」なんて再会を喜んでもらえたことが、すごく大きなやりがいにつながりました。

入社から2〜3年が経つと、私は自分で判断しながら仕事を進められるようになりました。1年目の頃は、本当に何でも先輩に聞いていましたが、2〜3年目には、ある程度自分で判断して動けるようになって、自分の成長を実感しました。それに、後輩が入社してくるようになって、「ちゃんとしなきゃ」という責任感も芽生えました。

そして5年目には、東京の犬の複合施設「愛犬ヴィレッジ」でマネージャーに昇進しました。現場をまとめる役割を担うようになり、より広い視野で仕事に取り組むようになりましたね。

その後、ラグジュアリーなカプセルホテル「安心お宿」への異動を経て、7年目となる2025年、25才で支配人になりました。

――支配人への打診を受けた時、どんな気持ちでしたか？

渡久地さん：正直、「私なんかが務まるのかな」という不安が大きかったです。でも、期待していただいているんだという喜びも同時にあって、「やるしかない！」と覚悟を決めましたね。

マネージャーは現場をまとめる役割が中心でしたが、支配人はホテル全体のことを考え、数字を管理したり、売上を上げたりする責任があります。把握する範囲が大きく広がりました。新たな挑戦に、身が引き締まる思いでした。

――上司の佐藤さんは、当時の渡久地さんにどのような印象をお持ちでしたか。

佐藤さん：渡久地さんのことは、「愛犬ヴィレッジ」にホスピタリティあふれる優秀な人材が入ったと聞いていていました。
その当時、実は「安心お宿」に加入してほしいと考えて、一度渡久地さんと面談をしていたんです。「安心お宿」はカプセルホテルというモデルだったので、彼女のようなホスピタリティの高い人材に入ってもらい、ホテルの質の底上げを図りたかったのです。

しかし「愛犬ヴィレッジ」の状況を考慮し、その時は断られました。

――お話をお断りしたのですね。

渡久地さん：そうなんです。「愛犬ヴィレッジ」の営業が苦しい時期で、今の状態で離れるわけにはいけないという想いでした。

佐藤さん：働く一人ひとりのことも把握していて、責任感の高さを感じましたね。しっかりしているなと貫禄を感じていたので、23才の新卒入社で、高卒だと知った時には驚いたのを覚えています。
 25才で支配人というのは、当社でのキャリアステップよりもかなり早い昇進でしたが、この時のこともあり、彼女であれば安心して任せられると確信していました。

――高卒で社会に出ることのメリットについて、ご経験を踏まえて教えてください。

渡久地さん：早くから社会に揉まれながら自立できること、そして自分の成長を実感しやすいことが一番のメリットだと思います。
大学生の友人たちと会った時に、「自分、大人になったな」と感じる瞬間って結構あるんです。早くからキャリアを積むことで、将来の選択肢も広がります。
まさか自分が25才で支配人という役職をいただけるとは思っていなかったので、あの時、就職を選んで本当に良かったなと思っています。

――渡久地さんの今後の目標を教えてください。

渡久地さん：まだ支配人としては経験が浅いので、まずは社員に安心して業務を任せられる状態にすることを目指したいです。もっと自信を持って、ホテル全体を引っ張っていけるようになりたいと思っています。

――高卒で就職を考えている高校生へのメッセージをお願いします。

渡久地さん：自分の未来に希望を持って、勢いに乗って一歩を踏み出すことをお勧めします。もちろん、不安もあるかと思います。私もそうでした。でも、「やるしかない！」と自分を信じて挑戦することで、視野が広がり、新たな可能性が見えてくるはずです。もし今、一歩を踏み出すことに躊躇しているなら、思い切って飛び込んでみてください。その一歩が、きっと素晴らしい未来につながります。

――また、高校生を受け入れる先輩社員の方々にメッセージはありますか？

渡久地さん：私も今年初めて高卒の新卒を受け入れました。高卒で入社する社員は、初めて社会に出る人ばかりです。温かく見守りながらも、「ダメなことはダメ」と伝えることが大切だと思います。
本人の立場に寄り添って、自分の経験を振り返りながら接してあげれば、きっと良好な関係を築けると思います。私たち先輩社員も、初心を忘れずに、後輩の成長をサポートしていきたいです。

――後輩の教育について悩んでいる先輩社員もいらっしゃるようです。アドバイスはありますか？

渡久地さん：私から言えるのは、自信を持って教えることが大切だということです。
私も後輩で指導する相手が年上ということもあります。
指導する際は先輩社員としてプロフェッショナルに接し、プライベートでは年上の人として接するなど、メリハリをつけることも有効だと思います。

渡久地さんのお話を伺い、早くから社会の経験を積むことから、若い年齢で責任感を持ち大きな役職を任されて成長していく高卒人材だからこその大きな可能性を感じることができました。

渡久地さんの活躍の背景には、高校生の時にバリ風のホテルの雰囲気に魅了された感動体験があるのでしょう。「お客様の笑顔のために」というホスピタリティ精神を原点に、毎日の実践からひとつずつ自信を培ってきたことが伝わりました。

彼女のような人材に活躍と成長の機会をひらくことで、会社の未来を切り開く大きな力となるでしょう。高卒の新卒採用に、若くから成長する可能性を感じていただければ幸いです。

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