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学校斡旋とは? 高校生が就職先を見つける一般的な方法

高校生が就職する方法として一般的なのが「学校斡旋」です。学校斡旋には「一人一社制」や「内定したら原則入社」など、大学の新卒者とは異なるいくつかの規則があります。高卒採用を検討している企業の人事採用担当者は、自社の採用活動に役立ててみてください。


1、学校斡旋とは

「学校斡旋」とは、企業が選定した特定の学校に求人情報が届き、その中から生徒が就職先を選んで高校の推薦を受けて就職試験を受ける方法です。高卒の大半は学校斡旋を使用しての就職が一般的ですが、それ以外の就職方法として、自力で就職先を見つける「自己開拓」、親戚や知り合いなどのつてで就職する「縁故就職」などがあります。

学校斡旋では、まず高校の進路指導をしている教員のもとに企業から郵送や直接訪問で求人票が届きます。教員は、届いた求人の中から各生徒におすすめの就職先を提案し、生徒はその中から1社に絞って面接を受けます。多くの生徒が平等に就職機会を得られるよう応募開始から一定の期間は1人1社しか応募できず、ほぼ全員が内定を得られる仕組みです。また、学業との両立を図るために求人公開から内定まで大卒の就活と比べて短期的なスケジュールで行われます。

2、一般的な学校斡旋の特徴

学校斡旋は、ほとんどの高校生が内定を得やすい反面、さまざまな制限が設けられています。ここからは、学校斡旋の特徴をみていきましょう。

一つの企業しか受けられない

基本的に学校斡旋では、1人の生徒が複数の企業に同時に応募することはできません。生徒一人ひとりに平等の就職機会を与えようという考えに基づいた制度で、このルールを「一人一社制」といいます。生徒はまず第1志望の企業の選考を受け、採用されなかった場合のみ第2志望への推薦を受けることができます。応募から選考開始までのスケジュールは全国一律で決められていますが、2社に応募できる時期は都道府県によって異なり、早い場合でも10月1日以降です。都道府県によっては例外もあり、たとえば秋田県や沖縄県などでは9月16日の推薦開始から1人につき3社まで応募できます。

なお、この一人一社制という制度は慣習として行われているもので、法律で定められているわけではありません。2020年には文部科学省と厚生労働省が一人一社制の見直しを求める報告書をまとめており、今後はルールを見なおす都道府県がさらに出てくるかもしれません。

あわせて読みたい:「高卒採用の「一人一社制」ってどんなルールなの?」

公務員試験も受けられない

学校斡旋は高校生が確実に企業から内定を得られるように作られた仕組みのため、民間企業と公務員試験との併願は認められていません。公務員試験を受験する場合のルールも基本的には民間企業の同じで、最終試験に不合格だった場合のみ民間企業への応募が可能です。

内定辞退できない

新卒大学生の就職活動では複数の企業に応募が可能なため、複数企業から内定をもらった場合には、本人の希望で辞退することも可能です。しかし、高校生が学校斡旋を利用して就職活動するときには、内定をもらったら必ず入社するのが一般的で、基本的には内定の辞退はできません。

3、学校斡旋の流れ

ここからは、学校斡旋の具体的な流れについて説明します。特に活動が活発化する4月から9月まで、企業・学校・生徒が行うそれぞれプロセスについて確認していきましょう。

4~6月 採用準備・求人票提出

企業は4月頃から採用の準備を始めます。求人票に記載する自社の強みを確認し、どのような人材に応募してほしいかなどを決定するのです。求人情報の公開前には、各企業が名刺交換会を開催することがあるので、高校の進路指導教員はそこで情報収集をしたり、どのような項目を記入するのかといった確認を行ったりします。

5月頃には、ハローワーク主催の求人説明会が開催されるため、高卒採用を考えている企業は必ず参加します。大卒とは異なる高校生の採用方法や、求人票の記入例、内定に関して守るべきルールなどを理解しなければなりません。

6月頃になると企業は求人票の提出を始めます。高卒採用はハローワーク発行の求人票を用いて行うことがルール化されており、ハローワークの確認印がなければその求人票は無効です。そのため高卒採用を考えている企業は、必ずここで求人票を作成・提出しなければなりません。

さらに詳しい情報が知りたいときには、下記を参考にしてください。
あわせて読みたい:「学校推薦で採用する「指定校求人」と「公開求人」ってどう違うの?」

7月 求人情報が解禁

7月1日になると求人票の情報が公開されます。さらに学校訪問も解禁されるため、企業の採用担当者が求人票を持参して学校を訪問することも可能です。

生徒は就職指導室などに置かれている求人票を見て、興味のある企業を見つけます。また進路指導教員との面接などにより、直接企業を勧められることもあります。とはいえ、誰でも希望した企業に応募ができるわけではありません。企業が特定の学校のみに求人を公開する「指定校求人」の場合、特定の企業に多くの希望者が集まれば、学内で誰を推薦対象とするかを選考します。このとき、基本的には成績がよい人ほど選考に通りやすくなります。

9月 応募開始

9月5日からは学校側から企業へ応募書類が提出できるようになります。このときに提出する履歴書や調査書などの応募書類には「全国高等学校統一用紙」を用いることが決められており、JIS規格の履歴書は使えないほか、企業が独自の提出書類を要求することはできません。

9月16日からは企業の選考が始まります。書類のみの選考は禁止されているため、面接や適性審査が行われます。大半の企業では面接は1回が基本です。企業は選考が済み次第、遅くとも7日以内に学校と本人宛に採否結果の通知書を作成・送付することになっています。これは、不採用通知が遅れることで、生徒が他の企業へ応募する機会が失われないようにするためです。

4、まとめ

高卒の就職方法として一般的な学校斡旋では、学校に届く求人票の中から生徒が希望する応募先を選び、学校の推薦を受けて採用試験を受験します。生徒は一定の期間、1社しか応募できない決まりで、第一志望に不合格だった場合のみ2社に応募することができる決まりです。
高卒採用のルールについて詳細を知りたい方はこちらの記事を参照してください。

あわせて読みたい:高卒採用のルール

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