高卒採用は職場改善・社会貢献につながる!? スタートアップ税理士事務所の高卒採用への挑戦
ジョブドラフトの掲載企業に体験談を聞く、ニューノーマルの高卒採用成功事例シリーズ。
今回は、これから起業を考えている方・既に企業経営をされている方々の夢やビジョンを税理士としてサポートする「YDK Consulting株式会社様」のインタビュー内容をご紹介します。
目次
1、YDK Consulting株式会社について
Q.貴社について教えてください。
弊社は、これから起業を考えている方や既に企業経営をされている方々の夢やビジョンを資金面でサポートする「税理士」が運営をしている会社です。お客様は、個人事業主だけではなく、法人企業も対象です。法律を駆使して効率的な資金繰り改善のご提案をし、銀行の融資サポートをすることで、お客様がさらなる挑戦ができるように寄り添って支援を行っています。私は、税理士の専門学校に入学し26歳で税理士試験に合格しました。いくつかの税理士事務所に勤めた後、フリーランスとして独立するよりも、仲間と起業した方が色々な挑戦ができると感じたため、2020年1月に専門学校で出会った仲間と一緒に起業しました。
2、高卒採用を始めたきっかけ
Q.高卒採用を始めたきっかけを教えてください。
当社は、税理士事務所では若い組織です。税理士は平均年齢が高く、60歳以上の方が50%程を占めており、30代の税理士は10%程です。このような状況のため若い私たちが年上の方を採用するのはハードルが高く、若い方の採用をしたいと考えていました。しかし、2020年10月ごろにジョブドラフトの営業の方に来ていただき、コロナの影響で高校生の就職活動が難航しているという事実と、ジョブドラフトの関東エリアで税理士事務所の求人掲載がないため、税理士を希望する生徒がいても就職先がないということを聞きました。
当初の予定では、何となく大卒採用を始めるか…と考えていたところでしたが
「高卒新卒と大卒新卒で何か能力に差があるかというと特にないのではないか。」
「前例がないのであれば、新しい道を自分たちが切り拓きたい。」と考えるようになりました。スタートアップなため日常業務もドタバタしている状況でしたが、私たちにとって人に教えることはアウトプットになり、教える側の成長にもつながり、社会貢献にもなると考えたため、高卒採用で新卒の募集をすることにしました。
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3、ジョブドラフトを活用した採用活動
Q.採用活動で工夫したことは何ですか。
高卒採用は独自のルールがあることをジョブドラフトさんから聞くまで知りませんでした。ルールではハローワークで求人を出さなければいけませんが、求人票の様式では内容が分かりにくく、伝えたいことが表現できないと感じました。そこで、「ジョブドラフトNavi」に企業ページを掲載させていただき、自分たちが伝えたい想いを写真やメッセージで表現しました。お陰様で税理士の堅い印象を払拭することができました。また、ジョブドラフトさんから採用活動のサポートをしていただけたこともとても良かったです。
2020年12月中旬にナビの掲載を開始して、1月中旬で1名の採用が決まりました。昨年は求人に事務職が少なかったのもありスムーズに採用が決まりました。今年度(22卒)に関しては、「ジョブドラフトNavi」を見て職場見学に2名きてくれました。私は、能力値ではなく人柄で採用をしたいと考えており、22卒は21卒で入社した社員との相性も考慮しながら採用したいと考えています。
採用活動では、今年の高校訪問は行わず、近くの商業高校に求人票の送付を行いました。職場見学では、面談時に仕事内容を説明し、その後は領収書を会計ソフトに取り込む作業の体験や事務所の中を見学してもらいました。
4、採用後の育成やキャリアプランについて
Q.採用後の育成の仕方やキャリアプランについて教えてください。
若い社員に沢山チャンスを与えたいと思っています。税理士は、経営全般の相談に乗る必要があり、多くの経験を積み、法律を知らないと話ができません。まずは事務職として裏方を学んでもらい、徐々に経験を積んで、様々な企業の社長さんにアドバイスができるように成長して欲しいと思います。
