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Z世代の特徴や価値観とは? 人材採用と育成のポイント

数年前から新社会人として採用された社員や、これから新卒採用として入ってくる人たちは、Z世代と呼ばれる人たちです。彼らはどのような特徴や価値観を持っているのでしょうか。

この記事では、Z世代についてより深く理解するために、Z世代以外の世代の特徴や、その違いも含めて解説します。


1、Z世代とは?

Z世代の明確な定義はありませんが、一般的には1990年代後半から2015年頃までに生まれた人を言います。この世代は、物心がついた時からデジタル技術がすでに発達しており、インターネットに慣れ親しんでいる世代と言えます。

アメリカ発祥の語源では、1960年から1970年に生まれた人を「ジェネレーションX」(X世代)と呼んでいます。そこから、Y世代(1980年から1990年頃まで)、ミレニアル世代(1983年頃から1995年頃まで)、そしてZ世代と続いています。

国によって使用されている世代の年代区分に相当なばらつきがあります。これは、それぞれの国の社会変化や大きな出来事が年代区分の選定に影響を及ぼしているからです。世界規模で見ると、1995年にWindows95が発売されており、それがきっかけで急速にインターネットが発達しました。そのため、1995年以前と以降で世代に違いがあると捉えています。Z世代が1995年や1990年代後半からとするのは、この大きな世界規模の出来事に由来します。


2、X世代・Y世代・ミレニアル世代・α世代との違いは?

Z世代の特徴とは、どのようなものでしょうか。現代ではマーケティングや社会学の発展により、多様な世代区分が存在します。それぞれの世代の区分や特徴を把握し、他世代との違いを見ていきましょう。

X世代とは

X世代は、日本では1965年から1980年ごろに生まれた人と区分しています。学生運動や高度経済成長が終わった頃に生まれた人たちです。この世代は人口が多く、間に団塊ジュニア世代(1971年~1974年生まれ)をはさみます。学生時代は1クラスの人数も多く、大学の受験倍率も高くて競争が激しい時代でした。

就職時期で言うと、バブル世代と就職氷河期世代を含んでいます。バブルの恩恵を受けて優遇され就職した人と、新卒で就職できずに苦労した人とが混在し、世代間でも極端な差があります。また、冷戦終結やバブル崩壊を実際に見てきた世代です。パソコンの普及・一般化は成人してから起こりました。そのため、デジタル移民者という意味でデジタル・イミグラントとも呼ばれています。

Y世代とは

日本のY世代は、1980年から1990年代ごろに生まれた人と区分しています。後述するミレニアル世代と重なっており、特徴も似ているため同一視する場合もあります。
日本では学習指導要領の「ゆとり教育」が話題になり、ゆとり世代と呼ばれてきました。また、就職では新卒採用を控える就職氷河期にあたり、就職氷河期世代やロストジェネレーション世代(ロスジェネ世代)とも呼ばれています。

インターネットの世界では、生まれた時点でネット環境がある生活をしているデジタルネイティブの中で最初の世代であり、デジタル・パイオニアとも呼ばれています。

ミレニアル世代とは

ミレニアル世代は英語の新千年紀を意味するミレニアムに由来して名付けられました。2000年代以降に成人した人たちのことを指しており、生まれた年は1983年から1995年ごろです。前述したY世代とも重なりますが、ミレニアル世代は日本の他に、アメリカや英語圏の国々で共通して使用されています。

幼少時代からインターネット環境が身近であり、「デジタルネイティブ」と称されて、注目を浴びています。IT技術やネットリテラシーが高い人が多いと言われています。
また、この世代は自身の成長とインターネット技術の発展が重なっています。そのため、世界が発展してよくなるという楽観的な見方をする、理想主義の側面が強いとも言われています。

α世代とは

Z世代の次の世代をα世代と呼びます。2013年から2020年ごろに生まれた人たちのことです。アルファベットはZが最後なので、ギリシャ文字の最初の文字であるαを当てています。将来的にはβ世代、γ世代、と続いていくかもしれません。最年長でも小学校低学年の児童や乳幼児であるため、今はまだどのような特徴や傾向があるかを判断できません。社会的にはコロナウィルスの影響を受けた後の世代です。現在、私たちが過ごしている新しい生活様式が、α世代の人たちにとっては当たり前になる可能性があります。

3、日本におけるZ世代の特徴や価値観

Z世代はミレニアル世代とともに、デジタルネイティブと呼ばれており、ネットリテラシーが高いことが特徴です。しかし、ミレニアル世代とは違う特徴をいくつか持っているため、デジタルネイティブの第2世代として区別されています。

この2つの世代において一番の違いは、Z世代の方が現実的で保守的な面が強いことでしょう。これは、子供時代にリーマンショックや東日本大震災など、社会が不安定な時代を体験しているためです。
また、多様性を尊重する世代であるとも言われています。LGBTなどのマイノリティ運動を受け入れるなど、さまざまな意見を尊重しやすい傾向にあります。また、Z世代はSNSを中心とした生活を送っており、SNSネイティブとも言われてます。自分とかけ離れた人たちとの交流体験を常に行っており、Z世代の多様性(ダイバーシティ)容認はSNSの影響もあるといえます。

4、Z世代が仕事に求めることとは

ここまで、Z世代の定義や特徴について解説してきました。そんな彼らにとって、仕事とはどのようなものなのでしょうか。ここからは、彼らが仕事に何を求めているのかを解説します。

ワークライフバランスを重視している

Z世代は、仕事内容よりもワークライフバランスを重視しています。ミレニアル世代もワークライフバランスを重視していましたが、よりその傾向が強く現れています。調査によると、仕事よりも家庭やプライベートを優先したいと考える人が多いと言えます。余暇や趣味にかけるお金も多く、娯楽や体験を大切にする傾向があります。

労働者がワークライフバランスを重視する傾向は年々強くなっており、Z世代以後も増加すると予想されます。企業もその傾向を踏まえて、職場環境の整備を行うべきでしょう。

安定している企業を選択する傾向にある

Z世代では、自分の好きな仕事や職種で働くよりも、安定した企業で働くことを選ぶ傾向が強いと調査で判明しています。これはZ世代の特徴である、現実主義的な面をよく表しています。

しかし一方で、大手企業を志向する割合は減少しているという調査結果が見られます。
日本の有名な大企業は、これまで大型リストラや早期退職制度を公表して行ってきました。そのためZ世代にとって、大企業は必ずしも安定した企業とは思えない、という見方が広がっているのでしょう。将来的に企業から離れなければならなくなる可能性も視野に入れて、これから成長する産業を見極めて人生設計をしようとしている姿勢がうかがえます。

楽しく働きたいと思っている

仕事にプライベートとの両立を求めているZ世代にとって、仕事が個人の生活の自由を阻害することはもっとも嫌がる部分です。このことは、最新の調査(マイナビ 2021年卒大学生就職意識調査)でもよく表れています。
学生が就職する企業に求めているものは、「楽しく働きたい」がトップです。反対に、行きたくない会社のトップが「ノルマのきつそうな会社」です。また「休日・休暇が取れない(少ない)会社」も敬遠されます。海外転勤については行きたくないという人が増えています。会社のために身を削るというタイプは少なく、職場の雰囲気の良さやプライベートとの両立を重視する傾向にあるといえます。生活に直接影響のあるきついノルマや転勤は敬遠される傾向にあります。反対に楽しいと感じる仕事には、意欲的に取り組みます。

オープンなコミュニケーションをとりたいと思っている

SNSネイティブなZ世代は、オープンなコミュニケーションを求めています。自分から情報発信することも得意であり、会社や上司とオープンな意見交換を求める傾向にあります。
また、Z世代は仕事を通じて、社会貢献することについても意欲的です。調査によると、「仕事を通じて社会の役に立ちたい」と考える人の割合がもっとも多い世代です。Z世代は就職後も職場や会社だけでなく、社会全体とオープンなコミュニケーションを取りたいと考えています。


5、まとめ

Z世代はデジタルネイティブ世代であり、普段からSNSを中心とした生活を送っています。さまざまな考え方の人たちに触れることでダイバーシティを受け入れ、多面性もあます。いっぽうでお金やキャリアについては保守的です。仕事ではプライベートを優先したいと考えている人も多く、ワークライフバランスを重視する傾向にあります。また、決して大手企業志向ではなく、自分に合った安定した企業で働きたいという傾向があります。

Z世代の採用や人材育成は、ジェネレーションギャップを恐れることなく積極的なコミュニケーションを図り、そこから見えるライフスタイルの特徴や仕事に対する考え・傾向を考慮した採用計画や人事教育に取り組むべきでしょう。

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