入社後はまず、お客様の書類をデータ化する作業や電話対応から始めていただき、慣れてきたら資料を会計データに入力する仕事をしてもらいます。会計事務所の業務で言うと、11月以降から年末調整、1月から確定申告が始まりますので少しずつ経験してもらえたらと思っています。本人の希望があれば、税理士になるためのサポートを行いたいと考えています。また、事務職として成長したい場合も基本を覚えてもらい、今後入社する後輩に教えられるように教育担当者の1人として育てていきます。3年後にはお客様の対応を完璧にこなし、5年後にはバリバリと働けるようになって欲しいです。
税理士になるためには税理士試験に合格しなければなりませんが、高卒者は資格取得に段階が必要で、まずは日商簿記1級の資格を取得する必要があります。弊社では、残業0で働いてもらっているので勉強する時間を確保できます。まずは簿記3級の勉強から始めて、簿記2級までは全員に取得してもらえたらと考えています。また最初の受験費用は会社負担したいと考えています。知識を身につけた上で働くことは、いずれキャリアアップする場合にも本人にとって財産になります。
5、高卒新卒で期待していること
Q.高卒者にはどんな風に育って欲しいと考えていますか
私は、学歴と社会人スキルは比例すると考えてはいません。高学歴であっても仕事ができるとは限りません。また、高卒は大卒と比べて4年早く社会に出て経験を積むことができます。4年間先輩の指導を受けながら頑張った人材は、22歳になった時に大卒で入社してくる同い年の人材と比較しても全然違うのではないかと思います。しっかり仕事に励み、世の中のことを学べば明るい未来があります。僕自身は最終学歴こそ大卒ではありますが、税理士という資格を取ったことで今の自分がいます。本人のやる気次第で将来は変わると思っています。
6、高卒採用を検討している企業に伝えたいこと
Q.高卒採用を検討している企業に向けてメッセージをお願いします
私は世の中がものすごいスピードで成長しているため、若い人材を採用しなければ時流に乗ることができず置いていかれてしまうのではないかと考えます。そのため早い段階で若い人材を採用することが企業を成長させていくうえで非常に大切になってくると思います。仮に社長の給与を多少減らしてでも高卒採用を先行してすべきだと思います。今後は、残業をして時間でカバーする日本の古い働き方から、新しい働き方にシフトしていく必要があります。高卒採用をすることでより「良い会社」について考えるきっかけにもなり、働き方の改革にもつながるのではないでしょうか。高卒採用もその他の採用もそうですが、人がいなければ仕事は回りませんし、仕事の喜びを分かち合うためには、良い人材の定着が必要です。
ただし、高卒採用を経験してみて気を付けなければならないことがあることが分かりました。高卒採用は「教える」業務に時間がかかるため、教える体制を整えることが非常に大切です。高卒者は純粋で成長意欲が高いため成長スピードは非常に早いですが、それでも高卒採用初年度の1年目の教育は大変です。担当をした者は大変な思いをして教育にあたってくれました。しかし1年目に育てることができれば、2年目には良い連鎖が生まれます。新卒1年目の採用後、どう育成するかがとても大事です。1年目の社員が「ここに入社してよかった」と思えば、2年目には後輩の教育を頑張ってくれます。このような良い連鎖も考えて、2年目は1年目と相性が良さそうな生徒を採用したいと考えています。
最後に
これからも雇用の創出で社会貢献をしたいと考えています。高卒採用をずっと続けてリテラシーの高い高卒社会人を増やしていければ世の中に良い影響を与えることができると思っています。業界業種が違ってもそれぞれでこのような社会貢献ができます。高卒採用は、単に人材を補うということではなく、社会貢献の心も必要だと感じます。高卒採用をすることで職場環境がいい方向へと進むと信じています。
企業情報
企業名:YDK Consulting株式会社
従業員数:8名
業種:税理士
募集職種:会計事務所での事務職
実働人員:2名
高卒採用歴:2年目
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